映画レビュー0201 『J・エドガー』

イーストウッド監督、ディカプリオ主演ときたらもう…。そりゃあ観に行かないといけないでしょう、ということで行って参りました。

J・エドガー

J. Edgar
監督
脚本
ダスティン・ランス・ブラック
出演
音楽
クリント・イーストウッド
公開
2011年11月9日 アメリカ
上映時間
137分
製作国
アメリカ

J・エドガー

初代FBI長官、エドガー・フーヴァーの一生。

相変わらず真面目に作ってはいるものの、「伝記」の域を出ない惜しい映画。

6.0

個人的に、今もっとも「ハズレない」監督と俳優が組んだ映画なので、相当ハードルが上がった状態ではあったわけですが、同時に「このコンビで伝記っていうのはちょっともったいないかも…」という懸念もあったりして、期待半分不安半分で観たところ、不安のほうが的中したかなという感じ。

まずやっぱり、大前提として「アビエイター」のときにも感じたことですが、実在の人物を描く映画というのは、観る側からその人物への距離というものが評価にかなり関わってくるんじゃないかな、ということ。

結局のところ、「エドガー・フーヴァー」という人物について、日本人がどういう知識を持っているのか、というとそれは当然大したレベルではないはずで、そうなってくるともう「その人自体に興味を持てるか否か」が感想の大部分になってくるような気がするんですよね。

僕個人は割と興味も持ってたし、そもそも政治やら組織やら権力やら、という話自体が好きなので、入り口としてはだいぶ適性がある方だったと思いますが、果たしてこの手の話に興味のない人が観て、「いやー面白かった」と言えるのかというと、それはまず難しいんじゃないか、と思います。

んで、その人物に対する考えを除いた部分での映画に対する興味を考えると、やっぱり「クリント・イーストウッド監督」と「ディカプリオ主演」の2点が重要になってくると思いますが、まず伝記モノなだけに、イーストウッドがよく描く死生観のような深いものはあまり前面に出てくるようなものではないので、「伝記映画を情感豊かに真面目に撮りましたよ」という域を出ていないような気がします。個人的に、イーストウッド監督作品にはもっと深い、説教臭くないけど考えさせられるような内容のものを期待しているので、その辺りでちょっと肩透かしを食らったような印象がありました。

次に「ディカプリオ主演」の部分で言えば、正直ちょっと期待外れでしたね…。もちろん演技としては不満も無いし、おそらく役作りなんでしょうが結構丸みを帯びた風貌で「それっぽく」なってました。

が、イマイチ年を取ったところの演技(特に声)に少し違和感があったのと、全体的にちょっとフラットな感じで、助演チームの好演の方が目立っちゃった気がして、結果として印象的に一番下に来ちゃったのがすごく残念でしたねぇ。あんまり「権力者」のイメージが合わないからかもな…。

さて、肝心の内容については、やや時代が前後してわかりにくい場面もあったものの、総じてイーストウッドらしい、真面目で淡々としてるのに何か惹きつけるような流れがあって、途中若干眠くなりつつも割としっかり追えた気はします。メインとなる誘拐事件で少しサスペンス風味を漂わせてくれたのも良かった。

ただ、くどいようですがあくまでも伝記なので、ガツンと頭を殴られたような衝撃は出て来ません。それがいい、と言えばいいんですが、まあやっぱり(予想はしてたものの)劇場で観るほどのものではないかな、と。家でDVDなりブルーレイなりで十分です。ちょい長いのでかなりトイレしんどかったし。

このシーンがイイ!

そんなに印象的なシーンってあんまりなかったんですが、強いて言うなら「鏡の前のディカプリオ」のシーン。

ココが○

真面目で大人な映画なので、割と誰でも観られるものだとは思います。ただ、上に書いたように対象に興味があるかどうかが重要ですが…。

印象的だったのはライティング。イーストウッドらしいっちゃらしいですが、陰影のある映像が中心で、登場人物の心情を考えたくなるような味わいのある場面が多かったですね。

ココが×

なにせ「淡々と」なので、起伏に乏しい話ではありました。

(一瞬とは言え)劇場ですら眠くなるぐらいだったので、本当に「フーヴァーに興味がない」人はかなり厳しいような気がします。

MVA

さて、これはかなり悩みましたね。

ディカプリオは残念ながら最初に除外しましたが、脇役陣がすごく良くて。

007の「M」でお馴染みのジュディ・デンチがフーヴァーのお母さん役で、これまたすごく味があって良かったし、秘書のナオミ・ワッツは初めて観ましたが、勝手に抱いていた「ハデハデ美人」のイメージとはまったく違う、落ち着いて献身的な美人秘書としてもうドンピシャ。女優陣がいいなぁと思いつつ、結果的に選んだのはこの方。

アーミー・ハマー(クライド・トルソン役)

フーヴァーの右腕で物語上結構重要な人物なんですが、若い頃は精悍なイイオトコ、年を取ったらヨボヨボで危なっかしい感じがバッチリ。

この人は右腕なだけに常にディカプリオと一緒だったんですが、完全に食っちゃってた気がします。

初めて観ましたが、イイ役者さんですねぇ。

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