映画レビュー0441 『ココ・アヴァン・シャネル』

いやほんと、鑑賞回数が増えれば増えるほど書くことがなくなるという。まあ少なくてもないか…。

ほんと我ながらこれほどまで休みに外に出ない人間も珍しいなと思います。だからこそ映画が捗るわけですが、最近は集中力もあまり保てず…。

ココ・アヴァン・シャネル

Coco avant Chanel
監督
アンヌ・フォンテーヌ
脚本
アンヌ・フォンテーヌ
カミーユ・フォンテーヌ
原作
『ココ・アヴァン・シャネル』
エドモンド・シャルル=ルー
出演
アレッサンドロ・ニヴォラ
マリー・ジラン
エマニュエル・ドゥヴォス
音楽
公開
2009年4月22日 フランス
上映時間
110分
製作国
フランス

ココ・アヴァン・シャネル

ファッションデザイナー・ココ・シャネルの半生を描いた伝記映画。

淡々と味わい深い、なかなかの名作。

7.0

ご存知、あのハイブランド「シャネル」創設者である、ココ・シャネルの生い立ちから成功までを描いた伝記映画。

原作は小説らしく、どこまでココ・シャネルその人の人生に忠実な内容なのかはわかりませんが、いわゆる伝記モノでありつつも大人向けの静かな恋愛映画のような色合いもあり、むしろそこが全体に深みを与えていたような印象。

個人的にはシャネルは(もちろん)まったく縁もなく、どんな方向性のブランドなのかもサッパリわかっていない、その分あまり先入観も無いまま観たわけですが、それがむしろ良かったような気もします。

「ココ」はいわゆるあだ名というやつで、「ココ・シャネル」というのは要は「ベーブ・ルース」みたいなもんです。その「ココ」の由来の一つでもある歌をキャバレーで歌っていた若かりし頃のシャネルから物語はスタート。

歌手を目指してキャバレーで歌い、知り合った貴族の男の元に転がり込み、居候状態が気に入らない彼女は「働きたい」とかつてやっていた裁縫の技術を活かして帽子を作り、やがて恋愛の果てに店を出し…ってな半生を静かに描きます。

時代を感じる舞台に、静かな描写の映画となると眠くなることウケアイな感じですが、不思議とこの映画はじっくり観てしまう魅力がありました。

なんだろなー。オドレイ・トトゥの中性的な魅力のせいでしょうか。フランス映画っていうのもあったのかもしれません。なーんかやっぱりアメリカ映画とは違うんですよね。“間”がより日本向きなのかも。言葉では説明できないような心地良いテンポがあった気がします。観やすい。

それと後の布石となるであろう、ちょっとした生地へのこだわりだったり、器用に布をカットしていくシーンであったり、ちょこちょこと「シャネル」につながる描写が挟まれるのも、物語のテーマとして当たり前でありつつも興味を惹く、いい作りだった気がします。

当時は社交界が華やかな時代だったためか、女性はドレッシーな格好で腰を締め付けるようなファッションが主流。それに疑問を感じていたココ・シャネルは、極力シンプルなスタイルを好み、それが徐々に周りの人に評価されていき、やがて「(貴族の居候をやめたいという思いから)自立したい」思いとつながって、今や世界的なハイブランドの地位を作り上げるスタートとなった、と。

もうこれ、女性が観たらすごく面白いんじゃないかなぁ。シャネルに疎く、興味もなかった自分でさえ、この創始者の姿を観たら、「シャネルいいな」と思えるような。見事に宣伝されていますが、まあ買うお金もないし送る相手もいないので心配もいらないぞ、と。

ただもちろん、「シャネルいいでっしゃろ~」的に宣伝っぽい映画ということはまったくなく、一人の女性の生き様として非常にかっこいい姿を見せられたので、そのスタイルに共感して興味を持つ、そんな感じの内容でした。

何度か書いていますが僕はタバコが非常に嫌いで、特に女性には吸って欲しくないと思っている人間ですが、ココ・シャネルは愛煙家だったらしく、生地をカットしている最中もくわえタバコだったりするんですね。ただこれがもうどうにもかっこいいんですよ。ここまでタバコが様になる女性、初めて見たかもしれないというぐらい。

手に持つ姿も、くわえタバコで仕事をする姿も、どっちもビシッと決まっていて「スタイル」「信念」というようなものがその姿勢からかいま見える気がして、なるほど世界的大ブランドを作り上げる人物はこういうオーラがあるものなのか、と。そこまでの「ココ・シャネル像」を作り上げたオドレイ・トトゥ、アッパレですね。

最初は全然かわいくねーなーと不満気に観ていましたが、最終的にはこの人以外、この役できないな、というぐらい惚れ込みました。

まさかココ・シャネルご本人も「シャネル」というブランドが今もこれほどまで確固たる地位を持ち続けるほどになるとは思っていなかったかもしれませんが、ただこの映画で語られる彼女の姿勢や人間像を見ると、なるほどそれだけのものを作り上げるに足る人物だったんだな、と納得。そこまで理解させてくれれば、伝記映画としては申し分ないでしょう。

地味ながらなかなかの作品ではないかと思います。

このシーンがイイ!

シャネルが「私は誰とも結婚しない」と涙ながらに言ったシーン。名演でした。

ココが○

なんなんですかねぇ、この地味なのに観られちゃう感じ。繊細で丁寧なところもポイントなのかもしれません。

女性なら一度は観ておいて損はない気がします。

ココが×

とは言え地味なので、やっぱりなかなか集中し続けるのも大変ではあるかな、と。こういう映画は劇場で観るべきでしょうね。家でダラダラだとどうしてもいい加減に観ちゃうので。

MVA

もうこれは誰が選んでもこの人でしょう。

オドレイ・トトゥ(ココ・シャネル役)

アメリ」(今年中にレビュー予定)のあの子とは知らず。かわいくないけど強い。中性的で年齢もよくわからないんだけど、惹きつけるものがあるという。

本当に堂々たる演技で、ただただすごいなぁと。やっぱり歴史に残る人物を演じる人、ってみんなすごいですよね。「アビエイター」のディカプリオ、「エディット・ピアフ~愛の賛歌~」のマリオン・コティヤール、みんな印象的でしたが、それに並ぶ名演だったと思います。

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