映画レビュー0428 『オブリビオン』
予告編から気になっていた映画の一つ。借りてきましたよっと。
オブリビオン
意外と好き。だけど惜しい。
「崩壊後」の地球を守る男が一人の人間を発見したことで、それまでの日常が崩れ、はてさて真実はいかに…というお話。「なぜ地球をたった二人で管理しているのか」「見つけた女性は何者なのか」そして「自分も一体何者なのか」という、SFとしてはありがちではあるものの割と好きなテーマではありました。SFアクションというよりもSFサスペンスに近い、そういう意味でも自分好みの映画です。
ただ…もうタイトル名を出した時点でネタバレになるので、リンクだけコッソリ貼っておきますが、もう内容的にかなり“アノ映画”を彷彿とさせる内容になっていて、だからこそ好きな方向ではあるもののどうしても比較せざるを得ないし、その割にあちこち甘さが顔を出しているので、結果的に「もっとうまくやればな~」という惜しい感ばかりが残った印象。
とは言え、終わった後に「あれは結局なんだったんだろう」みたいにいろいろ調べたくなるような内容で、久しぶりに他の人のレビュー巡りをしたくなるような映画でもあって、全体的には決して悪くない映画だと思います。
そんなわけでストーリーに関してはいろいろ良かった点悪かった点ありますが、こと映像に関しては、さすが最近のお金かけた系SFだけあって抜群に素晴らしく、特に「これどんだけでかいんだよ」みたいな大きな作りの建造物は迫力もあってたまらないものがありました。これは劇場で観たかったなぁ。3Dじゃなくていいんだけど。
明らかにポ●チンのような外観の乗り物と言い、空に浮かぶプールと言い、「未来感」という意味ではかなりしっかり出来ていて、本当に「最近のSF映画はすごいのぉ」と爺のように感激すること請け合いです。ブルーレイの良さも際立つ、高精細さもポイント。
おまけに劇伴がこれまたかなり雰囲気を盛り上げていて、全般的にしっかりとした作りのSFだったと思います。それだけに…たまに顔を出す甘さが残念。もっと要所要所を締めれば、かなり名作足り得た設定だと思うんですけどね。どうしても既視感のある内容でもあるし、おそらく他のSF映画に対するオマージュもあって、どうしても「この映画だからこそ」の何かがないのが残念。
エンディングに関しては“この映画”とまさにデジャヴする内容になっていて、そこがまた残念。ああいう終わり方じゃなくてよかった気が…。
繰り返しになりますが、本当に世界の描き方や映像、劇伴や設定はかなり好みのSFだったので、「なんでもっと詰めないんだよ!」というもどかしさを感じてしまう内容で、すごくもったいないなぁと思います。
でも「観て損した」っていうほど劣悪なものではないと思うし、「トム・クルーズ主演のSF」という字面から受けるイメージよりも深い、やや難解な方向を狙っているストーリーなので、ただのSFアクションではないSFを観たい、というような人には良さそう。
目につくアラは置いといて、設定に思いを馳せて口コミを漁るのがこの映画の正しい楽しみ方のような気がします。
このシーンがイイ!
窓の中に大量のアレがアレなシーン、かな。ネタバレ的に書けないんですが。ああいうシーン、好き。
ココが○
映像と音楽は一級品だと思います。特に音楽に関しては本気でサントラ買おうか悩もうと思うぐらい良かった。※その後買った
実は「甘い」と言いつつも「もう一回観るとまた違うんじゃないか?」という気もするし、個人的にはバッサリ「ダメだ!」と言えない魅力がある映画ではありました。
ココが×
やっぱりいろいろゆるいんですよね。これもネタバレになるので書けないんですが。
あとはやや恋愛的な話に持って行きすぎな印象。もっと純粋なSFサスペンスに寄せて欲しかった。
MVA
久々に新作でモーガン・フリーマンを観られるぞ、と期待していたものの予告編に毛が生えた程度の出番しか無くてかなりガッカリ。
トム・クルーズは相変わらず、となると女優さんどっちにするか…と結構悩みつつも、こちら。
アンドレア・ライズボロー(ヴィクトリア“ヴィガ”・オルセン役)
トム・クルーズの相棒として地球監視任務を担当する女性。なんかすごい無機質な感じが良かった。
美人だけど血の通ってない感じ、このキャラクターはお見事。映画的にも…おっとこれ以上は言えないぜ。
もう一人、オルガ・キュリレンコも良かった。良かったっていうかかわいかった。単純に。好みで言えばこっち。