映画レビュー1497 『新幹線大爆破(2025)』
最近忙しくてろくに更新せず申し訳ありません。
イラストを描くのがとにかく億劫で「めんどくせえなあ」とゴロゴロしてたら休みが終わる日々が続いております。
そんな中、こちらの映画。
配信開始は知っていましたがやっぱりオリジナル版と比べちゃうし…とあまり乗り気ではなかったんですが、ネトフリを開くとしばらく「日本のランキング」で1位が続いていたのでまあじゃあ期待せずに観てみますか、と。
新幹線大爆破(2025)

オリジナル版と喧嘩しない作りで賢い。
- 設定はオリジナル版とほぼ一緒、しかしリメイクではなくあの事件があった後の現代が舞台
- 犯人が主人公だったオリジナル版と違い、中盤まで伏せられた状態でやや違ったテイストに
- オリジナル版の偉大さに真っ向勝負を挑まない作りが上手
- 一部キャストの演技がやや過剰な点が気になる
あらすじ
あまり期待せずに観たせいか思いの外満足できました。面白かったです。
新青森発東京行きのとある新幹線に爆弾を仕掛けたとの連絡がJR東日本に入り、その爆弾は時速100kmを下回ると爆発するとのことでその証明に別の貨物列車でデモンストレーション、マジだったよってことで大騒ぎです。
JR東日本の指令所では総括指令長の笠置(斎藤工)から当該新幹線の車掌である高市(草彅剛)に状況を連絡し、高市は乗客に知らせない形で対応に当たります。
新幹線の終点は東京駅、仮に現地で爆発してしまうととんでもない被害が想定されるため、当然ながらその前になんとか爆弾を処理したいところですが、しかし次から次へと問題が巻き起こり…あとはご覧ください。
うまくオリジナル版との違いを出したリブート版
ということで「新幹線大爆破」の現代版です。
僕は勝手にリメイク版だと思っていて、「今の時代に高倉健の代わりを務められる役者なんていないだろ…」と思ってまったく期待していなかったんですが、それは作り手側もわかっていたことなのかリメイクではなく「リブート版」でした。
舞台は現代、かつてオリジナル版の事件があり、その延長線上の未来で言ってみれば模倣犯のような形で再度同じような爆弾が新幹線に仕掛けられた…という設定のお話です。
オリジナル版は東京発博多行きでしたが今回は新青森発東京行きなので、終点までこじれると大変な被害になるよ…といった違いもなかなかお上手。
またオリジナル版ではオープニングから「高倉健が犯人(で主人公)」というのは明示されていて、それ故に「健さんがただの悪者なはずがない」と感情移入しつつそれに応える内容の話になっていてそこがまた見応えがあって良かったんですが、そこもそのままやってしまうとどうしても健さんとの比較になってしまうからか今作は犯人が中盤まで伏せられた状態(だけど怪しいのでわかりやすいんですが)で進行し、主人公は車掌(草彅剛)に変更になっているのもポイントでしょうか。
当然ながら舞台が現代である分、スマホやSNSといったものが登場し物語に関与してくる辺りもうまくリブート感を出していたと思います。
あとはもう単純に「爆発を回避できるか」の緊張感ある流れを観ていくだけのお話なので、わかりやすいし飽きないしでとても観やすい娯楽映画になっているのではないかなと。特に頭を使うこともなく。
ただ少し気になったのは、例によって邦画にありがちな演技過剰問題。
ちょっと感情を込めすぎな演技が多い気がしたんですよね。特に斎藤工と、一番ひどかったのは総理補佐官役の田村健太郎。どちらも自分の演技に酔っている感が強かったです。(日本の俳優にありがちな演技ではあるけど)
一方主人公を演じる草彅くんは別に好きでもないんですが抑え気味の演技が(対照的で)良かったかなと思います。ああいう(場が)パニック状態のときは抑えたタイプの演技のほうが有能に見えるのもあるでしょう。
もう一人の重要な登場人物でもある運転士の松本役を演じたのんちゃんはその風貌から二十歳ぐらいにしか見えないんですがもう30越してるんですよね。衝撃。かわいかったです。(映画関係ない感想)
劇場公開しないの?
大変申し訳無いんですが最近いろいろバタバタしていて鑑賞から時間が経ってしまっていることもあり、他に特に言うこともございません。
まあ観てわかる単純な映画でもあるし、ネトフリらしくお金もかかっているので「普通に制作された邦画」よりしっかり作られているような気がしました。詳しくないけど。
ネトフリオリジナルに多い何のひねりもないしょうもない洋画よりもよっぽど面白いです。
キャストもちょい役含めてかなり豪華でいろんな人が出てるし、むしろこの映画を劇場公開しないのは非常にもったいない気がしましたね。劇場だともっと迫力があって面白そうなんだけど…。
あとそうそう、監督が同じっていうのもあるんでしょうが、序盤のテンポ感だったり字幕の出し方だったりに「シン・ゴジラ」感も結構あったので、シンゴジ派の皆さんも観てみるといいかもしれません。
結局オリジナル版を超えられたかと言われるとさすがにそれはNOなんですが、とは言えその偉大なオリジナル版と比較されるのも承知でチャレンジした勇気がしっかり娯楽映画として形になったのはお見事だと思います。
オリジナル版は娯楽映画でありつつもっと深みを感じるものではありましたが、浅いから悪いというわけでもなくてリブート版のこちらはもっと間口広く誰が観てもそれなりに楽しめる、まさに娯楽映画に求められる機能をきっちり備えていてこれはこれでアリだな、と。
なので僕のように「オリジナル版と比べて良い出来になっているはずがない」と先入観を持っている方も一度観てみるといいのではないでしょうか。案外楽しめると思います。
このシーンがイイ!
ベタですがポイント切り替えは見せ場でしたね。あの緊張感、良い。
それと結構要所で埼玉が出てくるんですが、かなりの田舎&電波が悪いところにリアルさを感じましたね。(埼玉県民談)
ココが○
やっぱり「リメイク」にしなかったことが一番だと思います。
むしろオリジナル版を活かした設定にして美味しいところをいただいちゃってる辺りがお上手だなと。
ココが×
仕方がないことではあるんでしょうが、犯人のバックボーンが弱いのはどうしても感じるところ。これはやっぱりオリジナル版との比較もあって、なんでしょうが…。
MVA
かわいかったのでのんちゃんにしたいところですがこの人にします。
岩谷健司(川越吉晴役)
対策本部における警察の中心人物。
オリジナル版同様、警察は(犯人・乗客・JRと比べると)一番影が薄い組織なので割と地味なポジションの役ではあるんですが、上記の通り結構な人たちが過剰な演技に見える中、この方は一番地に足がついたまともな演技をしていたように見えたので選びました。
やっぱり脇役は大事だなと。特に周りが自己主張激しめな演技を披露してくれてると。
あと誰とは言いませんが犯人役の方も良かったと思います。


