映画レビュー0738 『パディントン』

「そのうち機会でもあれば」と思っていた程度の映画だったんですが、なんと来年公開の続編では我らがおヒューが落ち目の役者として登場するというタマラン情報を聞きつけたため、急いで観ることにしました。

さて、今年は予約投稿を駆使して順調に消化しつつ、年内のアップはここまでとなります。

今年もありがとうございました。

現在体調を崩してしまい無事年を越せるのか心配なところですが、ひとまずここで一旦終わります。

数少ない来訪者の皆様、良いお年をお迎えください。

パディントン

Paddington
監督
脚本
ポール・キング
原案
ポール・キング
ヘイミッシュ・マッコール
音楽
公開
2014年11月28日 イギリス
上映時間
95分
製作国
イギリス・フランス

パディントン

ペルーで暮らす「英語を話せるクマ」の少年は、ある日地震で家と叔父を亡くし、老グマホームに入るという叔母に見送られ、一人ロンドンへと旅立つ。やがてロンドンの「パディントン」駅でブラウン一家と知り合った彼は、その駅と同じ「パディントン」という名を与えられ、ロンドンで暮らすためにかつて叔父に会ったことがある冒険家を探しに行く。

テンポよく割り切った感情豊かなファンタジーイギリスコメディ。

8.0

元は同名の絵本が原作ということからもわかる通り、完全にファミリー向けで今さらおっさんが観たところで…的なことを思っていたんですが、なかなかどうしてバカにできない良作でしたね。なんならちょっとウルウル来てたぐらいに感情移入させられました。やっぱりこういう映画を作らせるとイギリスはイイな〜。

オープニングはイギリスの探検家の記録映像から始まります。

この探検家はペルーにやってきてパディントンの叔父叔母夫婦と出会い、なぜか言葉も話せるということで意気投合、やがて「ロンドンに来たら家を用意するぞ!」と別れを惜しんでロンドンへ帰ります。

残った叔父叔母夫婦はそこで彼に教わったマーマレードを自家生産しつつ生活を続け、どういう経緯かはわかりませんが途中からパディントンも混ざって暮らしていたんですが、ある日大きな地震によって自宅が壊されてしまい、それを目の当たりにした叔父も失意のまま亡くなってしまうといういきなりのハードモード的展開を迎えます。

このままでは暮らす家もない…ということで叔母は老グマホームへ入居を決め、若いパディントンは「あの探検家の人が言っていた紳士の街・ロンドンへ行きなさい」という叔母の提案により一人船に乗って密航することに。

やがてロンドンのパディントン駅にたどり着いた彼は、ブラウン一家というファミリーと知り合い、彼らの家に居候する形で自分の家探し=探検家探しを始める、というお話になっています。

まず最初に知り合ったブラウン一家からしてそうなんですが、「英語を話せるクマ」っていうことにさして驚かないんですよ。一応「話せるのね?」みたいな話は出るんですが、もう次には完全に受け入れちゃってるし、その後出会う街の人達も特に違和感なく「ああ喋れるんだすげー」ぐらいの感じという。

ここから思うに、実は主人公の少年がクマっていうのはあんまり大きな意味を持っていなくて、どちらかと言うと文化の違う異国の地からやってきた少年を受け入れる家族のお話をちょっと柔らかくファンタジーよりにして、優しさアップでお送り致しますみたいな感じなのかなと。

その辺をストレートにやっちゃうと、多分結構鼻についたりもするし見た目的にも生々しいじゃないですか。そこをかわいい子グマにすることでソフトかつほんわか癒やされるように仕立てる、っていうのがまず上手いですよね。

また彼は当然ながらクマなので人間の生活様式はよくわかっておらず、それ故に一時的に身を寄せる形になったブラウン家でいろいろとトラブルを起こしちゃうわけですが、この辺はまあお決まりの展開と言うか、自己紹介を兼ねてのご挨拶代わりみたいなものなので特に良いだの悪いだのもなく。楽しいんですけど。

ただこのトラブルの過程で次第にブラウン一家の姉弟と同世代の友達のような形で仲良くなる様はなかなか微笑ましく、子供主体の映画らしい良さがありました。すごく単純でベタな話ではありますが、「友達になっていく」っていう展開はやっぱり良いんですよね。なんか。お互いを認めて受け入れていく優しさが。

そんな優しさを端々で感じさせつつ、とてもイギリスらしい…のかわかりませんが、結構「いらないところはバッサリ切り捨てる」形で割り切った作りをしているのが印象的でした。悪役として登場するニコール・キッドマンなんてもう完全に犯罪行為に手を染めているんですが、その辺特におとがめもなくサクサク進むし、結構やりすぎな感じでコメディ感を膨らませつつ、オープニングでいきなり死んじゃう叔父さんクマよろしく「ここはメインじゃないんでね」という感じであっさり片付けて進んでいくテンポの良さはなかなかのものです。

そしてただのほっこりファミリー向け映画ではないんだぞと主張するかのようになかなかしっかり前フリも散りばめていて、意外なところが後で繋がったりする作りの上手さも気持ちがよく。細かいところのサービス精神が旺盛な映画という感じでしょうか。

ブラウン一家もよく怒りよく笑いの喜怒哀楽がしっかりしていて、映画全体がとても感情豊かな世界になっているのが素敵だなーと思います。

無駄に(?)贅沢に挟まるストリートミュージシャンの使い方だったり、うまく絵本っぽい華やかさと優しさを映像で表現したとても良い映画でしょう。

悪役は悪役でとてもわかりやすく、また結末にしてもこの映画らしい優しさを感じるものだったし、100分弱で終わる尺の短さ含め、初めから終わりまで全体的にスキのない、嫌味のない映画だと思います。本当にイギリスはこういう映画を作らせたらうまいな〜と思いますね。なんなんでしょうか。

文字通り家族で観たらとても良い映画だと思いますが、僕のような寂しいおっさん一人で観ても悪くないぞという非常にストライクゾーンの広い映画だと思います。

色々な人に勧めやすい優秀さもまたこの手のイギリス映画らしい良さだと思うし、ちょっとほっこり優しい映画でも観て癒やされたい、みたいなときには最適の映画ではないでしょうか。

このシーンがイイ!

ラストシーンも良かったんですが、途中パディントンが冒険家のフィルムを観ていたらペルーに戻った、みたいなシーンがとても情感があって好きでしたね。

あとはまさかのミッション:インポッシブル推し。

ココが○

これほどまで感情豊かかつ嫌味のない映画っていうのはなかなか珍しいと思います。毒にも薬にもならないようでいて、きっちり惹かせるところは惹かせる作りだし。オススメ定番作として知っておいて損はない映画でしょう。

ココが×

やっぱりどうしても予定調和のお話に終止するので、意外性という意味では期待できません。

それでも道中はなかなか「おっ、そう来ますか」というところもあったし、最終的に予定調和でもしっかり最後まで惹きつけてくれるという意味ではよく出来た物語だと思います。

MVA

パディントンがまさかのベン・ウィショーなんですが、これがまたすごくピッタリあってましたね〜。

1シーンだけ出演のジム・ブロードベント(我らがブリジット・ジョーンズのお父さんでおなじみ)も良かったんですが、今回はこの人かな〜。

ニコール・キッドマン(ミリセント・クライド役)

パディントンを剥製にしようと企む博物館の女性。

いかにもな悪役ではあるんですが、それをニコール・キッドマンがやる、っていうのがなかなか良いんですよ。おまけになんか楽しそうなんですよね。リアルな悪役じゃない、絵本的悪役だからなのかもしれませんが。

ただご本人はこの「パディントン」の原作が大好きだったそうなので、実際楽しかったんだろうと思います。終盤もノリノリでやってる感じが良かった。

さて、次作はおそらくこの悪役のポジションに収まるのであろう我らがおヒュー、どのようなダメさを見せてくれるのか…楽しみで仕方ないですね。期待!

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