映画レビュー0097 『ローラーガールズ・ダイアリー』

本日2本目は、周りの方たちことごとく高評価のこちら。

ローラーガールズ・ダイアリー

Whip It
監督
脚本
ショーナ・クロス
原作
『Derby Girl』
ショーナ・クロス
音楽
ザ・セクション・カルテット
公開
2009年10月2日 アメリカ
上映時間
112分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(DVD・TV)

ローラーガールズ・ダイアリー

母親の言いなりでコンテストに出続けていた地味な少女が、ローラーゲームに出会い、魅了され…。

意外な満腹感が○。

7.0

正直なところ、ガールズムービー的なものは好きではないし、青春も恋愛も置いてきぼりでオッサンになった感のあるオッサン(くどい)としては、あんまり楽しめないんじゃないかと思ってました。実際、中盤のあまりにもまぶしい恋愛模様は素直に観るというよりは、少し複雑な、有り体に言えば(作り物とわかりつつも)やっかみ半分で観ちゃう自分がいて、そこがまたなんかむずがゆいようなもどかしいような。

鑑賞中に僕の頭から吹き出しを出すとすれば、セリフはスチールウールみたいなもじゃもじゃだな、的な。そんな感じで観てました。が、結果としてはナカナカだったな、と。

まずエレン・ペイジ

まだ「インセプション」でしか観たことがありませんでしたが、単純にカワイイ。しかも全編エレン・ペイジの映画だけに余計感じたんですが、この子、実は別に整ってもいないしキレイってタイプでもないんですよね。もっとカワイイ子はたくさんいます。

例えば、ちらっと出てきたアンバー(ドレスを貸してもらってた子)の方が見た目は全然上だと思う。でもそこが逆に、リアルな女の子っていう感じが出ていて、すごく映画にマッチしてます。同時にまたすごく表情が豊か(な役)なので、彼女を写すだけで映画がカラフルになるような、何とも言えない魅力がありますね。ボーっとしてる顔から笑顔に変化したときのかわいさスイッチの入りっぷりがいい。プールで泳ぐ前のシーンなんてその辺の良さがすごく出てました。

次に、登場人物のキャラクター。

エレン・ペイジ一人舞台なのかと思いきや、周りのキャラクターがとにかく多彩で観てて楽しい。主人公は若くても、チームメイトはいい歳のお姉さん方だったりするのがまたいい。それぞれ何か抱えてる感があるし、そこを語る部分は少なくても、見た目だけで曰く付きな感じが物語に奥行きを与えています。

そして、ストーリーの中身。

結局通しで観ればありきたりな筋ではあるんですが、軸にあるのがスポーツなので、やっぱり爽やかさとかチームの一体感とか、プラスの話を描きやすい題材になっていて、そこに家族と恋愛と友情と…という青春調味料を混ぜ込んで作りましたよ、と。どの要素も一つ一つ拾えばどこかで観たようなものばかりですが、全部混ぜればオリジナルの味になるな、と。

そんなわけで、サービス精神に溢れたキャラクターと味付けで意外と満腹になりましたとさ。

このシーンがイイ!

前出のプールでのシーンも好きですが、一つ挙げるなら「パシュとバードマンのキスシーン」。

あえてエレン・ペイジ外し…ってわけではないですが、あのシーンよかった! なんかわかるし、なんか期待しちゃったし。セリフもよかった。

ココが○

出演もしているドリュー・バリモアの初監督作品らしいですが、なかなかテンポも良いし、音楽の使い方も良いしで、こういったガールズムービー以外での手腕も観てみたくなりました。特に登場人物の面で、下手な監督だと雑多で冗長になりそうなところをうまくまとめてて。

ココが×

特に無し、かな? 全体的に粗のない映画だったと思います。

MVA

はてさて、毎回言ってるような気もしますが、今回も本当に迷いました。

表情豊かな主演のエレン・ペイジ。優しさが「ザ・ファーザー」的でよかったダニエル・スターン。バードマンもパシュも味わいがあってよかったし…。と悩みつつ、一人選びました。

ジミー・ファロン(“ホット・タブ”ジョニー・ロケット役)

リング(?)アナ。最後のボードにイチコロ。

こういうコメディ・リリーフ的な人に甘いことは重々承知していますが、やっぱりこういう役って大事なんですよね。こういう人がいると話への集中力が増す部分があるというか。観客が話に入り込めるような「流れ」を作る役ですね。

そう言う意味では、コーチのアンドリュー・ウィルソンも捨てがたい部分はあったんですが。でもやっぱり、彼の一流ではない、マイナーな実況アナ的な小物感がすごくよかったので、早速電話してあげようと思います。

番号知らないけど。

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