映画レビュー0338 『ウェールズの山』

レ・ミゼラブル」の評判がだいぶよろしいようですねー。前から書いている通り、個人的にミュージカルは好きではないのでどうかなと思いつつ、でもああいう映画こそ劇場で観るべきだろうし、正月休みに観に行って来ようかなと考えてます。

来年一発目はそれかなー。たぶん。

ウェールズの山

The Englishman Who Went up a Hill But Came Down a Mountain
監督
クリストファー・マンガー
脚本
クリストファー・マンガー
出演
イアン・マクニース
イアン・ハート
音楽
スティーブン・エンデルマン
公開
1995年5月12日 アメリカ
上映時間
99分
製作国
イギリス

ウェールズの山

20世紀初頭、ウェールズの田舎村に2人のイングランド人がやってきた。彼らはかつて侵略者から村を守った「山」を測量に来たと言う。測量の結果、「山」と言うには高さが足りない、と聞かされた村人たちは、この村唯一の自慢である「山」を守るため、村人総出で一計を案じ…。

出ましたイギリス映画らしいイギリス映画。

8.5

一部で「世界一ダメ男が似合う」と言われているヒュー・グラント主演、コメディタッチのヒューマンドラマです。舞台や物語は違えど、この空気感、やや緩い雰囲気、そして活き活きと描かれる一般人、まさに「キンキーブーツ」「フル・モンティ」と通じるような…ああ、これぞイギリス映画、たまりまへん。堪能させて頂きました。

舞台はウェールズ。イギリスを構成している国の一つで、特にいがみ合っているわけでもないんでしょうが、よそから見ている以上に変な自負心みたいなものが強いらしく「イングランド人はこれだから…」みたいなセリフが散見されます。そんなウェールズの田舎村で展開される物語。

そのウェールズにやってきた二人のイングランド人。彼らは地図作成のため、村にある「山」を測量に来たと言います。ちなみに「山」は標高305メートル以上ないと地図に「山」とは書けず「丘」という表記になるよ、と聞かされた村人たち。この「山」を唯一の自慢にしていた村人たちは「あれが丘なわけがない」と歯牙にもかけず、測量結果を賭けの対象にしてワイワイやっていましたが、やがて出た「299メートルで丘でした」という結果に憤慨。「んなこたねーだろうがよ!!」といきり立ちつつも、「あれが丘なんて許せない!」と村人会議の結果、「じゃあ山にしてやればいいんだろうがよ!!」と6メートル高くしようと村人総出でがんばるぞ、というお話です。

もうのっけからテーマが不思議ではあります。「丘なんて我慢出来ない!自慢の山なのに!」っていう。確かに「山が丘になるのは嫌」で村人全員一致団結、っていうのは話として嘘くさいものではあります。なので、このテーマ性に「いやそれおかしいだろwwwww」と思っちゃう人は向いていないかもしれませんが、まあ簡単に言えば、村人たちの心の拠り所であり、一つの信仰の対象みたいなものなんでしょう。

観ていて思ったのは、少し古い雰囲気、徹底して牧歌的な舞台ということもあって、その辺のリアリティどうこうよりも童話っぽい映画だな、という感じがしました。絵本とかにありそうなストーリー。事実、この監督(兼脚本家)さんはウェールズ出身で、地元の山に伝わる伝説をもとにこのストーリーを作ったそうです。(実話ではない模様)

確かにいかにもそんな雰囲気で、ちょっとあり得ない感じが漂いつつも嫌じゃないのは、やっぱり「いかにも」なイギリス映画の雰囲気、温かさ故、でしょうか。

細かいことは(ネタバレにもなるので)書きませんが、要素としてはこれまたありがちではあります。ただ、ラストのまとめ方はお決まりながら結構自分としては予想外で、「へぇ~、こういう話になるのかー」とちょっと感心。

ほんわかハッピーにまとめてくれる感じがこれまたイギリス映画っぽいし、また童話っぽくて良かった。驚きは無いけどちょっと幸せになれるこの感じ。好きです。

その雰囲気からすれば当たり前ではあるんですが、いわゆる「嫌なやつがいない」「銃火器の類が出てこない」、そして「ハッピー」という自分的グッド映画要素をきちんと守っているので、そういう意味でも評価したい映画だな、と。

非常に地味な映画ではあるんですが、絶妙な“軽さ”と、牧歌的な雰囲気を盛り上げる音楽、さらにヒュー・グラントのダメそうな佇まいが心地いいですねー。

おそらくダメな人は徹底的にダメ…というか面白さがわからない映画だと思いますが、好きな人にはたまらない雰囲気を持った映画だと思います。僕は好きです。こういう映画はいくらでも観られますね。疲れないし。

このシーンがイイ!

もー自分でも単純すぎて嫌になりますが、「ジョニーに拍手」はちょっとウルッと。や、でもそういうベタな展開が活きる映画なんですよ。これは。童話ですからね。素直に受け取れるのはいいことです。

ココが○

上でもちらっと触れましたが、音楽がすごく印象的でした。もー「イギリスの田舎」にぴったりすぎて。聴けばわかります。とにかくその音楽を含めた牧歌的な雰囲気が心地いい。都会で疲れてる人ほど何かを感じる映画かもしれません。

ココが×

ネット上のご意見で散見されますが、「どうでもいい話」とか「ベタすぎる」とかそういうのもわかります。そう受け取っちゃう人は向いてないでしょうね。

ただ、でもこういう話をきっちり仕上げるうまさがイギリス映画らしい感じがして、僕は好きなんですけどね。多分歳を取れば取るほど良さを感じる映画だと思います。逆に言えば、若い人には向いてないかも。

MVA

ヒュー・グラントは絶妙なキャスティング。確かにこの人だな、この役は。

ブラス!」以来のタラ・フィッツジェラルドも「らしい」感じで似合ってました。なんというか、失礼ですが「綺麗過ぎない」ところが。でもこの映画はきっとこの人のものだろうと思います。

コルム・ミーニイ(“好色”モーガン役)

バーの店主で“好色”の男。

なんでモテるのかよくわかりませんが、話のキーマンであることは確かです。いかにもいそうな雰囲気で、物語への絡み方も良かった。

完全なる脇役顔ですが、この人の「良い人か悪い人かわからない」感じがまたこの映画にマッチしてました。やたら“好色”と言われる割にエロいシーンが無かったのも○。当たり前だけど。

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