映画レビュー0892 『木と市長と文化会館/または七つの偶然』

今回は結構最近BSプレミアムで放送されたものなんですが、「おっ、これはなんか面白そうだな!」と思って早々に観ようと勇んで観たものの…。

木と市長と文化会館/または七つの偶然

L’Arbre, le maire et la médiathèque ou les sept hasards
監督

エリック・ロメール

脚本

エリック・ロメール

出演

パスカル・グレゴリー
アリエル・ドンバール
ファブリス・ルキーニ
クレマンティーヌ・アムルー
フランソワ・マリー・バニエ

音楽

セバスチャン・エルムス

公開

1993年2月10日 フランス

上映時間

105分

製作国

フランス

視聴環境

BSプレミアム録画(TV)

木と市長と文化会館 または七つの偶然

右だ左だ政治だ経済だと議論議論議論でセリフだらけ。映画にする意味無くない!?

4.0
中央政界に行きたい市長が「文化会館を作ろう」と決定、一部の人たちは大反対で…
  • とにかく政治についての会話がひたすら繰り返される映画
  • こっちで議論やった後は違う場所で議論、それが終わったら今度はインタビューやってそこからまた議論…とひたすら議論続き
  • 特に普遍的な政治論というわけでもなく、当時のフランス政治に興味が無いとしんどそう
  • なかなか面白さを見出しにくい映画

あらすじ

実はこの映画、初回観た時はお昼後だったのでひどく眠くなって断念、今回きっちり起床直後に観たんですがまたも眠くなるぐらいには興味を抱きづらい映画ではありました。

確認してたら初回に落ちたの開始10分ですよ。10分。巻き戻して観直して…って何度もやってたから結構観てた気がしてたけどたったの10分。それぐらいに(僕としては)惹かれない映画でしたね…。

主人公はフランスのとある田舎町の市長、ジュリアン。一応「市長」と言ってはいますがそこは村らしいです。どっちでもいいんですが。まあいわゆる首長ってやつですよ奥さん。

彼は物語が始まる前に州議会選だったかなんだったか、とにかく現在の市政とは違う選挙に出て落選したご様子。ただ中央政界とのパイプはあるらしく、文科大臣的なコネを使って市(村)に文化会館を作るプロジェクトを持ってきましたよと。

建設予定地の空き地には歴史ある古い木があり、景観を損ねる…というよくある話で反対する小学校の校長先生(ファブリス・ルキーニわけぇ!)がいたり、作るのは良いけどデザインにセンスが無いわと文句を言う市長の彼女(フランス版アンジェリーナ・ジョリー)がいたりと一筋縄ではいかなそうでございます。

そんなアレコレを、「もし○○が○○していなければ…」的に運命のいたずらを交えつつ、果たしてプロジェクトはどうなるでしょうか、というお話です。

フランス版朝まで生テレビかよ

なんとなく概要から「ウェールズの山」みたいなものを勝手に想像していて「こりゃ面白そうやで…!」と思って急いで観たわけですがもう全然でしたね。全然。コメディって聞いてたけどコメディ感も薄いし。(コメディ扱いなのもわかるけどさ)

オープニングは市長と彼女(小説家設定のフランス版アンジー)の議論に始まり、場所を変えてまた二人が議論して、その後ファブリス・ルキーニが家族に演説をぶち、さらに市長のいとことの会談に同席したフリー記者(美人)が市長に興味を持って取材を申し込んでまた議論、その後記事を読んで市長がまた彼女と…ととにかく議論に次ぐ議論でセリフだらけ。

さすがに字幕映画に慣れている僕でも「うわーもう字幕読んでるだけじゃねーかよ!」と文句を言いたくなるぐらいにひたすら議論のセリフを追うだけの時間、おまけにその内容が面白くないということで困りんぐ。困りんぐですよもう。現在進行形で困る。

議論の内容は、問題の文化会館を軸にフランス政界の右派左派についてあーだこーだ語る内容で、いやそりゃ当時のフランスの政治に興味があれば多少は面白かったり何らかのエスプリを感じ取ったりできるのかもしれないけどもさ…。今の日本人が観てこれに興味を持てるかというとかなり怪しいと思います。

別に朝ナマみたいに口角泡飛ばしつつの議論ってわけじゃないんですが、ただほんっと議論ばっかりで他は何もないんですよ。大げさでなく。

もうこれ書籍で読めば良くね!? 感がすごい。映画として映像にして見せる意味を見出すのが難しかったです。僕には。そういう意味ではすごく不思議な映画ではありましたね。

他の映画を観た方がきっと幸せ

いやーもうホント書くこと無い。エコレビューですわ。こりゃ。

久しぶりに「あー、これはハズレだわ」と明確に感じる映画でした。

とは言え別に出てくる人が悪いとも監督が悪いとも思わないんですけどね。単純に「今の日本人が観て興味を抱けるのかどうか」と言うと厳しい内容だよなという話で。

この映画が「こりゃ傑作だ!」と思える人はかなりのインテリかかなりのフランスフェチに限られると思います。なので率直に言って「他の映画観た方が楽しいよ」とお伝えして今日は終わりにしたいと思います。よろしくどーぞ。

このシーンがイイ!

校長先生の娘ちゃんと市長の議論はイイシーンだったと思います。ああいう子がいると未来は明るいんじゃないかなとちょっと羨ましかった。

日本(の一般人)はとにかく議論を避ける傾向にあるので、そういう意味でもこの映画は合わないのかもしれないというのはまた皮肉でもあります。

ココが○

うーん、特段これと言って…。

ココが×

いくらなんでもセリフが多すぎるし長すぎるし、(政治について)議論することがメインなのでその議論自体に興味を持てなければどうしようもないですよ。さすがに。なんでBSプレミアムはこれ流そうと思たんや…。

MVA

完全に見た目で選んでますが。

クレマンティーヌ・アムルー(ブランディーヌ・ルノワール役)

美人なんですよ。フランス美人だなーって感じで。フランス美人ってどんなのかよくわかってないけどフランス美人だなと思いました。(小並感)

そこそこの息子がいる役だったし、彼女自身もそこそこ良いお歳なんだろうと思うんですがすごい綺麗なんですよね。お願いしたいぐらいで。何かを。

軽く調べたところ日本ではあまり他の活躍が観られないようなので、その意味ではこの映画は彼女を観るという意味では結構貴重かもしれません。

近影らしき写真ではすっかりお婆ちゃん感が出た白髪だったんですが、それでも綺麗でした。すごい。

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