映画レビュー1483 『レイジング・ファイア』

トワイライト・ウォリアーズ」は最高だったんですが、一つだけ足りないものがある…それはドニー・イェンだっ!
ということでドニー師匠の映画を観るぞとチョイス。

レイジング・ファイア

Raging Fire
監督

ベニー・チャン

脚本

ベニー・チャン
リン・ウェイチン
タン・ヤオリャン

出演

ドニー・イェン
ニコラス・ツェー
チン・ラン
ベン・ラム
パトリック・タム
カルロス・チャン
サイモン・ヤム
レイ・ロイ

音楽

ニコラ・エレラ

公開

2021年7月30日 中国

上映時間

126分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

v

すごいんだけど違うのが観たかった感。

7.5
長年追いかけてきたマフィアを捕えようと踏み込んだ矢先、謎の男たちによって壊滅させられ…
  • 元同僚の先輩後輩警察官が善と悪に分かれて因縁の対決
  • 話は割と定番の流れではあるものの全体的によくまとまっている
  • 格闘シーン少なめで銃撃戦やカーチェイスに力が入ったドニー師匠じゃなくても良くね感
  • アクションのレベルは高く、お金もかかった現代らしい香港映画

あらすじ

全然悪くない映画なんですが、ちょっと求めているものとは違ったのでもう一つかなぁという印象。でも普通に面白いと思います。

香港警察が長年追いかけてきたベトナムマフィアがおりまして、いよいよ彼らの麻薬取引が行われることが判明したため大量の人員を揃えて取引現場に踏み込んだのはいいものの、先んじて仮面を被った謎の5人組が現れベトナムマフィアを壊滅、その後やってきた警察も彼らによって惨殺されてしまいます。
本来であればそこで指揮を取っていたはずのボン(ドニー・イェン)は上層部の意向に従わなかったため捜査から外されており、独断で取引現場を調べて乗り込むもすべてが終わったあとでした。
結果的に難を逃れた形にはなりましたが友人でもあったイウ警部他同僚たちを失い、いわゆる弔い合戦的に単独で捜査を継続、どうやら裏にはかつての後輩で、とある事件の捜査の際に誤って容疑者を殺してしまったンゴウ(ニコラス・ツェー)を始めとした元警官の5人が関わっている模様。
その事件の裁判で自らの信条に従って正直に証言したために逆恨みされているボンは、優秀な警察官だったンゴウと対峙していくことになりますが…いつも通りあとはご覧くださいませのパターンだぜ…!

現代劇でドニー師匠は旨味が減ってしまう説

ドニー師匠が警察官ということで「導火線 FLASH POINT」を思い出すわけですが、しかしあの映画あんまり覚えていないという…! 圧倒的ぼんくら…!
まあ内容を覚えてないとは言えですね、なんとなくこのドニー師匠のキャラが既視感あるんですよ。
ちょっと暴走気味だけど人格者で正義感に溢れていて、愛妻家で当然強い警察官という。まあ主人公だしこうなるのも仕方がないとは思うんですが。
ただもうその既視感あるキャラクターの時点で結構「またこれかぁ」感が出てしまったことは否めません。
内容ほぼ覚えていないとは言え「導火線」の方はもうちょっと格闘要素が強かったような記憶があるんですが、こちらはだいぶ格闘抑えめで銃撃戦とカーチェイスに力が入っており、良く言えば「現代的な香港警察映画」、悪く言えば「そういうのは他で観られるからもっと格闘的な良さを活かしてくれないかな香港映画」という印象です。
格闘シーンは途中情報を追うために中ボス的なやつを追って一人踏み込むところとラストバトルぐらいのもので、あとはかなり銃に頼ったバトルがメイン。
ネットでは「ヒートとスピードを足して2で割った感じ」的な寸評を見かけたんですが、なるほど確かにそんな感じでした。銃火器の威力がすごい。
まあ確かに銃火器中心の現代で「拳一つで出世する警察官」みたいなのはさすがに嘘くさくなってしまうのでこうなるのもむべなるかなと言ったところではありますが、でもドニー師匠じゃん?(急なフランク)
やっぱりドニー師匠にはバッチバチの格闘を期待したいんですよ。いやそういう役ばっかりじゃないのも知ってはいるけども。
逆に言えば、ドニー師匠がこういう銃火器が普通に登場する現代劇で主演する映画はあんまり観なくても良いのでは…? とちょっと厳しいですがそんな印象を受けました。
ちょっとね、主人公キャラすぎるんですよね。はっきり言ってしまえば面白みにかけるというか。
人格者で部下からも慕われ〜〜〜的なの、もういいよっていう。
もうちょっと類型から逸脱したキャラなのがわかっていれば興味も出ますが、こういう「よくいる主人公キャラ」の現代劇である限り、ドニー師匠であってもあんまり観なくていいのかなぁと思いました。今回。逆に悪役やってくれてた方がいいのかもしれない。(あるのか知らないけど)
話の展開にせよ主人公のキャラクターにせよ、既視感が強いのはやっぱり今あえて観るほどのものではないかなぁと。
詳しくは書きませんが終盤のお涙頂戴的な部下たちの行動なんてあるあるすぎて逆に醒めちゃうんですよね…。わかるんだけど。それやりたいのも。

となると今回の(裏)主人公は実は悪役のンゴウの方で、ニコラス・ツェーは初めて観るし確かにこちらの方が新鮮ではありました。ちょっと福山雅治っぽいイケメンかつ(こっちも当然)強くて。これみよがしに腹筋シーンとか出てきてね。笑っちゃいますけども。
ただねー、こちらもちょっと悪役としては前時代的というか、道を外れてからもう悪くなる一方なのが残念でした。もうちょっと葛藤とか「この道でしかなし得ない正義を抱えて生きている」みたいなものがあったら良かったなと思うんですが…。まあそれはそれで最近よく見る悪役ではあるのでこっちでも文句を言っていた可能性はあります。うるさい野郎だぜ…。

金かかってますなぁ

一方でかなり力を入れているのであろうカーチェイス等は非常にお金もかかっていて派手だし強烈なので、これはこれで一見の価値があります。
なんとなく勝手に感じていた昔の「ハリウッドみたいなことがしたいんだろうな」的な印象から一変して「ハリウッドでもここまでやらんでしょ」みたいな。逆にやりすぎでしょ、って思うぐらいにあちこち破壊して強力なシーンが結構ありました。
産業としてこなれてきたという側面も当然あるんでしょうが、やっぱり思い浮かぶのは「金あるんだろうな〜〜〜」ってことですね。金が唸ってないとできませんよあんなの。
やっぱりちょっと勢いが違うわねと思いつつ、とは言えその勢いも「香港の中国化」が進行していっている証左とも思えるだけに悩ましいところ。
今のほうが映画としてお金がかかっていてすごいものになっているのは間違いないんですが、一方で中国本土とは違った価値観を持った昔の香港映画の良さはやはりオンリーワンだと思うし、いろんなしがらみもない分今とは違った魅力を持っていたのも間違いないところです。
そう、つまり「Mr.Boo! 面白かったね」という話。解散!

このシーンがイイ!

カーチェイス終わりに運転してたドニー師匠が子どもを轢きそうになるも車から飛び降りて抱えて助けるシーン、現実味なさすぎて爆笑しましたね。インド映画かよ、っていう。ああいうバカっぽいのもっと観たい。

ココが○

本レビューと被りますがカーチェイス他のアクションシーンは迫力もあって手に汗握る作りが良かったです。思わずオホッと声が出ちゃうぐらい。

ココが×

とは言え(自分の中に)格闘アクションブームが来たせいで香港映画観るぞモードになっているので、やっぱりもうちょっと格闘バトルが見たかったなと。ドニー師匠だしなおさら。
完全に自分勝手なお願いなんですけど。

MVA

ドニー師匠がベタすぎるのでこちらの方にしましょう。

ニコラス・ツェー(ンゴウ役)

いわゆるヒール。ドニー師匠の元後輩。
後輩時代のイケ刑事っぷりから闇落ち後のヤサグレ感まで絵になるかっこよさ。ダブル主演も納得のいい男でした。

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