映画レビュー1479 『クー! キン・ザ・ザ』
ここのところChatGPTをパートナーに力を入れて別テーマへの移行をテストしてたんですが、最終的にレイアウトが崩れすぎてこれは無理だねという結論に至ったため現行テーマの修正に舵を切り、一部気になるポイントはあるんですがなんとかもとに戻せました。永遠に直らない(直さない)と思われていたブログの修正が一旦完了です。よかったよかった。
さて、今回の映画はこちら。実はこれが観たくてJAIHO復帰しました。
クー! キン・ザ・ザ
ゲオルギー・ダネリヤ
タチアナ・イリーナ
ゲオルギー・ダネリヤ
ニコライ・グベンコ
イヴァン・ツェフミストレンコ
アンドレイ・レオノフ
アレクセイ・コルガン
2013年4月11日 ロシア
97分
ジョージア・ロシア
JAIHO(Fire TV Stick・TV)

圧倒的に実写版の方がいい。
- 突如として謎の惑星に飛ばされたロシア人2人が地球に帰るべく奮闘
- 大筋は実写版「不思議惑星キン・ザ・ザ」とほとんど変わらず
- しかしアニメになってテンポが良くなった分独特の味わいも失われる
- 実写版のゆるい良さが減り、シュールさと不気味さが強まる
あらすじ
ちょっと期待しすぎたかもしれませんが、結局元となる実写版「不思議惑星キン・ザ・ザ」の方が断然面白かったですね…残念。
世界的に有名なチェロ奏者のウラジーミル・チジョフの元に、親戚だと言う若者トリクがやってきてなんやかんややり合っているうちに「自分は宇宙人だ」と言う中年男性と遭遇します。
彼が持っていた装置をトリクが勝手にいじっていたところ突然まったく知らない場所に飛ばされ、そこへやってきた「キュー」と「クー」の2語しか話さない謎の2人組(とロボット)と知り合ったチジョフとトリクは、とりあえず彼らの乗り物に乗せてもらいつつ、地球へ帰るため“都会”へ行くよう要請しますが…あとはご覧ください。
実写版の方がかわいげがある
ということでご存知「不思議惑星キン・ザ・ザ」のアニメ版です。
監督も脚本も実写版と同じゲオルギー・ダネリヤ、よって展開的にもほぼ同じような構造になります。
実は僕は観るまでアニメ版は実写版とはちょっと違うお話(別の登場人物だったりパラレルワールドだったり)なのかと勘違いしていて、それ故になおさら観なければと急ぎつつ、間違いなく結構忘れてるところもあるだろうと改めて実写版も観てからこっちを観たわけですよ。
そしたら内容的にはほぼ一緒&微妙に面白さが削がれたバージョンに見えてしまい、結果的に「観なくてよかったな…」と思うぐらいには微妙でした。なんなら起床直後に観たのに眠くなったぐらいで…。
もしかしたら実写版を再鑑賞せずに観たほうが忘れてる部分が新鮮に見えて良かったのかもしれません。
とは言えどう考えても実写版の方がいろんな意味で出来が良いのも間違いないと思うので、結局「実写版だけ観ればいいよ」という答えも変わりそうにないんですが…。
さて、改めて実写版とアニメ版を比べて考えてみましょう。
繰り返し「展開的にほぼ変わらない」と言及していますが、実写版の上映時間は135分、対してこちらは97分とかなり短くなっています。約3割減。
最初に書いた通り、その分だいぶ細かな部分がカットされていて展開がスピーディに感じられ、テンポが良くなっている印象はありました。
ところが基本的にテンポが良くなる=無駄が減って面白くなる…と思っていたんですが、ことこの映画に関しては逆にあの実写版にあった独特の間が削られてしまい、内容を知らない人にはイマイチ理解しづらい内容になっているように見えました。
逆に知っている人にとっては物足りないし、段取りっぽくも見えてしまうという。
「無駄も大事」みたいな哲学に近づいているのか定かではありませんが、実写版の独特の間がゆるさやシュールさに繋がっているのは明らかで、その辺りを削ってしまった分「なんかよくわからない不気味なアニメ」に見えてしまっているような気がしないでもないという。
不気味に見えるのは単純にロシアのアニメの作風に馴染みがないだけの可能性もあります。事実ネット上ではあの作風を「かわいい」と言っている人も見ました。
でも僕としては実写版の方がよっぽどかわいく見えたんですよね…。
それは「滑稽さ」と言ってもいいのかもしれませんが、実写版の方が不思議と愛らしく見えたんですよ。
思うに、実写だからこそチープさが強調される側面も少なからずあって、例えばエツィロップが頭に被るライトとか実写ならではの「なんじゃこりゃ」があったと思うんですが、アニメ版だと全体が一貫したトーンで描かれるので「そういうもの」として特に(良い意味での)違和感も抱かず流して観てしまうような側面があるんじゃないかと思うんですよ。良くも悪くも完成されてしまっているというか。
実写版は(当時のソ連を風刺する云々のハイコンテクストな表現を理解できていない人間が上っ面で観ると)完成度よりも雑な甘さが目立つ荒削りな映画だったと思いますが、それが味になっているのも間違いのないところで、それによって妙に心に残る、おかしさとかわいさを感じるような映画になっていたんじゃないかなと両方観て改めて思った次第です。そしてそれこそが実写版が愛される所以なのではないかなと。
加えて、主人公の2人組も少し性格に変更が加えられていて、どちらも実写版よりも露悪的に見えました。(特にトリク=実写版ゲデバン)
チジョフ(実写版マシコフ)の方は有名人(世界的なチェロ奏者)という設定のせいかより尊大になっていて、でも紳士然としている描写も強いしでイマイチキャラが定まっていない感じもしたし、どちらも実写版の方が愛せるキャラだったことも惜しいところですね。
それらも結局「あっちの方がかわいげがあったよなぁ」と思わせてしまう要因になっているので、結局「実写版観て」に収束してしまうというお話。
オチも弱い
もちろん詳細は書きませんが、最後の展開も実写版の方が全然良かったし、オチについてもフリが弱いので印象がまるで違うしで実写版の良さをアニメに活かしきれていない感じが強い映画でした。もったいない…!
まあでも同じ題材で同じ監督でもここまで「面白さ」に差が出るものなのかといい勉強になったかなと思います。
くどいようですが最後に念押ししておくと、今からこのコンテンツに触れようという方は「実写版だけ観ればよし」なのでぜひ「不思議惑星キン・ザ・ザ」の方をご覧頂きたいと思います。よろしくどうぞ。
このシーンがイイ!
宇宙船の飛びっぷりはさすがアニメのほうがちゃんとしているというか、雑な合成だった実写版と比べると“それっぽく”て良かったかなと。
ココが○
実写版にない要素としては現地の2人が連れているロボットが挙げられると思いますが、彼(?)がなかなかの鬼畜ロボムーブをかましてくるのでそこは結構良かったです。
ココが×
なんでしょうね、びっくりするぐらい響かなかったんですよね。
実写版も「めちゃくちゃ面白かった!」というわけではなく、でも「なんか好き」な映画だったので、その辺の細かな機微的なものがアニメになったことで合わなくなっちゃったのかな、とか。
MVA
鬼畜ロボにしたいところですが誰がやっているのかもわからず、しっかり調べようとも思わないので今回は該当なしとさせて頂きます。
自分でもびっくりするぐらい実写版との差異にがっかりしちゃいましたね…。


