映画レビュー1482 『おじいちゃんはデブゴン』

トワイライト・ウォリアーズ」を観たことで完全に香港映画熱が高まってしまい、ちょうどJAIHOにも何本かあるしで観ていこうと思います。
最初はこれ。「もうちょっとサモ・ハン見たいぞ」ということで選びました。

おじいちゃんはデブゴン

The Bodyguard
監督
脚本

チアン・チュン

出演

サモ・ハン
ジャクリーン・チェン
アンディ・ラウ
フォン・ジャーイー
リー・キンキン
チャウ・ユーチェン
ジェームズ・リーガイ
ユン・ピョウ
ディーン・セキ
ツイ・ハーク

主題歌

アンディ・ラウ

音楽

アラン・ウォン
ジャネット・ユン

公開

2016年4月1日 中国

上映時間

99分

製作国

中国・香港

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

おじいちゃんはデブゴン

想像以上に老人寄り。

6.0
認知症始まりかけ退役軍人、ご近所さんの少女を救うべく立ち上がる
  • 要人警護で腕を鳴らした退役軍人も歳には勝てず、認知症の兆候が現れ始めぼんやりエブリデイ
  • かつて不注意から孫娘が行方不明になってしまったがためにお隣さんの少女を孫娘のようにかわいがるが…
  • 監督・主演の割にカッコつけないのはいいものの、あまりにも老人寄りすぎる内容
  • 見せ場はかなり少なめ、アクションを期待すると少々がっかり

あらすじ

言うほど悪くはないんですが、ちょっと求めているものからは遠いかなということでいま一つの評価です。

かつて要人警護にその人ありと言われたとか言われてないとかでその実力を高く買われていたディン(サモ・ハン)も歳には勝てず、退役軍人として故郷の村で一人暮らしております。
最近はだいぶ物忘れも多く、病院に行くと認知症が始まっていると告げられ一人ぼんやり過ごす毎日です。
そんな彼のお隣さんはギャンブルで借金を重ねているダメ親まっしぐらのレイ(アンディ・ラウ)とその娘のチュンファ(ジャクリーン・チェン)。チュンファはディンに懐いているようで、粗暴な父から逃げるように窓からディンの家に忍び込んできてはディンと一緒にモノポリーで遊んだりと仲良しです。(果たしてぼんやりしてるだけの爺さんとモノポリーをやって面白いのか問題もありますがその辺は置いておきましょう)
ある日レイは借金をしている中国マフィアから半ば脅され仕事を引き受けますが、うまく行かずに持ち帰るはずのカバンを奪って一人逃走、追われる身となります。
レイからカバンを取り戻したいマフィアは当然その弱みとしてチュンファに狙いを定め、誘拐しようと近づきますがその時そばにいたディンによってまさかの撃退を食らうわけです。
しかしもちろんその程度では諦めないマフィアたち。果たしてどうなるんでしょうか。

意外とドラマ映画

サモ・ハン監督作品は20年ぶりだそうで、久々にメガホンを取り、主演に加えてもちろんアクション監督も兼ねる、さぞかし「どうだ! 観ろ!」と言わんばかりのサモ・ハンワールド…なのかと思いきや、むしろマジで心配しちゃうぐらいにご老人感を強く押し出す内容に大変困惑です。えええ…? みたいな。監督・主演でこれやる…? みたいな。
もちろん見せ場は用意されており、そのときは当然強いんですが…ただアクションの見せ方自体もそんなにキレキレということもなく、なんというか…自らが主演しているからこそあえて控え目にしたのかな、と思わせるようなある意味すごく抑圧的な映画になっておりまして、人としてはその方が奥ゆかしくて良いかもしれないけどファンとしてはもうちょっと張り切ってほしいよね、みたいな映画でした。
僕は別に彼のファンというわけではないんですが、それでもやっぱり昔から知る名優の一人でもあるし、香港アクションと言えばサモ・ハンかジャッキーか、ぐらいの印象もあるだけに、ここまで老人感を全面に押し出されてしまうともう少し嘘をついてほしいような気がしないでもなかったです。
導入からして「老人のくせに強い」ギャップで盛り上がる方面なのかと思ったんですが、確かにその要素はありつつもオープニングから一貫して認知症描写がしっかりなされているだけに、強さ以上に(こういう役が似合うようになった)寂しさのほうが強く感じられてしまい、なんともモヤモヤした鑑賞になりました。
結末も悪くないんですが良くも悪くも“やりすぎていない”話になっていて、トータルとしてはおかしくないものの「アクション観てスッキリしたい」みたいな要望とはまったく違う方向に行ってしまうだけに、やっぱりもう少しスカッとするものが欲しかったですね。
逆に香港映画でここまで娯楽に寄っていかない映画も珍しいんじゃないのというぐらい割としっかりドラマ映画しているように見え、マーケティング的なタイトルで内容とはまったく無関係なのが観る前からわかりつつも「タイトルのような軽さがない」ことにも少々困惑しました。

渋すぎる一本

隣のダメ親父がアンディ・ラウなのも結構な贅沢キャストなんですが、ディンと旧友らしき設定のベンチたむろ3人衆も香港映画ファンには嬉しい友情出演のようなので、今まで観てきた方にとってはたまらないものがあるでしょう。(正直に言えば僕はツイ・ハークしかわかりませんでした)
ただねー、その辺考慮してもやっぱり…一言で言うとアクション期待で観る香港映画としては「渋すぎる」チョイスかなと思います。
決して悪くないんですけどね。話としては。
ただもうちょっと…やっぱりスカッとするものが欲しかったかなと。

このシーンがイイ!

このご時世、ホテルの監視カメラ要員がこともあろうにPLAYBOYを読んでて画面を観ていない、ってもうドベタすぎて最高でしたね。ここはめっちゃ笑いました。今どきこんなのある!? っていう。
あと足を怪我したサモ・ハンが足を刺されてろくに歩けない男を追いかけるシーンがあるんですが、どっちも超スローでこれも笑いました。笑わせたかったのかは不明です。

ココが○

やっぱりサモ・ハンは格闘すると生き生きしてるのでいいですね。もっと観たかった。

ココが×

割と真面目にドラマしちゃってる分盛り上がりに欠けるのと、アクションシーンが控え目な点。結局終盤の見せ場を見せるためだけの映画になっちゃってる気がします。

MVA

あんまりこの人! っていうのがなかったんですが、まあこの人かなぁ。

サモ・ハン(ディン役)

主人公の老人。
認知症が始まっているため終始割と反応薄め。
役としては微妙というかラクというか、あんまり感情的にもならずにぼんやりしているので目立たない演技ではありますが、「サモ・ハン大丈夫なの?」とマジで心配したくなるぐらいにはぼんやりしていたのでMVAです。
トワイライト・ウォリアーズではもっと血気盛んだっただけに、あの映画よりも前に作られていたのが信じられないぐらい爺してました。
やっぱり自ら(しかも20年ぶりに)メガホン取ってこの役をやる、っていうのは逆になかなかすごいなと思います。

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