映画レビュー0112 『仕立て屋の恋』
[2017年追記]
このブログが公開される頃にはだいぶ古い話になっていると思いますが、この追記を書いている頃、アラン・ドロンが俳優業を引退するというニュースがありました。「そうかー、ついにアラン・ドロンも引退か…カーリーヘアーは衝撃だったな…」としみじみ引退記事を読んでいたところ、どうやら最終作はパトリス・ルコント監督作品だとか。
これは楽しみですね。きっとアラン・ドロン主演、しかも最終作なので日本でもちゃんと公開するだろうし、上映劇場の場所次第ではありますが観に行っちゃおうかなーと思っています。
仕立て屋の恋
心情に共感できなかったのが…。
今、勝手に注目中のパトリス・ルコント作品。
全体の雰囲気はいかにもルコント作品っぽい仕上がりで、おフランスな音楽やら官能的なシーンやら、「おおっ…フランス映画だぜ」って感じで。いや、フランス映画詳しくないのでよくわかんないんですが。なんとなく。
お話としては、いわゆる僕にとってはド直球にあたるサスペンス仕立ての人間ドラマってやつですが、途中途中での仕立て屋・イールや相手の女性であるアリスの考え方、心情にどうも共感できず、違和感を持ったまま終了、といった感じで、今まで観た2作と比べると一段落ちるかな、という感想です。
結果的に、ストーリーを最後まで全部観たあとに振り返れば、ああなるほどそういうことかと理解できるのも確かなんですが、どうも睡眠不足がたたったのか、あまり深く考えずに観ていたおかげで「裏があるからそうしてるのね」というところまで思慮が及ばず、結果的にストーリーに深入りできなかったのが悔やまれます。もう一回観ればまただいぶ違うんだろうなぁ。
でもやっぱり、どこかフランスっぽいというか、日本とは違う感情が根底にある気がして、その辺が今ひとつのめり込めなかった理由な気がします。
あとは、登場人物にあまり魅力を感じられなかったのが…。話としてはよくできてますけどね。さすがに。
このシーンがイイ!
電車だかバスだか地下鉄だかで「手を握る」シーン。大人ですねぇ~~。大人の映画ですねぇ~~。
ココが○
相変わらず(って今まで観た中で一番古いですが)短い時間でしっかりまとめる作風はいいですね。
この人の映画を観てると、映画って実は2時間もいらないんじゃないかと思えてきます。人物や周辺環境を絞るのがうまいのかなぁ。
ココが×
話として矛盾しているわけではないし、無理があるとも思いませんが、やっぱりどっか不自然な気がするんですよね。そこでそういう行動に出るかなぁ、っていう。
みんなそれぞれ思惑があってやってるので、その動機もよくわかるんですが、でもわかってるならわかった上でまた違う行動に出てるような気もするし…というモヤモヤが少し溜まる映画でした。
MVA
上に書いた通りあまり登場人物に魅力を感じられなかったわけですが、とりあえず選ぶとすれば
サンドリーヌ・ボネール(アリス役)
今回はちょっと、「強いて言えば」な感じ。特に主だった感想も無く…。