映画レビュー0371 『テルマエ・ロマエ』

これを観たのは先週日曜で、ちょうど先週土曜に地上波で放送していたみたいですが、僕は地上波の映画は観ない主義なのでDVDで観ました

たまに登場、邦画です。

テルマエ・ロマエ

Thermae Romae
監督
武内英樹
脚本
武藤将吾
原作
『テルマエ・ロマエ』
ヤマザキマリ
出演
阿部寛
上戸彩
市村正親
北村一輝
宍戸開
竹内力
音楽
住友紀人
主題歌
『誰も寝てはならぬ』
ラッセル・ワトソン
公開
2012年4月28日 日本
上映時間
108分
製作国
日本

テルマエ・ロマエ

古代ローマのテルマエ(浴場)技師ルシウスは、昨今の騒々しい入浴マナーに嫌悪感を感じていた。湯船に頭から浸かり、浴場についてあれこれ思案していた彼は、気付けば風呂に空いた穴に流されてしまい、現代日本の銭湯にタイムスリップしていたのだった。

アイデアと阿部寛の熱演がスバラシイ。

8.0

先にお断りしておきますが、僕はフジテレビの映画製作には強い嫌悪感があり、簡単に言えば「こいつら映画を金儲けとしか考えてないから軽蔑」していて、そのフジテレビが誇る“世界の亀山モデル”の映画を褒めるのは映画ファンとして忸怩たる思いが無いわけでは無いんですが、映画そのものに罪はないということで素直に評価すれば、まあ単純に「面白かった」な、と。

さて、入り口でブータレましたが、本題。

観るまでの事前知識では、阿部寛扮する古代ローマ人・ルシウスが日本に来て、そのまま日本でその古代ローマ人としてのギャップを元に笑いを巻き起こし、やがて幸せに暮らしましたとさ的な一方通行の話なのかと思ってましたが、実際は何度もローマと日本を行き来しながらローマで功績を積み、やがてローマの政治も絡みつつバック・トゥ・ザ・フューチャー的に「未来が変わっちゃう!」みたいな話も交えての歴史ドラマ的展開にまで発展する映画でした。

序盤はやはりかなりコメディ寄りになっていますが、後半はだいぶコメディも鳴りを潜め、人情ドラマ+恋愛含みな感じでベタではありますが綺麗にまとまる話になっています。

その序盤のコメディパートはいわゆる“ツカミ”に当たると思いますが、なかなかどうして邦画でこのレベルのコメディはあんまり観た記憶がなく、阿部寛の熱演も相まって結構笑わされましたねぇ。

「熱演」とは言っても暑苦しい舞台タッチな演技ではなく、あくまでしっかりと古代ローマ人を真面目に演じていて、なぜか日本人なのに不自然さも無く、その他ローマ人を演じる濃い顔族、市村正親や沢村一樹も含めて素晴らしく舞台に馴染んでいました。対する“平たい顔族”の面々、爺さん連中が多かったですが、彼らの演技もまた味わい深く、総じて「どこに出しても恥ずかしくない邦画」になっているな、と。

その「どこに出しても恥ずかしくない」という意味で大きいのは、やっぱり「お風呂」という文化が物語のベースになっている点でしょう。日本人のお風呂好き、綺麗好きは世界的にも珍しいらしいですが、それを古代ローマと結びつけて娯楽にまとめあげるセンス、これは本当に原作者の才能、功績だと思いますね。

ただのコメディであれば「これはちょっと外国人にはわからないんじゃないの」ってこともよくありますが、ベースが文化である以上、「自分たちとは違う」のが当然なので、早い話が外国人はルシウスに自分を投影できる面もあって、きっとどこの国でも一定の評価を得られそうなテーマ性が素晴らしいです。

後半ももっと笑わせて欲しかったな、とは思いましたが、物語を綺麗に終わらせるという意味では、王道ながらまとまりのいい話になっているし、主演の阿部寛とヒロインの上戸彩の二人が見事な演技をしてくれたので、余計なアラに目が行かずに済んだのが嬉しい誤算でした。

おまけに上戸彩のちょっとしたサービスショットも織り交ぜてくる辺り、悔しいけどさすがその辺もうまいな、と。おっぱい(の谷間)。

ところどころ映画らしくない演出(注意書き系の字幕とか)もうまく使って、いちいちコメディセンスを感じる、ある意味で「いやらしい」映画でしたね。良い意味で。

総じて、映画好きの大人でも鑑賞に耐え得る、邦画としてはかなり隙のない良い映画だと思います。気楽に観られるし、誰にでもオススメできるレベルだと思います。

原作を読んだことはないんですが、原作と映画とのマッチングも良いだろうと想像できるし、キャスティングも文句なしで久々に大満足の邦画でした。

阿部寛、恐るべし。

このシーンがイイ!

序盤なんですが、ルシウスがフルーツ牛乳を飲んで涙するシーンですね。これはちょっと…声出して笑っちゃいましたね…。すごいよ阿部寛。

ココが○

よくもまあ「風呂」だけでここまで話を膨らませられるなぁと感心。原作者の方はかなりセンスがあると思います。

単なる「タイムスリップのギャップで笑いを取る」だけじゃないのがミソというか、やっぱり「風呂」にテーマを絞ってるのがうまいんだろうなぁ。

ココが×

例えば上に書いた、後半ももっとコメディして欲しかった、みたいな個人的好みはありますが、でも総じて特に不満は無い映画ですね。

一点、笑いについて言わせてもらえれば、エンドロールの竹内力にはぜっっったいどぶろくを飲ませるべきだったと思います。そこがすごく惜しかった。どうでもいいんだけど。

MVA

まさかのピカデリー梅田登場にはびっくりしましたが、まあこの映画はどう考えてもこの人を抜きには語れません。

阿部寛(ルシウス・モデストゥス役)

古代ローマ人的彫りの深さと、彫刻のような綺麗な体、真面目な人柄を体現しつつ笑いを取る…と、もうその辺の要素をカンペキに兼ね備えてますね。本当にものすごく良かった。フルーツ牛乳飲んで泣く演技なんてできませんよ。普通。

上戸彩もすごく良かったですね。普段のイメージそのままなキャラクターだったこともあって。雨に濡れた鎖骨のエロいことエロいこと。明るさとかわいさと嫌味の無さに加えてちょっとのエロスが混ざる、絶妙なキャラクター。

主演二人が良ければ、そりゃあいいハズですよ。

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