映画レビュー1108 『赤ちゃん教育』

今回は久しぶりにBSプレミアムから…と思いきやウォッチパーティだ!

GWヒマヒマなのでゲリラでウォッチパーティどうですかと募ったところ結構参加者が集まってくれたため、抽選で誰かが推薦した映画を観ましょうと決めたらこれが登場してきました。マニアック…!

個人的にもこの映画は「男性の好きなスポーツ」の源流との噂を耳にしていたのでとても観たかった一本で、渡りに船とはこのことだぜと。ちなみにモノクロ映画です。

赤ちゃん教育

Bringing Up Baby
監督
脚本

ダドリー・ニコルズ
ヘイジャー・ワイルド

出演

キャサリン・ヘプバーン
ケーリー・グラント
メイ・ロブソン
チャーリー・ラグルス

音楽

ロイ・ウェッブ

公開

1938年2月18日 アメリカ

上映時間

102分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

赤ちゃん教育

ドタバタ過ぎて衝撃。

8.0
偶然出会った女性に振り回される男の数日間
  • 古生物学者が偶然出会った女性に散々振り回されるスクリューボール・コメディ
  • なんだかよくわからないわちゃわちゃ話とテンポの速さが衝撃的
  • かなり古い映画ながら比較的観やすい良作
  • 邦題が謎すぎる

あらすじ

当ブログにおける1930年代の映画は最古の部類に入り、この作品で7本目という貴重な映画なんですが、しかしその古さに反して(?)とても観やすく飽きさせない、なかなか面白い映画でした。

古生物学者のデヴィッド(ケーリー・グラント)は念願の恐竜化石標本の完成と結婚を間近に控えるという人生でも最も充実した時期にいる男性です。

彼はランダム夫人というお金持ちから、所属する博物館への100万ドルという巨額の寄付を確実にするため、彼女の弁護士の“接待”でゴルフ場へ行きますが、そこで出会ったスーザン(キャサリン・ヘプバーン)という女性に振り回された挙げ句、その夜の会食でもまたやってきた彼女に振り回され…と散々な目に。

さらに翌日、彼女から「今部屋に豹がいるの! 助けて!」と連絡を受け、駆けつけるとそこには大人しい豹が。

何の因果かそのまま彼女に付き添うことになったデヴィッド、しかし行く先々でやっぱり振り回されて…どうなることやら。

呆気にとられる勢い

公開当時はあまり評価されなかったようですが、今現在ではスクリューボール・コメディの古典的傑作、とのことです。

最初に書いた通り、同じハワード・ホークス監督作である「男性の好きなスポーツ」と同じジャンルですね。確かに共通点や元となったであろうシーンはいくつか見られましたが、そこまで似ているわけでもありませんでした。

僕としては「男性の好きなスポーツ」の圧倒的な面白さから比べるとだいぶ落ちる印象はありましたが、それでもなかなかこれだけ古い割に笑える出来の良さは上々です。

主演は古い映画好きにはたまらないケーリー・グラントとキャサリン・ヘプバーンのコンビ。この二人は「フィラデルフィア物語」でも共演しております。もうこの二人が主演、ってだけでボーナスポイントを付与しちゃうぐらいにはたまりませんね。何に付与するのか知らないけど。まーケーリー・グラントが若い若い。

話はひじょーに込み入っているというか…よくわからない展開と勢いでとにかくグイグイ進む、なかなか他に類を見ない不思議な映画ではありました。「そんな行動取る!?」「なんで許せるの!?」のオンパレードなんですが、それがまた嫌じゃないというのが不思議。なんか勢いで「お、おう…(そうなんだな)」と納得させられちゃうような。

キャサリン・ヘプバーン演じるスーザンは、普通に近くにいたらかなり迷惑な女性なんですが、それでも勢いに流されてしまい「もしかしたら俺のほうが間違ってるのかもしれない」と反省させられちゃうような、考える暇を与えない、かつ疑問に感じる方がおかしいと思わされる強烈な我の強さを発揮していて、美人って得だよねと思わざるを得ません。仮に性別を逆にしてもいい男だったらきっと許されちゃう。人は見た目が十割ってやつですよ。悲しみ。

とにかく観客に先を予想する暇を与えず、呆気にとられていたら話が進んでいていろいろひどくて笑っちゃうという…いやなかなかすごい映画でした。

古い映画と言えば無駄にシーンが長かったりして飽きちゃう印象が強いんですが、この映画はまったくそういう気配もなく、むしろスキを見せないドタバタぶりに最後もなんか「まあ良いか」と許容してしまうスピード感がすごい。

これきっと勢いがイマイチだったら「それおかしくない?」ばっかり残っちゃって大して面白くないんじゃないかと思うんですよ。そう言う意味では演出と編集の凄さがよくわかる映画だと思います。

 実はテクニカルな映画では

決して手放しに「面白かった!」と言い切れるような映画でもないんですが、良い意味で観客が“化かされる”パワーがあるので、「細かいことは気にせず笑っちゃう」のが面白い。詳しいことはよくわかりませんが、なかなかテクニカルな映画な気がしますね。アラを見えなくする、カバーする力技が巧み。それを狙って作れるハワード・ホークスってやっぱりすごいんだなと思います。

おそらくさっぱりな人にはさっぱりだと思うのであまり万人にオススメできる映画でもない(この辺りも「男性の好きなスポーツ」の方が有利)と思いますが、しかし年代から想像される印象とはまったく違うテンポを持った貴重な映画でもあるので、新旧問わず少し変わった映画が観たい人には良いのではないでしょうか。

僕はウォッチパーティで観ましたが、まさにみんなでワイワイツッコミながら観るのも良いと思います。これだけ良い意味で適当な展開を勢いで見せる映画、今はなかなかお目にかかれないかもしれません。

このシーンがイイ!

もうベタだけど思いっきりコケるシーンとか笑っちゃいますよね。申し訳ないけど。しかもケーリー・グラントだし。

この辺りも「男性の好きなスポーツ」と似た良さな気がする。

ココが○

とにかく勢いが素晴らしい。考えさせない。唐突な展開がすごい。「え、なんでそうするの!?」とかツッコミどころ多いのが良い。

ココが×

物語の整合性というか、「普通に考えてそれはないでしょ」みたいなのを言い出すとキリがないです。ぶっちゃけ自分がデヴィッドだったらスーザンには惚れないと思う。異常行動が目に余る。そこが面白くもあるんだけど。

MVA

ぶっちゃけどっちでも良いんですが…こちらの方に。

キャサリン・ヘプバーン(スーザン役)

ヒロインのお嬢様。いろいろ危険人物。

まあやっぱり表情豊かでかわいいんですよね。見た目以上にかわいく感じるのが大女優たる所以、ってところでしょうか。

終盤ノリノリで別人格を演じるシーンなんかも笑っちゃうし楽しそう。

ケーリー・グラントもまだ若いだけにキャリア後半の大物然とした雰囲気とはまるで違い、振り回される青年感がとても良かったです。

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