映画レビュー1360 『ブラザー・オブ・ザ・イヤー』

JAIHO常時配信の1本。おなじみタイ映画です。

最近サニー・スワンメーターノンばっか観てる気がする…。(って言うほど観てないんだけど)

ブラザー・オブ・ザ・イヤー

Brother of The Year
監督

ウィッタヤー・トーンユーヨン

脚本

ウィッタヤー・トーンユーヨン
アディソーン・テゥリーシリカセッム
ノントラ・クームボン
トッサポン・リアントーン
シリパック・パソッムサップ

出演

サニー・スワンメーターノン
ウッラサヤー・セパーバン
ニチクン・ホルベチクル
Anchuleeon Buagaew
カンティチャ・チュマ
Wittaya Jetapai
マナサポン・チャーンチャルーム

音楽
公開

2018年5月10日 タイ

上映時間

124分

製作国

タイ

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

ブラザー・オブ・ザ・イヤー

さすがにダメ兄貴すぎない?

7.5
超優秀な妹はとかく恋愛にうるさいダメ兄貴に内緒で上司と付き合うが…
  • 中身が正反対ながら同居する兄妹
  • 妹は兄のクライアント企業に就職し、やがて上司と付き合い始めるが…
  • 妹の彼氏を常に認めてこなかった兄は今回もまたトラブルを起こす
  • サニー・スワンメーターノンのダメ男っぷりが見どころ(かも)

あらすじ

面白かったんですが「いくらなんでもダメ兄貴すぎ」とちょっと引いちゃうぐらいにダメ兄貴だったので、そこが許容できるか否かで評価は変わりそう。

昔から事あるごとに比較されてきた兄シャット(サニー・スワンメーターノン)と妹ジェーン(ウッラサヤー・セパーバン)。しかしとうの昔に格付けは済んでおり、誰が見ても優秀な妹ジェーンに対しダメ人間っぷりが目に余る兄シャットという構図。

昔からそうなので妹からは「ヘタレ」と呼ばれ、それが浸透してあだ名にもなっているというちょっとかわいそうだけどそれもしょうがないよねというダメ兄貴。ですが妹の恋愛には人一倍うるさく、父親代わりとして常に目を光らせています。っていうか邪魔します。

シャットはダメ人間なんですが一応広告代理店のディレクター的な仕事についており(ちょっと「フリーランス」を思い出させる)、あろうことかジェーンはなんと彼の担当企業に就職。ちなみに本社は日本らしい。

おまけにいつもシャットが気に入られようと心を砕いていた取引先の担当者・モジ(ニチクン・ホルベチクル)とお付き合いまで始めてしまいます。

妹の恋愛に仕事が絡んで面倒な事態になりそう…と思いきや完全に妹の邪魔に精を出すシャット。

しかし妹もモジも本気なので対立は激化するばかり…どうなるこの三角関係!

ダメ兄貴がダメすぎて

(自分の絵ではなく)ぜひ検索してジャケットを見てほしいんですが、真ん中のサニー・スワンメーターノンが超良いクソ笑顔してるんですよね。もうジャケットだけで笑っちゃう。

ということで恋愛邪魔クソ兄貴と優秀な妹による兄妹愛映画。ラブコメのようでラブコメでない、ちょっと変わった面白い映画だと思います。実はあんまりこういう映画観ないような気がする。

当然ながら兄妹なので「最終的にこの二人がくっつきます」ということもなく、ジャンルで言えばコメディドラマなんでしょうが雰囲気的にはかなりラブコメっぽさもあるしでそこもまた面白いところ。

ただまあ面白いんですがとにかくシャットが問題ありすぎて、「さすがにやりすぎじゃない???」と引いちゃうぐらいダメ兄貴なんですよね。そのせいで「面白いんだけどもう少しいい人でいてほしい」みたいな微妙感が出てしまいました。

もちろんヤク中だったり犯罪者だったりするわけではないので、そういう意味ではかわいいもの…ではあるんですが、それでもやっぱり妹としてはなかなかこれは困る問題だと思います。

ジェーンもジェーンで「ヘタレ」と呼んで遠慮をしないので、兄の尊厳が…みたいなものもわからないでもないですが、しかしそれにしても年長者としてもうちょっと歩み寄ってもいいのでは…みたいな思いがずっと付きまとう面はありました。

ただダメ人間的にはリアルでもあるし、これがハリウッド映画だと妙にいい人ぶってクソつまらなくしそうな気もするだけにこれはこれで良い気もする。それにしたってそこはもうちょっと…と思うところは何度もあったけど。

一応最後まで観ればそれなりに納得ではあるんですが、いかんせんやっぱり途中途中の“クソ兄貴”っぷりが強すぎてちょっと同情しがたくなってくるので、もう少しだけかわいげのあるクソっぷりも見せてほしかったですね。

かわいげのあるところもあるにはあるんですが、段々意固地となってきているのか笑えない方に向かっていってしまうので、それで余計に観客からヘイトを買ってしまう面はあると思います。この辺はお国柄の違いとかもあるのかなぁ…。

ただその分リアルさもあるっちゃあるんですよね。ってさっきと同じこと書いてる気もしますが。本当にダメな人ってここまで行くと思うし。

その辺綺麗事で済まさないところが良さでもあるのかもしれません。コメディなんだけど結構真剣に「いくらなんでもこの兄はダメだろ」と思わされるリアルさ。そこが良いと言えば良い。

ところどころ日本語が気になる

ジェーンの就職先が日本に本社がある会社というのもそうなんですが、妙に日本推ししてくるのでそこもなんだか面白いようなむず痒いような不思議な味わいがありました。

ジェーンの彼氏となるモジは韓国のアイドルらしいんですが、ご本人はタイ人とアメリカ人のハーフで役の上では日本人とタイ人のハーフ…というややこしさ。

一応ネイティブの日本語話者として出てくるんですがやっぱりイントネーションが怪しくて、そこで余計な引っ掛かりを感じてしまうのが少々惜しい。彼が悪いのではなく、彼に日本語ネイティブの役をやらせる必要があったのか…という点が気になるところ。(まあ気になるのは日本人だけだとは思いますが)

ちなみに彼の上司らしいツルッパゲはモロ日本人っぽく、なんでまたこんなクセの強い人を…と本筋とは関係ないところで笑っちゃうんですがその辺は気にしないようにしましょう。割とどうでもいい脇役が目についちゃうという。社長も相当強烈でした。

結局兄貴のダメさ加減をどこまで許容できるかなのかなと思います。おそらくサニー・スワンメーターノンのファンなら「そんなダメなサニーも最高よ」でめちゃくちゃ楽しめちゃいそうな気もするけど。

まあでも面白かったですよ。くどい感じもなかったし、割と観やすいコメディではないでしょうか。

このシーンがイイ!

「おばさんになったおじさん」が歌でお祝いしてくれるシーンが最高でしたね。おじさん(おばさん)好きすぎる。

ココが○

ダメ兄貴すぎはしますがリアルな人物像はなかなか。妹に散々世話になってるのにお礼一つ言えないこういう男、いそうではある。

ココが×

上記の通り、ダメすぎてそこが許容できるか否かの問題。特に終盤の展開はちょっとやりすぎでは…と。

MVA

メインの演者さんたちは皆さん良かったんですが、僕はもう完全にこの人にやられました。

Wittaya Jetapai(兄妹の伯母役)

伯母になった伯父。うーんタイっぽい!

ちょい役ですがビジュアルもそれっぽくて最高だったし、人の良さもすごく溢れていてめちゃくちゃ好きでしたね。伯母(伯父)さんを泣かせるんじゃねぇ! みたいな。

他の映画でもこういう役なのか!? と気になってちょっと調べたんですがご本人っぽいインスタのフォロワー数が329人しかいませんでした。一般人かよ!

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