映画レビュー1540 『誰がキャプテン・アレックスを殺したか』
今回はアマプラ終了系に戻ります…が、異色の一本。
なんか稀に配信される変な映画って観たくなるよね…そしてなんプロ初のウガンダ映画です。
誰がキャプテン・アレックスを殺したか

終始チープ、そしてうるさい。
- マフィア陣営と特殊部隊陣営を交互に見せつつその戦いを追う、流れとしてはオーソドックスな映画
- ウガンダ初の本格アクション映画との触れ込み(事実は不明)
- 終始喋っているナレーション(VJ)がひたすらうるさくて笑える
- 映画は自由なんだと改めて教えてくれる一本
あらすじ
いやすごかったですねこれは。間違いなくこれまで観てきたどの映画とも違う、オリジナリティ溢れる一本でした。映画好きな人であればなおさら(良くも悪くも)衝撃を受けるのではないでしょうか。
舞台はウガンダのスラム街、ワカリガ。
当地では悪名高きマフィア「タイガー・マフィア」が跋扈していて、いい加減制圧するぞということで“ウガンダ(ワカリガだったかも)最強の男”ことアレックス大尉にその任が下ります。
彼は早速特殊部隊を編成し、なんだかんだあってマフィアの本拠地へ攻め入りますがボスは逃げおおせてしまい、ボスの弟だけ捕らえて帰還。
弟が捕まったことに激怒したタイガー・マフィアのボスはアレックス大尉を殺害せよと命令、スパイとして潜入していた(ハニートラップ的な)女性部下がまさにこれから良い時間に突入して暗殺するぞ…というタイミングで謎の銃声が響き、アレックス大尉は死亡。
一体誰がアレックス大尉を殺したのか…深まる謎…!
ひたすらうるさい
一応それっぽくあらすじを書きましたが、もう実際に観ているとこんな展開自体はどうでもいいしあってないようなものでした。おまけにアレックス大尉が殺されるのも割と後半です。まあタイトルで言ってるんでね、書いちゃいましたけども。
まずオープニングで合成丸出しの背景をバックにヘリに乗り込み、「ワカリウッドは世界一」みたいなタイトルロゴ的存在が流れるんですが、もうそのチープさですべてを悟ります。なるほどこういう出来か、Z級映画好き向けなのか、と。
ちなみに「ワカリウッド」は映画の舞台でもある(ウガンダの首都カンパラにある)スラム街・ワカリガからもじってワカリウッドらしいです。
そしてその後「なぜ画質が悪いのか」のご説明が入り、ウガンダ初の本格アクション映画はじまりはじまり〜と本編が始まります。
画質については実際悪いんですが、それ以上に気になる点が多すぎる映画なので正直「画質についてどうこう言ってる場合じゃねえだろ」と誰もが思うでしょう。
まー言ってみればウガンダの映画大好きな監督が作った自主制作映画的なものがうっかり(?)世界で配信されることになった感じで、実際監督も想定外だったようです。すごい時代になったもんですね。
あと細かな情報としては、ネット上では「誰がキャプテン・アレックスを殺したか」と「誰がキャプテン・アレックスを殺したか?」でタイトルが混在していますが(はてなマークの有無)、割とどうでもいいっちゃどうでもいいです。原題でははてなが入ってないっぽいのでとりあえず当ブログでは入れていません。
それともう一点、なんプロでは公開日を基準にしているのでこの映画は2015年の映画としていますが、実際の製作は2010年だそうです。
で、まず誰が観ても引っかかるのがオープニングロゴの時点で自己紹介し、その後ひたすらずっと喋り続ける「VJエミー」の存在です。VJはビデオジョッキーではなくビデオ“ジョーカー”の略らしいんですが。
あれ? 勝手に副音声オンになってる? と思うぐらいずっと喋ってます。っていうか彼がうるさくてセリフが聞き取れなくて草、みたいな。
おまけに勝手にアテレコしたりするんですよ。VJエミーが。ちょっと声色変えたりして。絶対そんなこと言ってないだろ、みたいなセリフを勝手に入れていきます。
んで勝手に音楽かけて「ここからはミュージカルタイムだぜ」みたいなことまで言ってやりたい放題。自由すぎる。
特殊部隊のメンバーが出てくると毎回「コマンドー」、タイガーマフィアのメンバーが出てくると「マフィア」と必ず説明してくれるのも非常に親切です。というか「コマンドー」「マフィア」「コマンドー」「マフィア!」とこの2語だけを繰り返す時間帯もありました。自己紹介も5回は聞いたんだけど。なんなんだよこの映画。
もう本当に彼がずっと喋ってる映画なので、「『誰がキャプテン・アレックスを殺したか』という映画を観ている」というよりも「『誰がキャプテン・アレックスを殺したか』を観ながら喋ってるVJエミーのトークを聞く映画」です。
ただ一応補足しておくと、(ウガンダなのかアフリカなのか詳細は不明ですが)向こうの映画ではこの「VJが勝手に喋る」スタイルは一般的らしいので、特段この映画が変わっているというわけでもないようです。
吹き替えする人員もいない、とかそういう理由からこのスタイルが一般化したのではないかなと思いますが実際のところはわかりません。
本編の内容については正直あまり覚えていないというか…とにかくVJエミーがうるせー映画だなとゲラゲラ笑っていた記憶しかありません。
正直すべてのシーンでツッコミが必要なレベルの映画なので、当然その他の映画とは楽しみ方が異なります。でもそれで良いんだと思います。
カメラにずっとゴミがついたまま撮影してたりするのもたまりません。ホームメイド感が凄まじい。
でも演者さんたちの動きそのものについてはさすがに身体能力の高さが伺えて、アフリカのポテンシャルを感じるとかいう噂です。
ちなみに余談ですが制作費は85ドルだそうです。85ドル。1ドル150円換算で12750円です。そう考えるとむしろすごい。役者もスタッフも全員ボランティアだそうですが、それでも1万円ちょっとで映画なんて作れないと思います。
その裏には間違いなく情熱があるわけで、その情熱が伺えるからこそゲラゲラちょっとバカにして笑いつつも捨て置けない感じがあるというか、「愛され映画」になっているのかなと。
爆笑寝
一応一番眠くなりにくい起床直後の午前中に観たんですが、ゲラゲラ笑いつつものすごく眠くなったのも結構謎。
脳が生命の危機を感じて受け入れ拒否しようとしたんでしょうか。真相は闇の中です。
初めて観るタイプの映画だったので、クソほどこすられたしょうもない展開のハリウッド映画を観るよりも数百倍価値のある時間ではありましたがでも眠くなってんじゃん、みたいな。人間、よくわからない。
ちなみに同じ監督の映画があと2本、同時に配信終了を迎えるということで…。
観るべきか…いやでももういいんじゃないかって気もするし…悩む…。
このシーンがイイ!
何度か登場するヘリが出てくる場面、どの場面もずっと面白かった。
ココが○
珍しい国の映画が新鮮に観られるのはいつものことですが、それにしても新鮮すぎて衝撃。
メタにも程があるというか…。これは一度観てほしいレベルですね。
ココが×
まあストーリーの良し悪しを語るようなものでもないし、なんならもう最後どう終わったかもまったく記憶にないレベルです。観ているその瞬間が面白ければいい、みたいな。
MVA
本編に出てない人を選ぶのもなんだよな、と思うんですがその他の人の印象がまったくないため、結局この人です。
V.J.エミー(本人)
ひたすらうるさい進行役。
もはや彼のプロモーションビデオでしかない気もします。
まあ面白かったからいいか…。


