映画レビュー0358 『シカゴ』

久々にやっちゃいましたね。一回書いたレビュー、上書き。

クソめんどくさいですが、思い出しながらまた書きます。

シカゴ

Chicago
監督
ロブ・マーシャル
脚本
原作
ボブ・フォッシー
フレッド・エッブ
原作戯曲
モーリン・ダラス・ワトキンス
音楽
ジョン・カンダー
公開
2002年12月27日 アメリカ
上映時間
113分
製作国
アメリカ

シカゴ

シカゴのナイトクラブのショーを羨望の眼差しで見つめるロキシーは、「コネがある」という男・フレッドと不倫関係になるが、そのコネが嘘であることを知り、怒りのあまり彼を殺してしまう。逮捕されたロキシーは、“女性の弁護で負けたことがない”という敏腕弁護士・ビリーに弁護を依頼、「悲劇のヒロイン」としてマスコミに取り上げられ、人気者になっていく。

物語とミュージカルのシンクロが絶妙。観やすくてカッコイイミュージカル。

8.0

バーレスク」が良かったならこっちもいいはず、と聞いて借りて観たわけですが、この映画も「バーレスク」同様、何度かミュージカル部分が挟まるミュージカル映画で、「レ・ミゼラブル」のような全編歌モノのミュージカルではありません。そういう意味ではミュージカル映画としてもハードルの低い部類に入ると思いますが、今まで観たミュージカル映画の中ではもっともストーリーとミュージカルの絡みが強いというか、突然歌い出して「私はこう思ってるのよ~♪」みたいな感じではなく、きちんとストーリーを補完する、言わば「説明台詞を歌にしてみました」みたいな内容のミュージカルパートが多く、よりしっかり観られたような気がします。

ミュージカル自体を楽しみたい人にはどうかわかりませんが、そんなにミュージカルに強い思い入れが無い僕のような人間としては、こういうストーリーとの距離が近いミュージカルの方が楽しめるし、集中できるのではないかと思いますね。

ストーリーは、不倫相手を殺したロキシー・ハートと、彼女が羨望の眼差しで見つめていたステージに出演していたものの、その直前に妹と夫を殺した罪で同じく逮捕されたヴェルマ、そしてその二人の弁護を担当するビリーの三人を軸に展開。

二人の人殺しがヒロインっていうのもなかなか珍しいですが、特に主役であるロキシーは最初こそ「利用された女」でかわいそうに見えたものの、段々とストーリーが進むにつれて“ビッチ臭”がプンプンと漂い出し、とても擁護する気になれない女性像なわけですが、そこがまたむしろ新鮮で面白く、逆に途中からは「最後までビッチでいてくれ!」と謎の希望を抱くほどのビッチっぷり。

その「悪い女なんだけど悲劇のヒロインを演じている」キャラクターがまさにミュージカルにもぴったりな印象で、ストーリー自体もミュージカルに向いてるのがまたイイ。

さらに、例えば歌の終わりに着地した場所が裁判所の椅子だった、みたいな感じでミュージカルシーンの終わりとストーリーの導入が綺麗にシンクロしていて、エンタメ的ミュージカル映画としてはかなりレベルが高いのではないでしょうか。

僕の理解では、「レ・ミゼラブル」は本格的なミュージカルに映画の利点(特に視覚的な面)をプラスした作品で、あれは本当に“ミュージカル”だと思うんですよね。映画の力をうまくミュージカルに利用しているというか。

この映画はその逆パターンというか、ミュージカルの良さを利用して映画の娯楽性を高めているような作品という感じで、軸は“映画”なんだと思います。

何度も書いていますが、僕はミュージカルはあまり好きではない「映画好き」なので、作品としてはこちらの方が楽しめました。ミュージカルとしてのレベルは間違いなく「レ・ミゼラブル」が上ですが、娯楽として楽しめるのはこっちだと思う。

そんな面からも、ミュージカル初心者にも向いてると思うし、「ちょっとミュージカルは…」っていう人にも観てみて欲しい作品ですね。

このシーンがイイ!

やっぱりミュージカル映画なだけに、ミュージカル部分はどれも良かったんですが、一番良かったのはロキシーが腹話術の人形になってビリーとミュージカルを展開するシーン。本当に人形っぽいレネー・ゼルウィガーがかわいいのなんの。しかも小生意気そうで。

あと序盤の、女囚人たちが「自分が罪を犯した理由」を次々に披露するシーンも圧巻。どいつもこいつも殺人を犯しているのに、男としてはなぜか責められてるようで申し訳なくなる不思議。面白いシーンでした。

ココが○

上に書いた部分以外で言えば、2000年に入ってからの映画ではあるものの、舞台が1920年代ということでもっと昔の映画に見えるほどうまく古い雰囲気を作り出していて、その「古き良き時代」的な空気感がまた良かったですね。ストーリーもそういう感じだし。

ココが×

ミュージカル完全拒絶な人はムリでしょうが、そうでないなら特に悪い点はないような。完成度高いです。

ただ一点、上に書いたように主役がどうにもビッチで嫌な女なので、そこで好き嫌いが分かれるかもしれません。

でも変な話、嫌なやつはロキシーに限らずヴェルマもそうだし、弁護士のビリーも癖があるので、「クセのある登場人物しかいない」と思えばこれはこれでアリなんじゃないの、と思いましたが。

MVA

キャサリン・ゼタ=ジョーンズはすごく良かったんですが、その上を行くこの人には勝てなかったかな、と。

レネー・ゼルウィガー(ロキシー・ハート役)

すーごいキュート、でもすーごいビッチ。

この役はこの人のためにある、そう思わせるぐらいドンピシャでしたね。ただかわいいだけだと違和感がありそうな役なんですが、この人はしっかり「かわいいけど絶対性格悪いだろ」って感じが見事に出ていて、久しぶりに「この人以外この役できない」と思えるキャスティングでした。演技力もステージもお見事の一言。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA