映画レビュー1534 『ビッグ・マネー(最高の悪運)』
アマプラ終了系。
ダニー・デヴィートが出てるコメディはまず観ないとと思ってるぐらいには好きなので迷わずチョイス。
ちなみに一般的なタイトルは「ビッグ・マネー」ですが、アマプラでは「最高の悪運」になっていたので両方併記しています。
ビッグ・マネー(最高の悪運)
サム・ワイズマン
マシュー・チャップマン
ドナルド・E・ウェストレイク
2001年6月1日 アメリカ
94分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

コメディ故の雑さが許せるか否か。
- 「帰宅禁止」の措置を受けた富豪宅へ強盗に入るも不倫中の富豪が在宅、結局捕まる
- しかも被害報告で富豪に「指輪も盗まれた」と嘘をつかれ、大事な指輪を奪われてしまう
- かくして指輪を取り戻したい強盗 vs 返したくない富豪の意地の張り合いが展開
- コメディに甘えた雑さで話は微妙、しかしキャスティングに妙あり
あらすじ
結構期待していたんですがイマイチでした。まあそんなこともあります。
職業・強盗のケヴィン(マーティン・ローレンス)はオークション会場で“下見”をしていたところ、やけに悲しそうな表情で座る女性、アンバー(カルメン・イジョゴ)が気になり、お近付きに。
彼女は仕事のためアメリカにやってきたもののその仕事が無くなってしまい、滞在費用に困って父の形見の絵画を売る苦渋の決断をしたとのことで、彼女に一目惚れしたケヴィンはご挨拶代わりにその絵画を落札した人物からサクッと盗んできて彼女へ戻し、例によっていい感じになった2人は交際を始めます。
ケヴィンは正直に強盗が生業だと告げ、アンバーはショックを受けますが受け入れて父の形見の“幸運の指輪”を彼にプレゼント。
一方富豪のマックス(ダニー・デヴィート)は持っている会社の一つが破産寸前に追い込まれたことから経済的に問題を抱えており、資産差し押さえのため自分が所持する豪邸への立ち入りを禁止されてしまいます。
このことを強盗仲間のバーガー(ジョン・レグイザモ)から聞いたジャックは彼とともに豪邸へ潜入、誰もいない豪邸なんて旨味しかないぜ…と意気揚々と入ったもののそこではマックスが不倫の最中だったため、結局バーガーは逃げケヴィンだけ捕まってしまいます。
マックスは警官に「その指輪も盗まれた」とケヴィンの幸運の指輪を戻すよう言い、あろうことか強盗から逆に盗むことに成功。
当然ケヴィンは納得が行かず、あの手この手でマックスから指輪を取り戻そうとしますが、しかしマックスはマックスで絶対に渡すまいと躍起になって対抗しておりまして…あとはご覧ください。
伏線のなさ
クセのある富豪と「その辺の気のいい兄ちゃん」っぽい強盗の対決コメディ。
ダニー・デヴィートはこの手の富豪役やらせたらさすがですね。「殺したい女」を思い出させます。
しかしダニー・デヴィートがダニー・デヴィートっぽくいい感じに頑張ってるのに全体的にイマイチというのが解せない微妙なコメディでした。
なんなんでしょうね、なーんか雑なんですよね。
「あれどうなったんだ」とかいくつか思った点はあったんですが、その辺全部適当に過ぎ去っていくだけの要素で言ってみれば話なんてあってないようなものでした。
それなりにストーリーは展開するんですが、なんか全部引っかからないというか流されるだけで特に惹きつけられるものもないというか。それはつまりコメディなのでゲラゲラ笑うようなシーンがない、ってことなんですが。
思うに、伏線がほとんど無いその場限りのネタばっかりのストーリーだったからかもしれません。
「コメディに伏線なんていらんやろ」と言われそうですが、ところがどっこいコメディにこそ必要な気がしますね。伏線という名の“フリ”がね…!
笑えるコメディって、ただバカなだけじゃなくて意外とフリが利いてるものって多い気がするんですよ。
「そこでこれ出てくるんだwww」みたいな。
「ハングオーバー!」のエンドロールなんてその最たるものじゃないですか。答え合わせになってて面白い、っていう。
この映画なら例えば問題の指輪に実は何かすごい機能とかエピソードが込められててその辺が最後になって明らかに…とかならまだ違ったような気がするんですが、残念ながらそう言ったことは特になくただのアイテム…いわゆるマクガフィン的なものでしかなかったわけです。映画通ぶってますけども。
終始そんな感じでその場その場での特に見どころのないエピソードが延々と展開していくだけの映画なので、イマイチ面白さを感じられないし雑に見えてしまう(構成を考えてフリを用意していない)のが難点なのかな、と。
一方で意外とキャスティングに見どころがある映画なので、その意味では観て良かったと思います。
目的のダニー・デヴィートはいつも見る感じの安定感ある仕上がりでそれも良かったんですが、何と言っても今は亡きバーニー・マックが出ているのがたまりませんでしたね。オーシャンズファンとしては。っていうかオーシャンズシリーズ以外で見たのは初めてでした。
実はオーシャンズ続編(14)製作開始の話をつい最近目にしたんですが、「バーニー・マックが亡くなってしまったのでもう作りません」と言っていた作品が前言撤回した直後に生前の彼を目にする、というのはなにか因縁めいたものを(勝手に)感じてしまいます。
ジョン・レグイザモもやけに若くて新鮮でしたが、もう一人非常に印象的だったのがウィリアム・フィクナー。
時代も考慮してあえてそう呼びますが、いわゆる“おネエ”っぽい刑事を演じておりまして、なんならちょっとベルばらに出てきそうな感じのキャラで。
ウィリアム・フィクナーと言えば狂人キャラ、サイコパスっぽい役の印象が強いだけに、この役もクセ強で変わってはいるもののそのベクトルが今まで見たことがないような方向だったのでとても新鮮で、彼のキャラ、使われ方が一番面白かった説もあります。「こういう役もやるんだ…」みたいな。
さして面白くはなかったけど憎めない
ぶっちゃけさして面白くなかったものの憎めない、ダニー・デヴィート演じる富豪のキャラそのものみたいな映画でしたね。
この時代だからこそもうちょっとグッと来る良い映画を期待したんですがそこは残念ながら叶わず、と。
でもまた同じような映画があったら観ると思います。懲りずに。
このシーンがイイ!
手話通訳の人が素晴らしくて一番笑いましたね。表情といい伝え方が最高。
ココが○
コメディの割に(確か)あまり下ネタに頼っていないところは良い点かも。主人公が彼女に対しては一途なので、ほんのりラブコメ寄りなのかもしれないですね。
ココが×
やっぱり雑なところでしょうか。
特にラストの展開は雑すぎて逆に笑っちゃいましたけどね。いくらなんでも、っていう。
MVA
お目当てのダニー・デヴィートも良かったしバーニー・マックはやっぱり良いしで悩ましいところですが、この映画はこの人だと思います。
ウィリアム・フィクナー(アレックス・ダルディオ役)
おネエ刑事。犬好き。
彼の存在が一番コメディでした。こういう役もお上手でさすがです。意外とハマっててびっくり。


