映画レビュー0527 『天才スピヴェット』

ご多分に漏れず、「観たかったけど近くでやってなかった」シリーズ。借りて参りました。

天才スピヴェット

L’extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet
監督
脚本
原作
『T・S・スピヴェット君 傑作集』
ライフ・ラーセン
出演
カイル・キャトレット
カラム・キース・レニー
ニーアム・ウィルソン
ジェイコブ・デイヴィーズ
ジュディ・デイヴィス
音楽
デニス・サナコア
公開
2013年10月16日 ベルギー
上映時間
105分
製作国
フランス・カナダ
視聴環境
TSUTAYAレンタル(ブルーレイ・TV)

天才スピヴェット

アメリカの田舎に住む少年・スピヴェットは、幼少期から理工学に親しんでいた天才。ある日、彼の発明した永久機関が、スミソニアン学術協会から表彰されることになった。親に言っても反対されると考えた彼は、一人黙ってアメリカを横断し、ワシントンDCで開かれる授賞式に出席しようと旅に出る。

ややシュールなファンタジーロードムービー。

7.5

あの「アメリ」の監督・脚本コンビが送る渾身の3D革命、的なコピーを目にしたんですが、観たのはDVDなのでフツーに2Dです。

カウボーイの父親と昆虫学者の母親、女優志望の姉と暮らす天才少年のちょっと変わったロードムービー。

アメリ」コンビというだけあって、確かにああいうちょっと変わったシュールな雰囲気が結構強く出ていて、「わかって観た」僕でも若干鼻につく程度には演出過多な気もする映画ではありました。好きな人は好きだけど、ダメな人はとことんダメ、なタイプの映画な気がします。

ロードムービーテイストとは言え、前半は地元の話が長く続くので、実際の旅に関しては割とあっさり目です。なので、「ゴリゴリロードムービー」を期待して観るとこれまた少し肩透かしを食らうでしょう。

かと言って間違いなくファンタジーではあるものの、現実を舞台にしたリアルめのお話なので、ファンタジーを期待してもこれまたちょっと違うだろうし、なかなかジャンル付けが難しい映画ではあります。この辺も「アメリ」と似てる気がするなぁ。あれは恋愛映画ではありますが、それ以外の匂いが強すぎるので「恋愛映画としてオススメ」って感じでもないし。

まあそんな感じで、全編通してシュールな不思議な雰囲気を持った映画ではありましたが、やっぱりところどころブラックだったりシニカルだったり、「子供主人公の成長ロードムービー」的なものとも全然違う、この人ならではの世界なんだろうな、と思います。

最後まで観ても、結局一番伝えたかったメッセージってなんだろうか…と考えるとこれまたよくわからない気はするんですが、ただ娯楽として普通に楽しめたからよしかな、と。

話によると、この監督は相当なアメリカ嫌いらしいので、アメリカ文化に対するアンチテーゼ的な意味も多分に込められているんだと思いますが、ただその割には牧歌的な風景が素晴らしかったり、いかにもカントリーな劇伴も郷愁を誘うものだったりで、100%アメリカ批判の映画、というわけでもないし、あんまりそういう背景考えずに、不思議な世界を堪能するだけでいいのかもしれません。

基本的にはコメディっぽくもあるんですが、ところどころで(狙ってない場面でも)どこかホロリと来るような場面も多く、意外と感情が揺さぶられたことに驚きました。若さへの嫉妬でしょうか。あり得ない話でもない気がするのが悲しいところです。

なんだか今回もまとまらない内容になってしまいましたが、こういう映画は間違いなくハリウッドからは出てこない、好き嫌いは分かれるでしょうが独特の味がある映画なので、こういう映画が好きな人はもちろん、「ハリウッド飽きた」とか「ちょっと新しい映画が観たい」とか、そういう人にはぜひ観てみて欲しいとは思います。

このシーンがイイ!

キャンピングカーでのシーンは笑いましたね~。最高の笑顔。

あとベタですが「松の話」のシーン。これも良かった。構図的に印象的だったのは、一人でシーソーに乗るスピヴェットを見るお母さんのシーン。良いシーンだな、と。

あとエンディングのキャスト紹介、大好きです。

ココが○

ある程度映画慣れしてくると、どうしても飽きちゃう映画って出てきちゃうんですが、この映画はシュールな雰囲気と絵作りのうまさなのか、多分飽きることって無いと思います。登場人物のキャラも立っているし、ある程度映画慣れした人には観てみて欲しい味がありました。

ココが×

上にも書いた通り、特に序盤で若干鼻につく演出が目につきました。あそこでダメな人はもう多分その後全部入ってこないと思うので、「なんか(表現的に)うるさいなこの映画」と思ってもある程度我慢して観ることをオススメします。

MVA

ヘレナ・ボナム=カーターがさすがの安定感で良かったんですが、この映画はやっぱりこの人なんでしょう。

カイル・キャトレット(スピヴェット役)

演技としては割とシンプルなのが良かったですね。子役ってどうしても某田某菜みたいにオーバーだったりすることが多いので、素直な感じの方が子供っぽくていいと思います。

あとお姉ちゃんも良かった。ちょっと崩れたクロエ・グレース・モレッツみたいな感じで。うまくすれば意外と売れっ子になる…かもしれません。

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