映画レビュー0747 『イカとクジラ』

レンタル7本目はオススメ映画の最後の1本。タイトルも初めて聞いた映画でした。

イカとクジラ

The Squid and the Whale
監督
ノア・バームバック
脚本
ノア・バームバック
音楽
ブリッタ・フィリップス
ディーン・ウェアハム
公開
2005年10月5日 アメリカ
上映時間
81分
製作国
アメリカ

イカとクジラ

かつて人気作家だったものの今は落ちぶれて教員をやっているバーナードと、新進作家として売れ始めた妻のジョーン。二人の仲は修復不能の状態になり、やむなく離婚することを決意する。それぞれ交互に息子二人の面倒を見ることになったが、当の子どもたちは元からいた家と父親の家を行き来する毎日に嫌気が差していた。

誰も愛せない淡々ドラマ。

4.0

TS●TAYAではカテゴリーがコメディになっていたので気楽に観始めたんですがもう全然コメディ感無くてですね。ややシニカルな家族ドラマという感じでしょうか。

開幕から雰囲気の悪い夫婦はやがて離婚を決意、それぞれが平等に子どもたちの面倒を見るために週3日ずつ+隔週1日ずつ交互に子どもたちと共に過ごす生活を始めます。

父であるバーナードはかつて人気作家だったものの今や出版の声はかからず、ひたすら上から目線の文学批評を繰り広げては(多分)大学講師の職で食いつなぐ日々。お金にも困ってます。

一方、母のジョーンは雑誌での連載が始まりさらに好評ということで作家として上り調子。好対照な二人が息子二人にそれぞれの価値観で接しつつ、さながら「味方作り」のような様相を呈しながらの家族4人の姿を綴ります。

もう本当になんてこと無い日々を描く、とても下世話でリアルなお話…ではあるんですが、残念なことに4人が4人、程度の差はあれみんな身勝手で自己中心的なんですよ。おかげでもう全然感情移入できなくて。

親父はなんとか食べていっているような状況ながら居丈高で人一倍プライドが強く、おまけに息子と暮らしていながら教え子とイチャイチャするというクズ男っぷり。

母親も母親でだっさいテニスコーチとネンゴロ。そりゃ子どもとしてもキツいわな…と思いますが子どもは子どもでまた鼻につく。鼻につく演技をやらせたら当代随一かもしれないジェシー・アイゼンバーグっていうのもあるんでしょうが、やっぱり素直じゃない感じが愛せない。これは彼が嫌いとかそういうわけではなく、演技が上手いからこそなんだとは思いますが。

弟のフランクもまさに性の目覚めをリアルタイムで過ごしている年代故か、あちこちに精子をこびりつけて回る日々。さらに日常的にビールも飲んじゃったりして生意気極まりないキッズ。

そんな感じでまあ皆さん人物像がなかなかなんですよ。香ばしいというか。それ故リアルなのもわかるんですが、特に良いところもなく変わらずで最後まで行くので、正直感情を高めようにも高められないまま終了した感じで。

81分というかなり短い上映時間ながら、正直飽きてくるほどに高まりのないお話でした。

んで「だからこそリアル」とも言えるんですが、4人が4人、それがメインではないとは言えみんな性的な要素がつきまとってくるので、そこがまたちょっとうんざりしました。わかるけどさ。でもそこまで性をおさなくてもいいんじゃないのと思うわけです。直接的な表現は無いんですが、かなり性的要素を主張してくるお話なので。

一応それなりに希望を感じさせる終わり方ではあるんですが、もう終始登場人物を愛せないまま終わりを迎えるので「ああそうですか」という感じでもう完全にどうでもいい。そんなこと言っちゃったら映画なんて成り立たねーよと言われても抗えないレベルでどうでもいい。

やっぱり悪い感情でもいいから誰かしら感情移入できないとこういうドラマはつらいですね。もちろん好きにはなれない、かといって嫌いとかでもなくどうでもいいという興味を失った状況になっちゃうと、もうどう展開しようが面白いとは思えなくなっちゃうだけに…厳しい。

そんなわけでもし観るなら誰かしら一人でいいから好きになるなり嫌いになるなり、感情の置き所をしっかり模索して観ることをオススメします。僕は完全なる傍観者として「はぁ、どうでもいいんですけど」って冷めて観ていたのでまったく面白さを感じられませんでした。無念。

このシーンがイイ!

特には無かったかな…。

ココが○

オススメされたことからもわかりますが、多分ハマる人はハマるんじゃないかなぁ。決して作りが悪い映画でもないと思うんですよね。リアルだし。

でもつまんねーんです。悪いね。

ココが×

そもそもが「仲違いした夫婦にそれぞれ抑圧されている子どもたち」みたいな構図なので、明るい雰囲気がほとんどないんですよね。希望を感じさせないというか。

そこがやっぱりきっちり観ようと思うにはしんどい面があったのかもしれません。全員嫌なやつだな、みたいな見せ方が多くて。

MVA

役者さんは皆さん芸達者だと思います。テニスコーチが「より中途半端感を増したアレック・ボールドウィンっぽいな」と思ってたら弟だったという。兄弟をディスる形になってなんかごめん。

そんなわけでこちらの方に。

ジェフ・ダニエルズ(バーナード・バークマン)

鼻持ちならない親父。

この人はこの手の役をやらせたらお上手ですね。嫌なやつ感の雰囲気作りがうまい。

この映画ではたくましい髭のおかげで見た目的には今までにない印象だったんですが、でもやっぱり嫌なやつうめーな、っていう。「親父派」のジェシー・アイゼンバーグともども嫌なやつ感が良かったです。

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