映画レビュー1099 『ゴージャスな30日間』

今回もネトフリ終了間際シリーズですが、非常に問題作というか…。

このときはエジプト映画が大量に終わるタイミングで、しかしエジプト映画はほぼ情報が流通していない上にちょろっと見かける評価は軒並み低評価という体たらく。ちなみに当ブログ初の「いくら探しても予告編映像がどこにもない」作品です。脚本家の名前すらわかりませんでした。

それでもせっかくだし…と怖いもの見たさで、その中でも「概要は悪くなさそうだけどひどく評価が低い」こちらの映画をチョイスしました。はてさて…。

ゴージャスな30日間

30 Days of Luxury
監督

ハニ・ハムディ

出演

タヘル・ファローズ
サード・アル=サギール
アフマド・ファロクス
ソレイマン・イード
マフムード・エル=レイチ

公開

2016年7月5日 エジプト

上映時間

91分

製作国

エジプト

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

ゴージャスな30日間

まさかの調理前エンド! 衝撃のひねりのなさ。

3.0
5人の受刑者がある女性を助けるため脱獄するが…
  • 刑務所内で依頼され、脱獄してとある女性を助けに行く5人
  • 全員女性に惚れてしまい、“仕事”そっちのけで彼女を奪い合う
  • 歌とダンスのシーンも混ざりつつややインド映画っぽい
  • しかし最後があっけなさすぎて草

あらすじ

なにせ世の中(ネット)に情報がまったくなく、また配信終了もしてしまっているので確認することも出来ず、さらに案の定ひどかったせいで自分自身の記憶も曖昧すぎて劇中の情報もほとんど覚えておらず、果たしてこれでレビューを書いていいのか問題も勃発しているわけですが、この映画を(適当でも)レビューするのはもしかしたらここだけの可能性があるので書きます。というか現時点では僕が探す限り日本語でのレビューは1つも見当たりません。フィルマークスの一言レビューすらありません。

オープニングはとある刑務所から。所内で囚人のリーダー的存在の男が別の囚人5人を集め、一つの指令を出します。

「ドコドコにある店を経営している女がいるんだが、近くの男に妨害されて店を閉めてしまった。その男から彼女を守り、店を再開させて欲しい。そのためにお前たちを脱獄させる」

このお店はショーパブみたいなイメージと言えばいいでしょうか。ショーパブもよくわからないんですけど。で、その妨害をしている男はいわゆるマフィアなのかマフィア崩れなのかその辺忘れましたがそんな感じ。

その男の妨害をやめさせて彼女を救って欲しいという男、曰く「目を合わせると絶対に惚れるから絶対に顔を見るな」との条件をつけて5人を送り出しますが、同時に「自分が刑期を終えて退所したら彼女は殺す」と謎の話もしてきます。

これは「惚れるなよ、惚れるなよ」と言わせつつ惚れさせて、さらに殺しに来る自分からも守ってやれというフラグなのか…!? 真相はいかに…!

言うほどひどくはない…か?

一応脱獄した5人は当然ながらそれぞれキャラクターが分かれていて、「完全にエジプトのウドちゃんじゃん」と思わせるキャラもいたりしますが、基本的にはそのリーダー格となる一番野蛮なマッチョガイが主人公として進んでいきます。薄々お察しのことと思いますが役名は忘れました。完全に。

脱獄した5人は(マッチョガイは自制しつつ)フリの通りに全員対象の女性に惚れてしまい、それぞれ自分の良さをアピールして“選ばれる”のを狙うコメディドラマパートが主体。任務となる「店を狙う男の襲撃」に対応するアクションシーンもあり、序盤を観ているときには「そこまで言うほどひどくないんじゃない?」という感じでした。

ちなみにこのレビューを書いている21年ゴールデンウィーク現在、フィルマークスの登録数はレビューが0、観た人の数が8。たったの8です。僕を入れたとしても9です。評価点は5点満点中1.8。

さらにもっと広く作品が扱われているであろうIMDb(インターネット・ムービー・データベース)ですら評価数はたったの24、評価点は10点満点で2.6点。いかにこの映画がマイナーか、その上評価が低いかがおわかりいただけると思います。

ちなみにあの「えびボクサー」でさえIMDbの評価数は96あります。いや比較になるのかわかりませんけども。

この映画以上に評価数が少なく、かつ評価も低い映画を探すゲームでもやったら番組にできるかもしれない。

なにせ事前に知っていたこの低評価っぷりから、僕はもう観るのもしんどい、小学生が作ったような映画を観せられるんじゃないかと期待半分不安半分で観始めたんですが、たった5年前の映画だけあってこと映像に関しては特に悪くもなく綺麗だし、内容の面白さは別としてそれなりにセリフもちゃんと掛け合いがあるしでここまで低評価にするほどのものかな? と思えるぐらいには意外とちゃんとしてました。

まあ実際問題として「こいつさっきから何言ってんの?」みたいなものは当然あるし、「繰り返しアピールしてるけどそれ面白くないね!?」みたいなネタもあるしで、まあ内容としてはやっぱりひどいですよ。ひどいですが、ギリギリ許容レベルと言うか…「これぐらいの映画はあってもおかしくない」と想像の範疇に収まっている印象があり、事前に知った低評価ほどこき下ろすのも酷な気はしていたんですよ。正直。良い人ですからね。僕は。

ですが、やっぱり映画はオチが大事だなと痛感しましたね。ラストシーンを観て「へ? ここで終わり!?」のがっかり感たるや。いや期待もしていませんでしたが、それにしたってこれはないだろというオチに脱力しすぎて全身が溶け、液状化したまま階段を降りていった男の姿を見た、という目撃者の証言もあります。

なぜネトフリは買ったのか

いくら現時点で観る手段がなさそうな映画とは言え、当ブログの原則に則ってネタバレは回避するためオチの詳細については書きませんが、例えるなら「ひどい評判を聞きつけて冷やかし半分に食べに来たお店だけど言うほど料理も下手そうじゃないなと思ってたら味付けしてない肉の塊をちょっと焼いて出された」みたいな感じでしょうか。もしくは「弱小チームのドラマを散々描いたあとに試合本番になったら実力通り見せ場なくあっさり敗退」みたいな。

そこで終わるんだ、そこから一捻りしないんだと言う終わり方はある意味衝撃的でもあり、むしろ新し目の映画だからこそ「ようこれで世に出したな」という勇気を讃えたくなるぐらいにひどい。

僕はてっきり(偏見かもしれませんが)映画の作りが拙かったり、演技がひどく大根だったりするからここまで評価が低いんだろうと思っていたんですが、もう純粋に「今の時代にこの内容で映画にできるんだ」という斜め上の方向で衝撃を受けるとは思ってもいませんでしたよ。いやホントにびっくり。

何故この映画をネトフリが配信しようとしたのか、その辺りの裏話が気になってしょうがない。当然お金は払ってるはずで、買い付けた理由を知りたい。経営者の親族でも出てるのか。

そんなわけで、観ようと思っても観られないとは思いますが、観られるとしても「やっぱり観なくていいよ」とお伝えしてこの項を終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

ネタバレな30日間

一応観る機会がない・観るつもりがない方、そして何より数年後に「どんな話だったんだっけ?」と思い出せなくなるであろう自分のために終盤のひどさを書き残しておこうと思います。

おっさんの妨害もイマイチ中途半端で割とあっさり片が付き、結局物語の中心が「ヒロインが誰を選ぶのか」に徐々にシフトしていったものの全員逮捕→出てきた黒幕の男がヒロインとお店を頂いておしまい、というパターン。

文章だとそこまでひどくも感じない気もするので、これは見せ方の問題も大きいかもしれないですね。あっさり全員逮捕→黒幕ニッコリで監獄ロックパクリエンド、っていうサクサク感が。もったいぶったりとかもまったくないし。

いろいろひどいポイントはあったと思うんですが、やっぱり観客としては5人の男を一応は主人公と見なして追っているわけで、結局エンディングまで観てきた1時間超が全部まるまるどうでもいい“無駄なやり取り”だったことにがっかりしたのかもしれません。

結局ヒロインも最終的に黒幕(元カレ?)が戻ってきて丸く収まることはわかっていたはずで、一応は5人組を引き止めるための演技だと説明はつくものの、そのどうでもいい「あの人にしようかしら」「いや俺のほうが良いだろう」という出来レースの茶番を延々と見せられ続けていたことに対する失望が低評価の源泉なのかな、とか。

黒幕が最初に言っていた「最終的に女は殺す」の意図するところも謎。惚れさせる→情を持たせる→守ろうとすることで残らせる(逮捕までの時間稼ぎ)なのかな、とも思うんですが、でもその時間が必要な描写もまるでなく、逮捕後にあっさり戻ってきていたところを見るとわざわざそんな嘘をついてまで(5人組に対して)ヒロインの危機感を煽る必要もなかったはずで、真の意図が図りかねます。

とは言えなんとなくですが、「(予算やらスケジュールやらで)力尽きて(めんどくさくなって)適当に終わらせた」感じでもなかったんですよね。最初から狙ってこういう話にしている感じがあったので、となるともうそのセンスの無さに絶句するしかないというか…。

せめて逮捕されて男が戻ってきて丸く収まりました、の後に「やられたねー!」みたいな、“チャンチャン”的なシーンでもあればまたちょっとは違ったのかもしれませんが、すんなり受け入れて監獄ロックパクリ、ってもう困惑も困惑ですよこっちは。

結局は観なくてよかったな、という結論ですけどね…。これはこれで貴重な体験だったのかもしれない。

このシーンがイイ!

良いも悪いも無いっていうね…。盛り上がりどころが一切なかったよ…。

ココが○

まあ強いて言えば…上に書いたように、映像的にはそんなに悪くはないかなと思います。もちろん良くもないんですが、それでも一応は商業映画だなと思えるぐらいの一定のレベルはあったと思います。あまりにも事前評価が低すぎて、それすら心配だった反動もあるんでしょうが…。

ココが×

いちいち言ったらキリがないんですけどね。5人のご紹介過去話が微妙に長いとか、コメディだけど一切笑えないとか。まあでもそれは文化の違いもあるはずだし、そこを突っ込むのは酷な気もします。

実は一番笑えたのはアクションシーンで、ここまで下手くそな「殴ったフリ」は見たことねーな、というレベルで空振り感がすごかったです。寸止めにもなっていないという。

ちなみに日本の(多分)ややエロ映画「すんドめ」はIMDb評価数72でした。すんドめ以下ってすごくない!?

あと歌のシーンがやたら長い。歌詞も同じ歌詞がひたすら繰り返されるしそこでまたちょっと笑いましたけど。これ観るとインド映画の歌は見せ方がうまいんだなーと思わされますね。似て非なるものでした。

MVA

もはや名前がわかる人すらほぼいないというかつてないハードモードなんですが、調べて一応判明しましたこちらの方に。

アフマド・ファロクス(アダウィ役)

役名は「多分」です。脱獄5人衆のリーダー格、マッチョタンクトップ。

まあ主役なので、観たところ特段演技がまずい感じもなかったし、無難なチョイスというか。ただアクションシーンの空振りっぷりとスピード感の無さは凄まじかったですが。前転と言うよりでんぐり返し。

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