映画レビュー0357 『ペントハウス』
興味のある方は皆無でしょうが一応ご報告しますと、先日の強烈な発熱に始まった風邪は結果肺炎という診断結果が出てしまいまして、それでも毎日絶賛仕事中、と。土曜出社までしちゃって。フザケンナよ、と。殺す気か、と。
今日も止まらない咳と頭痛に悩まされつつ、でもなんか観たくてしょうがなかったので映画観ました。
なお、僕は黙ってこのブログを更新しなくなるつもりは毛頭ないので、万が一、この後辞めますのお断りもなく更新がしばらく滞るようなら、死んだものと思ってください。その時はぜひ、追悼コメントとして「おっぱい( ゚∀゚)o彡°」の一言でもお願いします。
ペントハウス
「オーシャンズ」が戻ってきた!?
非常にどうでもいいんですがネタ的に一応ゲロっておきますと、先日のアカデミー賞、ご存知の方も多いでしょう「アルゴ」が作品賞を受賞しました。ベン・スティラーおめでとう、じゃあ受賞記念に同じベン・スティラー監督作のこの作品でも観ようか…と借りたわけですが、
- 「アルゴ」はベン・アフレック監督でベン・スティラー関係なし
- おまけにこの映画はベン・スティラーは出てるけど監督はしていない
- ついでにこの映画の主要キャストであるケイシー・アフレックはベン・アフレックの弟
というつながっているのかつながっていないのかよくわからない、でも結果まったく「アルゴ」とは関係のないこの映画を観てしまいました、という「お前の映画知識ってそんなもんなんだな」というお話です。
さて、どうでもいい話は終わってこの映画のお話。
「ザ・タワー」と言う超高級マンションのマネージャーだった男が、義憤に駆られた行動により解雇され、それでもなんとかギャフンと言わせたい、と盗みを働くというお話。
今ちょっと調べたら、すでに脚本段階でかなり言われていたようですがかなり「オーシャンズ11」っぽい雰囲気。仲間を集めて盗みを働く、殺し殺されはナシ、ちょっとシャレオツな雰囲気、やや笑いの混ざる脚本、おまけにケイシー・アフレック…と、序盤からかなり「おお、オーシャンズっぽい」と興奮状態。ケイシー・アフレックなんてほんとあれ以来ですからね。観たの。この雰囲気で彼が登場しちゃったらもう「おい、スコット・カーンはどこだ」なんて弟を探しちゃうことウケアイです。
時間も2時間行かないやや短めの映画ですが、序盤の「ジョシュのマネージャー時代」のシーンもほどほどに終わり、テンポもよく展開するので飽きません。
ちょーっと終盤「どうなる!?」的なところから間延びした感はありましたが、それでもやっぱりこの手のクライムエンターテイメント的な映画は面白い、と再確認。
全員がプロだった「オーシャンズ」ほど華麗でクールに決める感じではありませんが、その分逆に素人っぽさ、パンピーっぽさが出ていてこれはこれでまた面白いな、と。
主人公・ジョシュの価値観もきっちり芯が通っていてラストもきっちり納得の終わり方だし、これはもしや続編あるかも!?(どう作るかは知らないけど)と思わせる、なかなか上々のデキでございました。
それと、きっとあんまり思い入れの大きな人も少ないとは思うんですが、個人的にはティア・レオーニの中年キャリアウーマン的捜査官も嬉しかったなぁ。「ディープ・インパクト」で号泣した記憶のある人間として、ティア・レオーニはなんか気になるんですよね。特段ルックスが好きなわけでもないんだけど、なんか気になる。久々になかなか良いポジションのお仕事をしていたので、一安心&ちょっと嬉しかったですね。
そのティア・レオーニ扮するFBI捜査官・クレアとジョシュの距離感も、最初から最後まですごく良かった。付きすぎず、離れすぎず。このさじ加減間違えちゃうとクソ映画になっちゃうので、この辺もまた○。
なにせテーマが犯罪なので教育上どうなのか的な面はありますが、でも割と実は万人受けする、いろんな人に進められる映画な気がします。単純に一言、面白かった。
このシーンがイイ!
テーマの割に「おおっ!」っていうスカッとするようなシーンが無かったのが逆に印象的な感じですが。
まあ、一つ挙げるなら…もうベタすぎて嫌になりますが、ケイシー・アフレックの見せ場、あのシーンでしょうね。結構意外だった。
ココが○
一つ書いておかないといけないのは、やっぱりクリストフ・ベックの劇伴ですよね。デヴィッド・ホームズの手がける「オーシャンズ」とは違ったアプローチで、でもちょっとモダンでクールな劇伴がすごくカッコイイ。
メインテーマのワクワク感からも(良い意味で)「オーシャンズっぽい!」と。オーシャンズ好きとしてはたまりませんでした。
ココが×
特に無い、かな? まあ多分にご都合主義的ではありますが、こういう映画はそうでないと成り立たないというのもあるし、面白かったのでそれでよし、と。
MVA
さて悩ましいところ。
「オーシャンズ」と最も違っていた点は、主要キャストが“本線”ではない感じ、でしょうか。(ケイシー・アフレックはかぶってるけど)
仲間に明らかに地味なヤツがいたりするんですが、そこがまた味になっていてよかったようにも思います。まあ、そんなことは差し置いて悩みつつ、この人かなぁ。
ベン・スティラー(ジョシュ・コヴァクス役)
結局主役かい、と。
なんというか、映画の雰囲気上どうしてもジョージ・クルーニーと比べながら観ちゃった部分があるんですが、彼ほど上品でもなければクールでもない、その分内に秘めたる熱いものが見え隠れするような感じ、悪くないぜと。
印象としては「ベン・スティラー結構くたびれたなー」と思ったんですが、そのくたびれ具合がまた良かったというか。全体的に抑えつつも、心の見える演技は良かったですねぇ。