映画レビュー0233 『アウト・オブ・サイト』
今週から、人物ページの更新も平日にシコシコやっとります。一応、言い訳がましくご報告まで。シコシコ。(※前のブログの話だよ!)
アウト・オブ・サイト
さながら「オーシャンズ5」ぐらい?
監督はスティーブン・ソダーバーグ、主人公はジョージ・クルーニー。おまけに彼は銀行強盗犯、人間味のあるキャラクターはいかにもダニエル・オーシャン。昔の刑務所仲間兼キーパーソンにドン・チードル、挙句の果てに音楽はデヴィッド・ホームズ。
もう「オーシャンズ」シリーズファンなら始まって数分で、「オーシャンズっぽい!」と興奮すること間違いなし。
話の規模はだいぶ小さく、ドンパチもあるので僕の好きな「オーシャンズらしさ」はだいぶ薄味にはなってますが、いやこれはやっぱり「オーシャンズ」の原型だな、と思わずにはいられません。「スト2」に対する「ストゼロ」みたいな。。
「オーシャンズ」と比べれば、仲間が少ない&友情要素は控えめ、その分恋愛要素を濃い目にしてそちら好き方面にウケをよくした感じ、と言えばわかりやすいでしょうか。
勢いやシナリオの深さもやや弱く、はっきり言えば「まあまあ」な映画なんですが、ソダーバーグらしい(やりすぎない)オサレ演出と、どこか間の抜けた憎めない登場人物たち、そしてデヴィッド・ホームズの音楽(コレ、かなり大きいと思う)がもう「オーシャンズ臭」を最大限に盛り上げてくれます。
ぶっちゃけ、映画自体としては大して面白いとは思わなかったけど、この雰囲気がまた新しく(古いけど、初見という意味で)観られた、という点だけで「オーシャンズ完全肯定応援団長」としては嬉しいことこの上ない。また作ってくれないかなー、こういう映画。
恋愛要素に関しては、まあいろいろツッコミどころもありますがやっぱりちょっと普通の恋愛モノよりもオトナっぽく、サラリとかっこいいのがこれまたスティーブン・ソダーバーグらしい。こういうオトナの恋愛、いいですねぇ。憧れますねぇ。
と言っているうちにオトナを通り越してジジイになる、と。
わかります。きっとそうです。
このシーンがイイ!
最初の銀行強盗のシーンはもう「おおっ、オーシャンじゃないか!」と嬉しくて仕方がなかったですね。確かこんなシーン、あった気がするし。「12」のオープニングかな? あれ、この映画のセルフオマージュみたいなイメージなんでしょうか。ファンにはたまりません。
ココが○
やっぱり雰囲気、それがすべてですよね。「みんな抜けた感じ」がやっぱりそれっぽくて。
悪いヤツは悪いので、その辺はちょっと違う感じはありますが、それでもこの雰囲気は他に無い、気楽に観られる良さがあります。「オーシャンズ」シリーズ好きなら一回観てみてもいいんじゃないかと。
あと、昔の刑務所仲間感の会話で、一歩も引かないジャック&バディコンビのかっこ良さ。こりゃーなかなかでしたね。
ココが×
どうもストーリーがイマイチ盛り上がりに欠けるんですよねぇ。結局のところ、「オーシャンズ」シリーズが好きじゃない人からしたら、もうこの映画って結構救いようのない駄映画になりかねないような気もします。「何よ変に気取ってイケ好かないのよ!!」って思われるだけ、みたいな。
なので、「オーシャンズらしい」というのはイコール、「あのシリーズが嫌いな人は観るだけ無駄よ」とこれまた自信を持って言えるかな、と。
MVA
キャストもなかなかよく、この映画でジェニファー・ロペスが売れた、というのもなんかわかりますね。カッコ良かった。そしてまた「12」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズと若干カブリ気味だったのも「らしい」っちゃらしい。
ジョージ・クルーニーはまんまオーシャンだったので除外として、残るはこのお方。
ヴィング・レイムス(バディ・ブラッグ役)
冷静で頭の良さそうな、良識派っぽい犯罪者風なキャラでありながら、姉に懺悔の電話をしては売られる実はおバカな男。ジャックの相方。イイヤツなんだよねー。
大体この人(ヴィング・レイムス)ってこういう役が多い気がする。「ミッション:インポッシブル」シリーズにしてもそうだし。(こんな抜けてないけど)
こういう大柄だけど優しい黒人さん、って好きなんですよねぇ。安定感と安心感を与えてくれる、ナイスな配役でした。