映画レビュー0299 『ローズランド』
確か…「お、クリストファー・ウォーケン出てるのか」程度の軽い気持ちで録画した記憶がありますこちらの映画。久々に観るなー、クリストファー・ウォーケン。
※ちなみにこの映画、おそらくDVDは出ていないので、VHSのパッケージを参考に描きました。廃盤的なものもしっかりイメージできる「なんプロ」、?
ローズランド
薄味だけど嫌いじゃない。
いわゆるオムニバス映画と言われる作品で、舞台はすべて「ローズランド」、お話は登場人物ほぼ総入れ替えで、舞台以外はまったく関連性のない人たちのドラマが3話出てきます。「アラビアのロレンス」や「風と共に去りぬ」のような、序章から始まって終章に…という長い話が区切られている形ではなく、完全に独立した話が3つ、という内容です。
ちなみに僕はこういう映画を観るのは初めてでしたが、だからどうしたという話なのでさっさと先に進めましょう。
♪パッババッバ~ン バ~ラバ~ラババッバ~ン
カツオです!
最近、姉さんが毎晩苦しそうなうめき声を上げているんです。きっとマスオ兄さんがひどいことをしてるんだな! と思うので今度兄さんを問い詰めようと思ってます。
さて、来週の「ローズランド」は…
- その1「ワルツ」。
誰と踊るときも常に亡き夫の思い出話しかせず、変わり者として疎まれていた初老の未亡人と、次第に彼女に好意を寄せていく初老男性とのお話。
- その2「ハッスル」。
離婚して仕事を探している女性と、彼女を口説くジゴロ野郎と、その彼を取り巻く女性たちのお話。
- その3「ピーボディ」。
ピーボディダンス大会での優勝を目指して特訓を重ねていた老カップルのお話。
の、3本立てです。来週もまた観てくださいねー。
じゃんけんぽん! あらー負けちゃったわーもう脱ぐ服ないじゃないのマスオさんーウフフフフフー。ンガクク。(悪ノリあらすじ紹介終わり)
。大体1話30~40分ぐらいでしょうか。短い分、深みもそんなに無い感じはしますが、なんとなく「ダンスホールに集まる人たち」という古さを感じる時代感と、短く語られる人間模様の味わいが不思議な雰囲気を醸し出していて、ちょっと他にない印象の映画でした。決して「面白かったぜ!」ということはなく、短いからこその工夫みたいなものも特にないんですが、反面、短いおかげでダラダラ余計は話を見せつけられることもなく、潔い作り方にサラっとしたオシャレな感覚を覚えるような気もして、結構嫌いじゃないな、と。
なんて言うのかなー…。登場人物に深入りしすぎず、あくまで「ローズランドはこういうところ」という人が集まる場所の価値を、俯瞰で語っている感覚というか。
例えば、映画好きなら「映画館に集まる人たち」を描いてるだけでその映画を結構好きになっちゃう部分ってあると思うんですが、そういう雰囲気があるというか、「ローズランド」というダンスホールにあるコミュニティの味わいが、個人個人の存在感を引いて見せてくれる部分があって、「あー、こういう社交場もいいなぁ…もう出来ないだろうけど」みたいな、ちょっと懐古趣味に浸れるような雰囲気が良かったな、と。
別にまた観ようとも思わないんですが、どっかでこの映画が流れてたら、なんとなく「おっ」と観ちゃうような気がします。ミニシアターとかで流してたらオシャレな感じが。
なんだろなーこの感じ。そこはかとない文化的な香りがいいのかな…。
このシーンがイイ!
3話目の、店員さんが掃除してるときに老カップルがダンスの練習をするシーン。愛すべきご老人方っぽさが良かった。
ココが○
各話が短いので、期待しすぎることもなく、集中力が持続する作りなのは意外といいなと思います。星新一の本を読んでいた頃を思い出しましたねぇ。あんな感じ。
ココが×
当然ながら短い分、グワッと盛り上がる感じは無いです。ただこの映画はそれでいいんだと思います。
MVA
お目当てのクリストファー・ウォーケンは2話目のジゴロ野郎として出てきてまして、さすがまだ若いしかっこいいねーなんて観ていましたが、惹かれたのはこっちの方でした。
デヴィッド・トーマス(アーサー役)
3話目に登場の、ピーボディを練習するお爺ちゃん。
優しくてとぼけてるんだけどがんばってて、人の良さが滲みでてるような雰囲気が◎。爺好きとしては結構満足のいく爺っぷりでした。