映画レビュー0159 『最高の人生の見つけ方』

今さらですが、ジャケ絵は僕の基本的なレンタル先であるTSUTAYA DISCASの画像を見ながら描いているので、たまに売り物と違うことがあります。昨日の「太陽がいっぱい」もそう。だから違っても気にしないでね。それだけ。

最高の人生の見つけ方

The Bucket List
監督
脚本
出演
ビヴァリー・トッド
ロブ・モロー
音楽
主題歌
『Say』
ジョン・メイヤー
公開
2007年12月25日 アメリカ
上映時間
97分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(ブルーレイ・TV)

最高の人生の見つけ方

病室で知り合った二人の男は、ともに余命6ヶ月を宣告され、「死ぬ前にやり残したことをやろう」と旅へ出る。

“爺版”スタンド・バイ・ミー。

9.0

いやー、これはもう…。ものすごく良かった。やっぱりロブ・ライナーってすごいなぁと改めて思いました。

ロブ・ライナーと言えば、「スタンド・バイ・ミー」。あれは少年期の友情と小さな旅の物語でしたが、これはその真逆。死を迎える二人の友情と、世界を旅する物語。

「そりゃあれだけ金があったらこんなこともしたいけどよー」とふて腐れる気持ちはさておき、主演二人の“いかにも”なマッチしすぎたキャラクターが光るストーリーは文句ナシです。

ほんとに違和感がないキャラクターだけに、演技のような気がしない。ほんとにこういう最期を迎えるんじゃないの? と思っちゃうようなリアルさ。この手の話は嘘くささが漂い始めるとかなり辛くなると思うので、このリアルさって実はすごく大事だと思うんですよね。

スカイダイビングしに行く機中での二人のやりとりなんて、ものすごくリアル。ドキュメンタリーなんじゃないかと思えるぐらい、自然。それがまず、ものすごく良かった。

彼らの心情的には違和感も無いし、予想外のことも起きません。でも、さりげなくオープニングでちょっとした仕掛けを施してたりするうまさもあって、「はいはい、そうなるよね」と完全に読み切って醒めちゃうような話でもない。この辺の作りのうまさがまたいいんだ。いいんだ!

あとはやっぱり、「棺桶リスト」の使い方ですよね。これがもう、最後まで素晴らしい小道具として活用してくれます。さすが原題になっているだけある。というか、邦題がよくないですよね。なんか自己啓発系なタイトルで。これが唯一残念でした。

あと僕としては、「男二人の友情物語」だけに、心情や考え方に共感できる部分がすごく多かったので、「男で良かった」と久しぶりに思いましたね。なかなかこういうことは思わないんですが。男なんて死ぬまでスケベでバカでヤンチャしたがりなんですよ。きっと。

僕はヤンチャではないですが、ヤンチャできる人が羨ましい気持ちはすごくあるし、そう言う意味ではカーター(モーガン・フリーマン)に共感できる面が多かったですねぇ。最初に「棺桶リスト」を見て反論するシーンも、かなり自分が重なって見えました。こういう引っ張ってくれる友達っていいよなぁ、大事だよなぁ、と思ったり…。

もう一つ個人的な話ですが、僕が借りた映画は、同じく映画好きの母も観てから返却するんですが、今回、人生の終わりに近付いてきている母親にこれを観る機会を与えられたことがすごくよかったな、と。もちろんこれだけ豪遊するお金なんてまったくありませんが、死に対して向き合う時間を作れた、きっかけを作れたこと自体に、親孝行とまで言うとおこがましいですが、意味があったような気がします。

それは自分にとっても同じことで、なかなか目をそらしがちな「死」というものに対して、また一つ、新たな視点を持てたような気がして、それだけでも観て良かったな、と。

まあそんな固いことは考えずに、エンターテイメントとして観てもすごく良い映画だと思います。文句の付け所ナシ、ということで久しぶりに満点。すごくよかった!

[2011.06.20追記]

やっぱり旅行シーンに関しては合成のようで、本人たちは(全部かどうかはわかりませんが)現地に行ってないようですね。どうも浮いてる気がしたんだけど…。ということで評価-1.0。良い映画だけに惜しい!

スケジュールやら費用やら危険度やらいろいろあるんでしょうが、直接行って撮影して欲しかったなぁ。

このシーンがイイ!

もう良いシーンが多すぎてかなり迷うんですよね。

直角メガネ(?)で見える目だけで演技するジャック・ニコルソンとかもう最高だったんですが、一つ選ぶなら…コーヒーの話で大爆笑する二人のシーン、かなぁ。

もう一つラスト近くにすごく好きなシーン(号泣しました)があったんですが、この辺はネタバレになるので書きません。

ココが○

○なんて山ほどあるので、まあとりあえず観ろや、ということで。

上に書いてない部分で一点挙げるなら、「死を前にした男二人の話」でありつつも、軽くて笑える良いセリフが多いので、重たくならないのもまた良かったです。ところどころ笑わせてもらいました。

あ、あと久々のブルーレイだったせいもあるかもしれませんが、映像がやたら綺麗でそこもよかったですね。綺麗すぎて「これほんとにロケ行ってるのか?」とかいろいろ気になったりもしたんですが。でもほんと、映像もすごくよかったです。

ココが×

上にも書きましたが、唯一邦題が不満。

ただ、直訳のタイトルにしたところで英語の原題の持つニュアンスを伝えられない感じもよくわかるので、これは本当に難しいだろうなぁ、と思います。この辺は「しあわせの隠れ場所」の邦題・原題と似た感じ。

でもこのタイトルは無いと思う。なんだろう…すごく陳腐に見えるんですよね。このタイトルって。

MVA

キャラで言えば秘書のトーマスがすごくよかったんですが、やっぱり演者的な面で言えば主演の二人どちらか、でしょう。ということで今回は

ジャック・ニコルソン(エドワード・コール役)

この人はやっぱりすごいですよね。

上にも書いた通り、どっちも自然な感じのまさにハマり役だったんですが、わずかにジャック・ニコルソンの方が演技として上回っていたような気がします。感情の起伏が多かったからかな?

この手の役をやらせたら本当にべらぼうにうまいですね。でも正直、どっちも選んであげたいぐらい、ベストキャストでした。

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