映画レビュー0172 『ナチュラル』

天然っぽいタイトルですが、意味としては「天性の」、要は生まれながらの天才的な意味合いらしいです。

ナチュラル

The Natural
監督
脚本
ロジャー・タウン
フィル・ダッセンベリー
原作
『ザ・ナチュラル』
バーナード・マラマッド
音楽
公開
1984年5月11日 アメリカ
上映時間
137分
144分(ディレクターズ・カット)
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

ナチュラル

将来を嘱望された天才野球選手・ロイは、不幸な事件によりプロ入りできなくなってしまう。16年後、「35歳のルーキー」としてようやくプロの舞台に立った彼は、驚異的な成績で旋風を巻き起こすのだが、過去の事件の傷が原因で再び選手生命の危機が訪れる。

マンガっぽい面白さは良かった。

6.0

プロ入り前の10代からメインの35歳まで、当時のロバート・レッドフォードが演じるには結構無理のある年齢だった気がしますが、それは置いといて。

遅咲きのルーキーがチームを引っ張り、裏でいろいろありつつも優勝争いに絡んで…という野球のお話。

展開的にはド定番でもあり、また内容が内容だけに、野球がわからないとか嫌いだよ、という人にはまったくオススメできない映画ですが、ちょっとだけ長めの映画でありつつもちょこちょこいろいろ話が出てくるおかげか僕としてはそれなりに飽きずに観られました。

特にところどころですごい(昔の)マンガっぽいシーンが出てくるのが面白かった。外ホームランで時計割っちゃうとか、久々にピッチングしたらボールがネットにめり込んだとか。キャプ翼かよ! みたいな。

主人公がチームに来る前にレギュラーだった選手が、打球を追ってフェンスにめり込んだ挙げ句死んだのには(失礼ながら)笑いましたね。かなり。どう見ても死ぬようなプレイじゃないのに。

まあそんなマンガ的な“ゆるさ”がありつつ、男女の絡みやら監督とオーナーのしがらみやらがあり…といういかにもスポーツモノらしい展開。最後の見せ場もいかにも。だからこそつまらない、っていう人もいるとは思いますが、僕はそこそこ楽しめました。あくまで「そこそこ」ですが。

ただ、結局のところ、突然起こった過去の事件の解明もなく、途中のスランプの原因なんかも思わせぶりな割に語られ不足感が否めない面もあって、「この映画だからこそ」の何かがあるわけではないのがツライ。エンディングも唐突だし…。

っと振り返って行くと、結局「それなりに観られたけど、特にオススメできるような映画ではない」かな、と思います。

スポーツモノならもっと感動できるいい映画、いっぱいありますからね…。

このシーンがイイ!

最後の打席でのボールボーイとのやりとりは良かったですねぇ。あの少年は結構良い味出してたと思います。

ココが○

上に書きましたが、マンガっぽい演出。ちょくちょく笑えました。

ココが×

背景にいろいろありつつも語られない部分が多いので、結局要素をはいでいくと「遅咲きのルーキーがすごかった」ってだけの話になっちゃうのが…。

MVA

あんまり「こいつだー!」っていう人はいなくて、消去法に近いんですが、今回はこの方に。

リチャード・ファーンズワース(レッド・ブロウ役)

コーチの爺さん。

あの「ストレイト・ストーリー」の人で、出てると知った時は「おおっ」となんか嬉しかった。出番が少な目なのが惜しかったですが、序盤から独特の優しい雰囲気を見せていて、そこがよかったな、と。

ロバート・デュヴァルは好きだけど役柄がイマイチ。

キム・ベイシンガーはいかにもピッタリな役柄でしたが、「結局お前なんだったんだ」感が拭えず。彼女の存在がもっと上手に絡んでくればもう少し面白い映画になったのになぁという気がしますねぇ…。

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