映画レビュー1259 『サニー 永遠の仲間たち』

この映画をチェックしたとき、邦画のサニーがこの映画のリメイクだと初めて知りました。

その日本も含め、各国でリメイクされた作品とのことでそりゃー良い映画なんだろうと観ることにしました。

サニー 永遠の仲間たち

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監督
脚本

カン・ヒョンチョル

出演

ユ・ホジョン
シム・ウンギョン
チン・ヒギョン
カン・ソラ
コ・スヒ
キム・ミニョン
ホン・ジニ
パク・チンジュ
イ・ヨンギョン
ナム・ボラ
キム・ソンギョン
キム・ボミ
ユン・ジョン
ミン・ヒョリン
イ・ギョンヨン
キム・シフ
チョン・ウヒ
パク・ヒジョン
キム・シナ
ハ・スンニ
ペク・チョンハク

音楽
公開

2011年5月4日 韓国

上映時間

124分

製作国

韓国

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

サニー 永遠の仲間たち

大号泣大傑作。

9.5
末期がんの親友の願いを叶えるべく、高校時代の仲良しグループメンバーを探す
  • 現在と過去を行き来しながら、青春時代に培った友情を思い出す
  • 現在は現在で悪くない、それでもあの頃の輝きは別格と共感させる上手さ
  • 現在と過去のつなぎ、見せ方が巧みでハッとさせられる
  • スジ美人すぎ問題

あらすじ

いやーーー…もうめちゃくちゃ良かったですね。久しぶりにゴリゴリ泣きました。

こりゃー満点かなぁ…と思ったんですが、2点ほど気になる部分があったので泣く泣く(泣いただけに)9.5。でも本当にものすごく良かったです。

どうやらお金持ちらしい夫と、若干反抗期っぽさを漂わせつつも愛する娘と幸せに暮らすイム・ナミ(ユ・ホジョン)。入院している母親のお見舞いに行ったときに偶然高校時代の親友ハ・チュナ(チン・ヒギョン)が入院していることに気付き、同時に彼女が末期がんに侵されていることを知ります。

高校時代の仲良しグループ「サニー」のリーダーだった彼女は、余命2か月の宣告を受けていて、死ぬまでに「サニー」のメンバーともう一度会いたいから探してくれないかとナミに頼みます。

かくしてかつての友人たちを探し始めたナミ。ところどころであの頃の思い出が甦り、甘酸っぱい記憶とともに過去を懐かしむナミですが…果たして全員と再会できるんでしょうか。

過去と現在の対比に涙

往年のヒット曲を織り交ぜつつ、現在とJK時代を行き来しながらの思い出コメディ青春ドラマ、といったところでしょうか。

田舎出身のナミが転校生としてやってきて「サニー」メンバーになっていく始まりの物語から、夢を膨らませる高校時代のメンバーと交流を深めていく友情物語を描きつつ、彼女たちが今現在どうなっているのかを見せていくことで、誰もが「あの頃自分が夢見ていたこと」と「現在の自分のギャップ」に思いを馳せざるを得ない、なんとも甘酸っぱく残酷な、そして温かな物語でした。ちなみに現在の彼女たちは42歳という設定です。

基本的に女性メンバーのお話で、男性はナミの片思い相手が登場する程度なんですが、それでも男の自分でもものすごく共感できる内容になっていて、またしても言語化する能力がないんですが誰にとってもグッと来る傑作と言っていいと思います。

やっぱり高校時代のちょっと(精神的に)幼い彼女たちの無邪気さと真っ直ぐさが懐かしくも羨ましいし、それを経ての良くも悪くも落ち着いた、ある程度道が見えている現在のギャップに色々と感じるものがあります。

個人的によく「若ければ何でもできる、何にでもなれる」と言われても昔は「無理なもんは無理でしょ」とか意味がわかってなかったのに、最近は本当にそうだなとすごく考えるようになってきたこともあって、この過去と現在の対比には妙に感化されてしまう自分がいます。

またその現在から過去に戻っていくシームレスな演出が本当に素晴らしくて、何度もハッとさせられました。

ふとしたきっかけで「あっ、あの頃こんなことあったな」と思い出す、その脳が切り替わる瞬間を映像で見ているような感覚があって、ここだけとっても非常にレベルが高い映画だなと感じました。

また「サニー」メンバーもただの仲良しグループではなく、一人クールな超美人のスジ(ミン・ヒョリン)のミステリアスな雰囲気が物語を引っ張っているのも印象的。

「なぜこの子はこんなスンッとしてるのにこのグループにいるのか」「現在はどうなってるのか」等いろいろ考えさせることで興味を惹かせる作りになっているのがとてもお上手です。

物語の発端でもある現在のチュナが末期がんという事実と、高校時代のチュナの面倒見の良い姉貴分的な存在感も妙に感情を高ぶらせる面があって、なんでもないシーンでも終始ウルウルしてしまうような物語がたまりません。

失われたもの、そしてまた失われてしまうであろうものが同時に描かれるつらさ。それでも笑顔で振る舞う彼女の姿がより一層涙を誘います。

現在の自分がかつての仲間たちに会うという意味では「小公女」にも似たものを感じるし、そこがまた良かったですねぇ…。

文句なしの傑作です

もう本当に傑作だったのであとは観てくださいってやつですよ。

こうなってくると邦画版も俄然気になる…んですが、韓国映画のレベルの高さを超えてくるほどのものになっているかというとあまり期待するのも酷だし、いつか機会があればとは思いますがあんまり比べるのも良くないような気がして難しいところ。

いずれにしてもこの“本家”はぜひいろんな人に観てほしいですね、と公開から10年以上経ってから言ってます。よろしくどうぞ。

ネタバレの仲間たち

もう本当にめちゃくちゃ良かったんですが、引っかかった点を2点ほど。

1点目はきっと誰もが感じたと思うんですが、娘ちゃんの復讐のシーン。

さすがに大人が高校生相手にガチで戦いを挑むのは現実味がないし、妄想的な感じで面白おかしく描かれるのかな…と思ったらマジでやってて草、みたいな。あそこはさすがにやりすぎでしょう。

おまけにその後も特にお咎めなし的な雰囲気だったのも二重で解せない。現実だったらもっと尾を引く事件になるのでは…。

娘ちゃんの復讐はいいとして、もう少し上手くやってほしかったなぁと思います。どういう方法かはわからないんですが。

2点目は一番最後。

チュナが社長だったのは良いとして、さすがに一部の“遺産”は出来すぎでしょう。

条件付きとは言え会社丸々(20年以上会ってもいない昔の友達に)受け渡すというのはこれまたちょっと現実味がなさすぎると思うんですよね。ポッキに用意したお店にしてもそう。

百歩譲ってこれをやるならせめて闘病中のチュナに現状の厳しさを伝えるシーンがあってもよかったと思います。フリになっちゃって想像がついちゃうデメリットもありますが、とは言えそのフリが無いと唐突すぎるし万能すぎるというか…。

この2点をもう少しソフトランディングしてくれたら文句なしの満点だったんだけどなぁ。惜しい。

このシーンがイイ!

もう名シーンだらけだったんですが…一番はDVD観るところかな…あれはズルい。

絵を渡してからの過去の自分を慰めるシーンもたまりませんでしたね…。

笑い的にはデモ中の喧嘩。笑いました。

あと娘ちゃんの制服を着るシーンも良かったな〜。

ココが○

全部良かったですよ。本当に最初から最後までたまりませんでした。

ココが×

ネタバレ項に書いた2点だけ引っかかりました。あそこだけもったいないと思うんですが…韓国ではあり得るのかな〜。その辺はわかりません。

MVA

これは悩みますねぇ…皆さん本当に良くて。

シム・ウンギョンは全然彼女だと気付かなったんですが、初々しい感じがとても良かったですね。

美貌だけでスジにしたい気持ちを抑えつつ…この人にしましょう。

カン・ソラ(高校時代のハ・チュナ役)

高校時代、全盛期の「サニー」リーダー。

リーダーっぽいカリスマ性が感じられるパワフルな感じがとても良かったですね。かわいいし。

まあでも本当に皆さん良かったです。特に高校時代のメンバーは。

現在の“初恋相手”が「テロ、ライブ」のクソ報道局長なのは笑いましたけど。もうちょっといい人選なかったの!?

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