映画レビュー0430 『すべて彼女のために』
今回ご紹介のコチラ、「スリーデイズ」のリメイク元の作品でございます。
しかし初見でありつつ最初からネタバレしてるサスペンスっていうのはなかなか観るのが難しいもんですね。
すべて彼女のために
どちらかと言えばこっち派。
「スリーデイズ」は2010年の映画ですが、そのリメイク元ってことでもっと前の映画なのかと思いきやこれも2008年の映画なんですね。「リメイク早すぎだろ」と思いますが、それだけ評価された映画ということなんでしょう。
冒頭に書いたように、先に「スリーデイズ」を観ている関係上、ストーリーについては全部わかった上での鑑賞なのですごく評価が難しい。もしかしたらこっちを一発目に観ていればもっと評価した可能性はありますが、こればっかりはどうしようもないので、主に「スリーデイズ」との比較を書いてお茶を濁そうと思います。
まずオープニング。「スリーデイズ」、そのままでした。忠実に再現という感じ。
そこからもわかる通り、おそらく「スリーデイズ」はこの映画をリスペクトして、原作の雰囲気を壊さないように忠実に、真面目にリメイクした作品なんだと思います。
正直イマイチ「スリーデイズ」は細かい部分を覚えていないんですが、記憶にあるかぎりでは、こっち(原作)に関しては
- 子供絡みで知り合った女性(「スリーデイズ」ではオリヴィア・ワイルドが演じていた役)が空気
- 刑事はあくまで「追う人」であって、物語の幅を広げる役割は無い
- 事件の真相が早い段階で判明する
辺りが大きな違いかな、と。僕としては全部こっちの方が良い作りな気がします。
「スリーデイズ」はやや長さを感じたんですが、こっちはそういう余計な部分をそぎ落として核に集中させる作りになっているし、「スリーデイズ」で一番余計と感じた「真相究明タイム」を引っ張っていない分、ストレートに「逃げられるのか」に重きを置いた映画になっているので、まったく内容を知らずに観ればおそらくこっちの方が面白いと思われます。
ただ、「スリーデイズ」をフォローするのであれば、わざわざリメイクを作る以上「まったく一緒」というわけにもいかず、ある程度違いを出すためには…と作りを変えた、というのは理解できます。
さすがハリウッドらしく「スリーデイズ」の方が脱走シーンの緊張感もあった気がするし。
ただその分、やっぱり蛇足気味だった内容が惜しい。本作96分に対して「スリーデイズ」は134分ですからね。1.5倍弱水増ししちゃったら、そりゃあ冗長な感じは出ちゃいますよねぇ。その辺をすでに「スリーデイズ」のレビューで触れている俺様すごい、というところでしょうか。
もう一点、声を大にして言っておきたいのが、元となるこっちのヒロインである奥さん、ダイアン・クルーガーなんですよね。
「スリーデイズ」のエリザベス・バンクスよりも(少し)若いしかわいいしで、リメイクの意味あんのかコラ、と。普通逆ちゃうんかい、と。
女優のランク的には微妙なところかもしれませんが、それでもダイアン・クルーガーの方が名前が売れてると思うんだけどなぁ…。旦那役に関してはさすがにラッセル・クロウの方がメジャーだとは思いますが。
まとめ。
まだどっちも未鑑賞であれば、コチラを観ることをオススメします。短くて観やすいし。
このシーンがイイ!
ズバリここ、っていうのはなかったかな…。強いて挙げるなら、親父さんのところに警官が行ったシーンでしょうか。
ココが○
もうこれは本当にヨーロッパ映画だからこそ、なんでしょうが、とにかくハリウッド映画よりも無駄がなく、ストレートに作っている点でしょうか。
「たまに映画観るよ」って人にはハリウッド系の方がとっつきやすいとは思いますが、結構数観る人にとっては、こっちの方が頭も使うし結果的に心に残るんですよね。
ココが×
まあ、その反面どうしても地味にはなるので、「スリーデイズの方が面白かった」っていう人がいてもおかしくないとは思います。なんせオッサン(主人公)が地味。
MVA
脱獄の指南役(「スリーデイズ」ではリーアム・ニーソン)の人が、出てきた瞬間に「あ! この人オリヴィエ・マルシャルじゃないか?」って気付いた自分が嬉しかったですね。多分、この人に気付くのは結構な映画好きのハズだぞ、と。「あるいは裏切りという名の犬」の原作&監督さんです。この人(元警察官)をこの役にあてる時点で結構ニンマリというか、いいキャスティングするねぇと思ったりするわけですが。
それはさておき、なんせオッサンがオッサン過ぎたので、もはや一択と言っていいでしょう。
ダイアン・クルーガー(ジェイコブ・グリム役)
もともとこの人結構好きということもあるんですが、やっぱり綺麗なんですよねぇ。
そりゃベタボレするわ、とストーリー的にも納得感が増します。あと子供もかわいかった。