映画レビュー0052 『フォロウィング』
今、もっとも注目しているクリストファー・ノーラン監督のデビュー作。ずっと借りたかったんですが、よーやく送られてきました。
フォロウィング
オープニングとエンディングのつながりにセンスを感じる。
ラストの感覚が何かに似てる。……と思い出したらアレだ! 「隣人は静かに笑う」の感じ。
……と「隣人は静かに笑う」を観たことがある人には結構ネタバレに近い気もしますが、まさにそんな感じです。言ってみれば「本当にありそうな怖い話」。
さすがデビュー作だけあって、白黒だし音楽はほとんどないし登場人物は少ないし…でとにかく地味。地味ですが、さすがノーランというか、オチはしっかりしていました。
オープニングで語り始め、映像でその内容を見せつつオープニングに戻ってくる、よくあるパターンの展開ではありますが、その最後の最後で話が劇的に転換していく辺りがさすが。
この映画単品で観ると、よくある「ちょっと評判のいいインディペンデント映画」といった感じですが、この後のノーラン監督の歩みを考えるとなるほどなるほど、と。なかなか味わいがあります。
時間軸の交差具合なんかもその後の作品を匂わせていて、まさに原点といった風情。短く、サクッと観られる映画なので、大して期待せずにリラックスして観るとイイかもしれません。
ココが○
オチ、ですかね~。
やっぱりサスペンスはオチが重要ですからね。グググっとラスト数分で話の全体像を見せる力量が○。
あとは短さもポイントですね。短い割に印象に残る映画でした。
ココが×
まーとにかく地味です。集中力を切らさずに観るのはなかなか大変かもしれません。
それと、時間軸がわかりづらい点。これはもう、そのまんま「プレステージ」につながります。
ただ、割と警戒して観ていたせいか、わかりやすい方だとは思います。が、逆に言えば、警戒せずにのほほーんと観てるとわかりにくいのもまた間違いないでしょう。
MVA
役者陣も少なく地味ですが、一人選ぶならこの人でしょう。
アレックス・ハウ(コッブ役)
この人の存在がこの映画のすべてです。きっと。