映画レビュー0318 『ドライヴ』

久々にTSUTAYA行ったらなんか妙に料金が上がってる気が。きっとキャンペーンが終わった的な話なんでしょうが…わかりにくいよ! あんまりキャンペーンしすぎるのも問題だなーと思いました。まる。

やらしいのは借りていません。まる。

ドライヴ

Drive
監督
脚本
原作
『Drive』
ジェイムス・サリス
音楽
公開
2011年9月16日 アメリカ
上映時間
100分
製作国
アメリカ

ドライヴ

自動車修理工兼ドライブ専門のスタントマンであるとある若い男は、そのドライビングテクニックを活かし、裏稼業として強盗の逃がし屋という顔も持っていた。あるとき、好意を寄せていた隣人の人妻の旦那が服役から戻り、彼の“家族を守る”ために「ヤバい仕事」を手伝うことにしたのだが…。

語りすぎない、センス溢れるサスペンス。

8.5

ひじょーに重く、張り詰めた緊張感が持続するサスペンスで、結構観るには体力がいるというか、それなりに体調の良い時をオススメします。

個人的にはオープニングの「逃がし屋」としてのエピソードの“掴みの良さ”も相まって、タイトル通り「ドライブ」主体で「やべー客乗せちまったぜ」的な話なのかと思ったんですが、実はあまり「逃がし屋」的な話は中心になく、正体不明の主人公(名前すら不明です)がどんなヤツで、巻き込まれた事件に対してどういうけじめを付けていくのかを追ったハードボイルドタッチなサスペンスクライムムービー、という感じですが、でも「ハードボイルドです」と言われるとそれはそれでまたちょっと違う気もするし、なんだか良い意味で不思議な見せ方を感じる映画でした。

というかジャンル自体、「犯罪(クライム)映画」で合っているのかも実はちょっと悩ましい。「現代のマフィア映画」だったり見方によっては「ヒーロー映画」だったり…そういう意味でもちょっと面白い映画です。

主人公(名前不明)は自動車修理工兼ドライブ専門のスタントマン。たまに裏稼業で「逃がし屋」をやっている人物。仕事についてはどれもかなりの凄腕な様子で、寡黙で落ち着いた佇まいは「只者ではない」雰囲気がありますが、特に彼の背景について語られることもなく、一応普通の人らしい。そんな彼がたまたまエレベーターで一緒になった、同じフロアに住む人妻と徐々に親密になっていきます。

でも良い感じになったところで旦那が服役から戻ってきてしまい、そこで終了…かと思いきや、その旦那が刑務所での借金のせいでヤバイ仕事を手伝うように脅され、その影響が彼の家族、つまり愛する人妻&その息子に及ぶことを恐れた主人公は、「逃がし屋」として彼の仕事を手伝うことにしたところ、一つの大きな波に巻き込まれていくことになり…というお話。

話としてはそこまですごく珍しい、というものでもなく、また上に書いたように特に「逃がし屋」にクローズアップしたような話でもないんですが、演出や脚本という意味ではかなり独特の雰囲気を持った映画だと思います。

まず極力セリフを減らしている点。

主人公の名前すら出てこないのもそうですが、彼の背景についても特に語られません。ただの主従関係ではない、大きな恩義がありそうな雇い主・シャノンとの話も特に語られず、状況を把握できる最低限のセリフから、彼らの置かれている状況、周りの人物の立ち位置を把握していく感じ。おまけに主人公の冷静さ、冷酷さが彼のミステリアスな部分を引き立てていますが、その辺もまったく語られず、ただ描かれるシーンから彼の人となりを推測する…というか推測自体意味が無いような感覚。彼がどういう人物で、どういう理念で行動しているのかを知るよりも、ただこの男がこういう立場に置かれて、こういう選択をして、こういう話になりましたよ、という物語を観る、という感じと言えばいいでしょうか。

そう、この映画は「登場人物に感情移入する」ことで中に入り込んでいくという形ではなく、特異な人物の特異なストーリーを追っていくことで観ている人の中に世界を構築していくような映画というか。これは見せる側の力量が不足していると徹底的にクソな映画になると思いますが、この映画はそのセリフの少なさ含めて極力シンプルに、でもきっちりやるときはやる、という徹底ぶりが綺麗にハマっていて、不思議な魅力を持った映画だと思います。

なんというか、潔いんですよね。余計なものは描かない、その代わり必要なものはしっかり描く、という。

事件と登場人物を絞り、主人公の選択を推進力に物語を進めていく内容になっているんですが、主人公のそのミステリアスなキャラクターが絶妙なスパイスになっていて、この先どうなるのかわからない感が強く、しっかり最後まで退屈せずに見させてもらいました。

その主人公を演じるのがライアン・ゴズリングっていうのがまた絶妙。冷静で寡黙、あまり表情を表に出さないキャラクターで、かつ冷酷、しっかりやるときはやるという人物にものすごくハマってました。カッコいいけどあからさまな二枚目路線の人ではないし、何を考えてるのかわからない無表情の不気味さもかなりのもの。容赦無いシーンの強烈さも見事で、このキャスティングはスゴイの一言。

やや過激な演出もありますが、それも含めた徹底ぶりと、突如として流れるちょい古そうな挿入歌のマッチングがまた絶妙で、何と言うか王道ではないんだけど、うまい。魚料理で言うところのオレンジソースのソテーみたいな。醤油でも絶対うまいけどこれもアリだなみたいな。甘酸っぱさとオレンジの香りが魚の臭みを絶妙に消してますねみたいな。そんな不思議さはサスペンス系の映画が好きならぜひ味わって頂きたいな、と。

ちなみにくどいようですが、「ディナーラッシュ」をスタイリッシュで面白い! とか言ってる人たちはこっちを観て比べて頂きたい。僕はこの映画こそ、「スタイリッシュだな」と思いました。媚びない、でもかっこいい映像とストーリー。余計なことは描かずに、その印象を持たせる巧みさ。

「ディナーラッシュ」なんかで喜んでんじゃねーよボケが!!!

すみません、荒れてしまいました。謝りますが、でも消しませんけどね。ほんとクソだったんでね。あの映画。

このシーンがイイ!

エレベーターの一連のシーン。緊張感とエグさが強烈。

あと「2度目のマスク」も強烈。あの違和感。面白いなぁ、この作り方。

ココが○

緊張感の保ち方がすごくうまいんですよね。セリフの少なさをそこに活かしてるような。「絶対この後なんかあるだろ…」って思わせる煽り方がうまいです。

ココが×

特にありませんが、やっぱりちょっと過激なところは人を選ぶんじゃないかと。僕としてもやや目を背けたくなるようなシーンはありました。グロいの嫌いなので。グロい、っていうよりはエグい、って感じかもしれませんが…。

MVA

主要キャストみんな良かったですねぇ。キャリー・マリガンかわいかったなぁ。シャノン役のおじさんも味があってよかったし。でもやっぱりこの映画はこの人かな。

ライアン・ゴズリング(主人公役)

ほんとに面白い役者さんだなーと思いました。これを観て。他にいない独特の雰囲気を持ってますよね。楽屋に押しかけての脅しのシーンとかすごかった。強いのか弱いのか、風貌だけではわかりにくいところも絶妙。

なんとなく浦沢マンガに出てきそうな顔してるな、とも思いましたがそれはまた別の話。

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