さて、お引っ越し先代(なんかのプロジェクトM)のお話第一回。かなり期待してたアノ作品が運良く運ばれてきたので、観てみましたよ! っと。
シャッター アイランド
Shutter Island
監督
脚本
レータ・カログリディス
原作
『Shutter Island』
デニス・ルヘイン
出演
音楽
公開
2010年2月19日 アメリカ
上映時間
138分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(DVD・TV)
精神病患者の犯罪者を収容するシャッターアイランドで一人の女性が脱走。その捜査のため、二人の連邦保安官が派遣されてきたのだが…。
うーん…………。
コレは何とも、評価が難しい…。
今までの6.0(※2010年9月23日に7.0に変更)とはちょっとニュアンスが違います。決して、面白くない映画ではありません。途中もかなり集中して、のめり込んで観られました。
ただ…やっぱり結末、かなぁ。 設定と、帰結の仕方がどうにもモヤモヤ。
話としては、「アリ」だと思います。観た人に判断をゆだねるのも、悪くない。ですが…なんか釈然としない。
きっと、「なるほどそうか!」とスッキリするような作りじゃないんですよね。ず~っと暗くて疑心暗鬼を促す作りのまま進行、そのまま終わるイメージ。 もちろんそれはそれでアリなんですが、なんだろう…おそらく、観た人の「答え」を複数残したいがために、わざとはっきりさせないような作り方をしていて、それがどうもどこかに引っかかったまま終わりました、という感じ。イマイチ、どの選択肢にも説得力が無い気がしてしまうというか…。
これは僕の解釈力が足りなかったのかもしれません。もう一度観ないとダメかもなぁ。
ただ「インセプション」のように、「コレはもう一度観ないと!」と思わせる勢いが無いのも事実。
不気味でコワイ世界観もよく出来てただけに、心を捉える「何か」がもう一つ、あれば…という点でもモヤモヤ。惜しい。
あと一歩で名作になれた気がするんですが…。
ネタバレ アイランド
[10年9月23日 追記]
再鑑賞しました。
せっかくなので、超吹き替え版で。違いはまったくわかりませんでしたが、まあ日本語の表現の部分なのでそれも当然でしょう。「超すげぇぜ」とかセリフに超を多用しているとかならわかりやすいんですが。それも嫌だ。
さて、再鑑賞後の感想。
やっぱりモヤモヤ。
正直、一回目とさして印象は変わりませんでした。怖いとこ怖いし。不気味なとこ不気味だし。いや、そこでなくて。
まず、話の内容的には、割と万人が受け止めるであろう回答が正解なのかな、と思います。サスペンスというよりは、悲しい人間ドラマ。
つまり、やっぱり最初の煽りは違うと思う。ただ、じゃあ日本の宣伝の仕方や公開の仕方が間違っていたのか、というと、きっとそれも違う。
理由は3つ。
一つ目は、「超吹き替え版」の作り方。
公開時にR25の記事で読んだんですが、吹き替えの訳は、基本的に一度日本語訳にした後再度英語に訳し、本国チェックを経て再修正を繰り返し、公開に至るそうですが、その本国チェックが今作に関しては監督自ら行ったそうです。そこまでこだわっている映画の売り方に本国が無頓着なわけがない、というのが理由1。
二つ目は、原作の作り。
原作は、ラスト部分が袋とじになっているそうです。つまり、原作者側にやっぱり「大どんでん返し」「衝撃のラスト」を演出したかった意図があったのではないでしょうか。これが理由2。
三つ目は、映画そのものの作り。
二度目の鑑賞で思いましたが、いくつか、明らかにミスリードを狙った場面があります。
洞窟の場面は話の肝でもあり、広がりを持たせるために必要だったとしても、その他あちこち些細なところでミスリードを狙ってるフシがある。ってことでこれが理由3。
そういった諸々のことを考えると、やっぱり(本国の)制作者側に「サスペンス(謎解き)として見せたい」という意図があって、その意向に添って日本の広告戦略・開幕の煽りがあった、と考えるのが妥当だと思います。
となると、観た方にはわかると思いますが、やっぱり謎解きモノとしては名作とは言いがたいものがあります。
「大どんでん返し」も目新しいものではないし、むしろそこかしこで予兆を見せる作りもしている。つまり、気付きやすい内容になっている。
でも、上記の通り「別の解釈もできるよ」という作りにもしている。結果、どっちつかずで「惜しい」映画になってしまった、というのが僕の感想ですね。
本レビューにも書きましたが、映像の作り、話自体の内容は魅力的なものがあるだけに、方向性を間違ってしまったために「惜しい」映画になってしまったのは非常に残念です。
ココが○
定番っちゃー定番ですが、サイコスリラー的な煽りで集中させる作りは良かったです。おかげでかなりのめり込んで観ることが出来ました。
ココが×
結構コワイです。
不気味だし、精神的にきつい場面も割とあるので、そういうのがダメな人は避けた方がいいです。
この「気持ち悪い世界」の描き方は逆に言えばメリットでもあるんですけどね。それだけ良く出来てる、と言うこともできるわけで。でも、ところどころちょっと嫌だなぁ、っていうのはありました。
あとは合成がちょっと下手。 いかにも合成ですよ、というシーンが結構出てくるので…。CGが綺麗になればなるほど、人物が浮いてしまうのはジレンマですねー。
MVA
今回は…どう考えても
レオナルド・ディカプリオ(テディ・ダニエルズ役)
でしょうね。
いやほんっと、この手の役をやらせたらうまい。うますぎます。慟哭のシーンなんてこれ以上の演技が出来る人いませんよ。きっと。やっぱりディカプリオはイイ!
しかしなんとなく、全体的にディカプリオ以外の配役が地味だった気が…。ま、いいんですけどね。
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