映画レビュー1492 『F1/エフワン』

元々観に行こうかどうしようかぐらいのテンションだったんですが、たまたま誕生日割引クーポンをもらっていてしかも月末までとのことだったので、じゃあ27日公開だしちょうどいいやってことで「ファイナルレコニング」と同じく公開当日にレイトショーで観てきました。
でもファイナルレコニングより埋まっていたかもしれない。それぐらい注目作のようですね。

F1/エフワン

F1
監督
脚本
出演

ブラッド・ピット
ダムソン・イドリス
ケリー・コンドン
ハビエル・バルデム
トビアス・メンジーズ

音楽
公開

2025年6月27日 アメリカ・日本

上映時間

155分

製作国

アメリカ

視聴環境

劇場(IMAXレーザー・2D)

F1/エフワン

永遠にかっこいいブラピ。

9.5
事故で舞台を去ったかつての天才レーサーを招聘、チームの危機を救えるか
  • “流しのレーサー”がかつてのチームメイトに請われF1最弱チームのドライバーに
  • 歳を重ねた狡猾さと天賦の才で徐々にチームを高めていく
  • 兄弟作とも言える「トップガン マーヴェリック」とほぼ同じテイスト
  • とにかくブラピがかっこよすぎてすべてが絵になる

あらすじ

むちゃくちゃ面白かったですね。もう。今すぐもう一回観に行きたいぐらい面白かった。

流しのレーサー、ソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)はデイトナ24時間レースで軽く優勝したあと、次のレースはどこに出るかな〜ってなところにかつてのチームメイトであるルーベン(ハビエル・バルデム)が現れ、彼が現在オーナーであるF1チーム「APXGP」のセカンドドライバーが残りのシーズン欠場となったため新たなドライバーを探している、早い話が乗ってくれないか的な話を振られます。
この時点でシーズンは残り9戦、APXはポイント0。というか歴史上一度もポイントを獲得したことがないという超弱小チームです。
さすがにこのままポイント0だと身売りが確実視されオーナーだろうがその座を追われるという状況の中、背水の陣として採った作戦が「ソニー・ヘイズの招聘」というわけです。
チームには同じく「天才」として評価されている期待の新人ドライバー・ジョシュア(ダムソン・イドリス)がいますが彼はまだ経験が浅く、またマシンの開発担当であるF1 初の女性テクニカルディレクター・ケイト(ケリー・コンドン)もまだその職についたばかりでチーム全体が一つにまとまっていないような印象。
そこに大ベテランで自己中心的ながら的確な戦略を持ったソニーが混ざり、化学反応を起こして一泡吹かせようぜ…ってな目論見ですが、果たして。

全力で殴ってくるので気持ちよかったデース

「トップガン マーヴェリック」の監督&脚本家コンビが今度は陸で勝負的なアレです。
題材はまるで違いますが、ちょっと考えただけでも

  • 主人公はロートルで、若手から疑念の目を向けられている
  • でも天才なので若手も真っ青の活躍を見せる
  • 主人公を演じるのは長く活躍する世界的な大スター
  • 現実ではあり得ない、マンガやゲームのような展開
  • 物語はザ・王道の真っ向勝負
  • 実際に機体に乗って演技をしている
  • もちろん恋もしちゃうぜ

的なところでしょうか。もう本当にテーマが違うだけで物語の根っこの部分はほぼ一緒です。
じゃあ既視感があってつまらないのでは、と思いそうですがどちらも最高に面白いという。なのでトップガン マーヴェリックが好きな方には素直におすすめできます。
思うに核の部分が同じようなものでも舞台が違えばまた違った旨味があるという当たり前の部分と、やっぱりもう一つものすごく感じたのは例え王道だったり現実味のない展開であったりしても「うるせえ黙って観やがれボコボコボコ」と全力で殴ってくる熱量がある映画だともう「参りました」と言うしかない、みたいなところ。早い話が映画そのもののレベルの高さでねじ伏せに来られる、そしてそれが気持ちいい=面白いなのかな、と。
きっとこれ、F1に詳しい人はすごく納得行かなかったり「それはやりすぎだろ」って頭にきちゃったりすると思うんですよ。実際そういう意見で低い評価をつけている人も結構見ました。
序盤は「弱者の戦い」を選んで、サッカーで言うところのいわゆるマリーシア的な戦略を採るところが多く見られ、綺麗な主人公でないところもこの映画を気に入らなかった層には嫌われそうです。(そういう狡猾さが良いんですけどね)
また現実のドライバーも言ってみれば主人公の引き立て役としてチロッと出てきたりするわけで、「こんなロートル(今どきロートルって通じるのか…?)で舐めた野郎にいいようにやられるほどヤワじゃねーよ」と思うファンがいても仕方がないと思います。なので本当にF1が好きな人にはおすすめできないかもしれません。
でもさ、映画じゃん?
フィクションの映画なんてファンタジーみたいなもので、ここまでの完成度と熱量で作られた作品に「現実味がない」ってケチつけるようではちょっと映画への接し方が違うんじゃないのかな、と思うんですよね。
もちろん僕もケチつけることは多々あるので「どの口が」って話かもしれませんが、ただそのケチをつけたくなる気持ちを「うるせえ!」って全力で殴ってくれるエネルギーがあるともう「参りました」なんですよ。それは。そのエネルギーの差で評価が分かれるのかな、という気が最近しています。
まあきっと「F1好き」か「映画好き」か、どっちの比重が大きいかで評価が変わってくるのかなと思います。両方好きな人(もしくはF1が好きでちょっと観てみようかな、と思ったような人)の場合は、ね。
僕はF1と言えばテーマ曲の「TRUTH」が好きで演奏しているT-SQUAREの新メンバーが大学生ですげー、みたいな全然違う方に話題が移る程度にしか興味がないと言うか、それこそ10代の頃のブームでちょこっと観てたけど特にハマらずに今に至るようなタイプなので、当然「映画好き」として観て「最高だった」という意見なので、F1好きの方の気持ちはわからないんですが。でもこの映画を観て「F1またちょっと観たい」と思ったわかりやすいタイプでもあるので、「F1の布教」という意味では成功なんだろうと思うんですけどね。

ちょっと話が逸れました。
肝心のレースシーンは非常に力が入っていて、マシンにセットしたカメラの臨場感は言うまでもなく、今の時代らしいドローンを駆使した映像も迫力満点、そして実際にF1レース当日に現地で(レースに参戦するドライバーやクルーたちに混ざって)一発勝負で撮影したシーンもあったりするらしく、レース映画としての映像の完成度はかつてないレベルのものだと思います。
性質上、順を追って何戦か観ていく形になるんですが、途中に挟まるドラマもよく出来ているのは当然ながら、何よりもレースシーンが観たくてしょうがなくて本当にワクワクしましたね。「次のレースはよ」みたいな。
そしてそのレースが1戦1戦積み上がるごとにそれぞれの関係性やチームの立ち位置が変わっていき、徐々にチームとして完成していくそのステップアップ感みたいなものもすごく好きでした。わかりやすいし。
劇伴を担当するハンス・ジマー先生のお仕事も素晴らしく、すべてが高次元の映画だと思います。映像といい音響といい、これはもう是非モンのIMAXもしくはそれに準じた高付加価値スクリーンで、と強く申し上げておきたいところです。
ヒロインがクルーなので裏方にもきちんと光を当てた内容になっているのも素晴らしい。ドライバーだけの人間模様ではないのが良いですね。
わかる人には「R4(リッジレーサータイプ4)」っぽい映画、と言っても結構伝わるところがあると思います。
リッジレーサーシリーズ屈指の名作として今も人気が高いR4ですが、それを思い出させる熱いものがあるというか。あのゲームが好きだった人にはより強く刺さるものがあるんじゃないかなと。

ブラピのかっこよさ、おかしい

そして何と言ってもブラピですよ。
まーーーーーーかっこいい。かっこよすぎる。華がありすぎる。
トム・クルーズももちろんかっこいいんですが、やっぱり容姿的には若干の衰えは感じる面があります。それでもかっこいいんだけど、でもブラピのかっこよさはちょっと異次元すぎてさすがのトム・クルーズも敵わないなと。この点についてはこの映画の圧勝です。
なんなら若い頃よりかっこよくなってねーか、って思うぐらいかっこよかった。そう感じさせるぐらいのザ・スター映画でもあると言えるでしょう。
ブラピ、還暦すぎてますからね。何度マジカヨと言ったことか。
還暦すぎてあの腹筋とかっこよさは人類史上1位じゃないですかね。全然他の情報知らないけど。
普通に考えれば還暦すぎのドライバーがこんな活躍を見せるなんてあり得ないんですが、ブラピがやるからそこに説得力が出るという。この辺は「トップガン マーヴェリック」と同様で、演じる人自身の“現役感”が説得力につながっています。その意味でもあの映画とはやっぱりかなり似ています。
で、トム・クルーズと同じく実際に運転しているとのことでこれまたすごい。
一応ブラピが乗っているのはF2のマシンをF1っぽく見せているものらしいんですが、素人目にはF2だろうがすごいことに変わりないでしょと思うので問題ありません。「すげー」か「すげー」の違いでしかないですよ。一緒です。
で、これはこの作品とはまったく関係がない話なんですが、「オーシャンズ」シリーズファンはお気付きでしょうハビエル・バルデム演じるオーナーの名前が「ルーベン」なんですよ。
ルーベンと言えば「オーシャンズ」のエリオット・グールドじゃないですか。ワレワレとしては。
そんなことが頭によぎるぐらいのオーシャンズ好きとしては、もうブラピが「ルーベン」って呼んでるだけでグッと来るんですよ。頭おかしいでしょう!?
しかもベガスに滞在するシーンまでありますからね。ファンサがすぎます。これでチラッとジョージ・クルーニーが出てきてたら満点つけてました。危ない。

まあもう本当に言いたいことはいっぱいあるんですが、とりあえず公開中にぜひ映画館で観てほしいですね。これは。当然迫力が全然違うので。
やっぱりApple制作の映画は素晴らしいなと改めて思いました。
今作はだいぶ世界的にもヒットしているようなので、Appleもこれに味をしめてもうちょっとドラマから映画に予算を割り当ててたくさん作って欲しいところ。
ということで鼻息荒くおすすめして終わりにしましょう。
もう先に言っちゃいますが、絶対来年のなんプロアワードに選ばれるのでそこでまた言いたいこと言えばいいじゃない、と自分に伝えて終了です。

このシーンがイイ!

物語的にはベタですが3人でポーカーをするシーンかな〜。やっぱりあそこが重要だろうと思うので。
でもやっぱり最終戦かな…とにかく手に汗握る最高の鑑賞でした。

ココが○

上にいろいろ書いた点を除くと、クルーの出てくるシーンが密かに好きでした。
前線(?)で指示を送ったり口論したりも「ああいうやり取りしてるんだ〜」って興味深かったし、タイヤ交換のプロフェッショナルな動きもそれっぽくてすごく良かったです。

ココが×

2点あります。
1つは、主人公と新人ドライバー“JP”の距離の詰め方が少し雑というか、ここはもう少し丁寧に描いてほしかったなと思います。最後に向けて割と急に距離が詰まった感があって。
2つ目は、薄々感付いている方もいるかもしれませんが「恋愛要素いるかな〜」という点。
「トップガン マーヴェリック」の恋愛要素は全然アリだと思います。描写としても行き過ぎなくて良かったし。
こっちはさすがにプロフェッショナルのシーズン中にそれは…みたいなものも(わざわざ本人が言及した上で)あったし、いわゆるラブシーン的なものがしっかり出てくるのでそこまではいらんのでは? という気がしました。
もちろんブラピがかっこよすぎるので嘘くさいということではないんですが、ただもう年齢も年齢なんだからそこをあえて描く必要はなかったんじゃないのかなと思うんですよ。
もっと言えば恋愛自体はあってもいいですが、せいぜい関係性を匂わせる程度で良かったんじゃないのと。
ここだけザ・ハリウッドな感じがして残念。もっとサラリとしてた方がより良かったと思うんだよなぁ。
ということで満点でもいいぐらいの出来だったんですが、その2点で逃した感じです。

MVA

当然ながら皆さん良かったです。
ハビエル・バルデムが良い人ってだけでちょっとレアだなと僕の中でざわつきました。でもすごく良かった。ブラピとの「長年の友」感もしっくり来てたし。
それとヒロインを演じたケリー・コンドンは初めて見たんですが、年相応の落ち着きと大人のかわいさがあってすごく素敵でした。めっちゃ良かった。
まあでも結局この人なんですけど。

ブラッド・ピット(ソニー・ヘイズ役)

主人公の天才ドライバー。
もうブラピのための、ブラピがやるための役でしたね。これ以上の適任者は見つかりません。例えトム・クルーズでも。
上に書いたちょっとずるい、マリーシア的な面とかやっぱりすごいブラピなんですよ。ちょっと笑わせにくる感じとか。
トム・クルーズは真っ直ぐな役が似合う人だと思うんですが、ブラピはちょっと軽薄なところもあった方がフィットする印象で、まんまその感じが出ててそこがすごく良かったし好きでした。狡猾で老獪な人物像。
そして何よりかっこいい。とにかくかっこよすぎる。
これは誰も敵わんな、と思わせる素晴らしい役と演技でした。ここに来て一番の代表作になったかもしれません。

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