映画レビュー0985 『フラッシュダンス』
今回はまたネトフリ終了間際シリーズに戻ります。
これもかなりメジャーなタイトルで、特に主題歌は日本でも大ヒットしたんですが…今の人たちは知らなかったりするのかなぁ。
フラッシュダンス
エイドリアン・ライン
トム・ヘドリー
ジョー・エスターハス
トム・ヘドリー
『フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング』
アイリーン・キャラ
1983年4月15日 アメリカ
95分
アメリカ
Netflix(PS4・TV)

オサレ映画感強めで物語は浅め。
- 昼は溶接工、夜はセクシーダンサーがバレリーナを目指す
- 勤務先の社長と懇ろになりつついろいろありまして
- 80年代らしい女性の地位向上的な視点もあり
- 音楽は良いものの内容は平凡
あらすじ
「フラッシュダンス」と言えばですよ、僕なんかの世代では「ドジでノロマな亀」でおなじみのスチュワーデス物語じゃないですか。やっぱり。風間杜夫と堀ちえみですよ。でも今じゃ全然通じないんでしょうね。昭和のブログでサーセンね。
そのドラマの主題歌としてカバーされていたのが「ホワット・ア・フィーリング」(正確なタイトルはフラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング)っつーこの映画の主題歌なわけです。てっきり元からある曲をこの映画の主題歌として使用したのかと思っていたんですが、実際はこの映画のために作られた曲だそうで。やたらシンセ他バックの音がでかくてボーカルより主張してくる感じが80年代っぽくていい。
さて、この映画の主人公であるアレックス(女性です)はバレリーナを夢見る18歳。昼は溶接工として働き、夜はバー&キャバレー的なところでちょっとセクシーなダンスを踊る二足のわらじガールですよ。
ある日偶然そのバーに訪れた男・ニックは彼女の踊りに目を奪われるんですが、実は彼は溶接工としてのアレックスの雇い主だったことが判明したため彼女をグイグイデートに誘うようになります。
始めは「上司とは食事に行かないの」なんて突っぱねていたアレックスも根負けし、結果二人はお付き合いすることに。
その他彼女の同僚で友人でもあるコメディアン志望の料理人・リッチーや、プロスケーター志望のウェイトレス・ジェニーなど彼女の交友関係を描きつつ、その夢と恋を追う物語になっております。
女性の社会進出時代にマッチした作風
正直ストーリーとしては本当にこの程度のもので、内容は至ってオーソドックスだし特に際立って良い部分も無かったように思います。「夢を見る、夢を見られるヤングっていいね」とおっさんの感想を抱く程度で全体的にはありきたり。
ただ主題歌が世界的に有名だから、というわけでもないですが、全体的にその時代の雰囲気を感じる良質な劇伴がちょくちょくかかってミュージカルっぽい(厳密に言うと本人が歌っていないのでミュージカルではないんですが)作りになっていて、その辺がオサレ映画感も強く、また後年の映画にも影響を与えていそうな気がしないでもないですね。
ラブコメ系の映画でこういう劇伴をいくつも流して雰囲気を盛り上げるものって結構多いと思うんですが、あまりコメディ感もなく真面目に夢を叶えようと頑張る女性に劇伴をかぶせて盛り上げるこの感じはなかなか最近観ないような気もするし、(曲のイメージ含め)この時代特有の空気感みたいなものは感じました。
そもそも女性主人公で「恋に夢に友情に(コメディ仕立てではなく真面目に)頑張る」ドラマというのは割とこの頃から目立ち始めたジャンルのような気もするし、いわゆる「女性の社会進出」的な側面が強調されてきた時代に合わせて作られた映画という印象。そこが良さでもあるし、逆に“それ以上何物でもない”ところが今観ると少し弱いのかなと思います。
ちなみにこの辺まったく裏付けもなく印象で適当に書いてるだけなので実際はまったく的はずれな可能性があるのであしからず。今回に限ったことではないですが。
見せ方は良いものの、話がもう一歩
曲のシーンはどれも非常にオサレで…アーティスティックな雰囲気、って言うんですかね。主人公の髪型が時代感丸出しで残念だなという点を除けば、今観ても非常に良く出来ていると思います。素直にかっこいい。
ただいかんせん見どころはその辺ぐらいかなという感じで…。決して悪い映画ではないんですが、想像を超える感動があったりということもなく、本当にオーソドックスな話でしかないのが残念でした。
映画の見せ方としてはかなり80年代の空気感を感じるものなので、そこの良さというのは間違いなくあるとは思うんですが…もう少し捻りが欲しかったかなぁ。
このシーンがイイ!
やっぱり曲のシーンでしょうか。「マニアック」とかも聞いたことあったからちょっとグッと来ましたね。
一番印象的だったのはアレックスが白塗りメイクで踊るシーン。写真で見るとナンジャコレなんですが、すごくかっこよかった。
ココが○
使われている楽曲の良さ、そしてその見せ方。
なんなんでしょうね、今同じようなことをやろうとすると、多分もっと洗練されたものになると思うんですよ。良くも悪くも。
多分外見的な時代感も印象に大きく影響しているんだろうと思いますが、それ以外にもエフェクトの入れ方だったり、やっぱりちょっと全体的に古いんですよ。で、その古さが良いっていう。
ココが×
結局は「バレリーナを夢見る女性が恋愛しつつ夢を叶えるように頑張る」以上のものがないので、話自体はそんなに興味をそそられるものではなかったと思います。仕方ないんですけどね。
どちらかと言うと挫折した周りの人たちの物語の方がグッと来たかもしれない。
MVA
順当にこの人かなー。
ジェニファー・ビールス(アレックス・オーウェンズ役)
主人公。髪型が残念。でも綺麗でしたね。「美人!」って感じじゃないのが逆に物語にあっていて。ちなみに歳をとってからの方がかなり美人感出てました。
ダンスについては別の人がやっているらしく、その辺りは少々残念ではあるんですが…でも良かったですね。
それと余談ですが同僚で友人のウェイトレス、ジェニーを「いいおっぱいしてんなぁ」と思って観ていたらおっぱいご登場シーンがあったのでご満悦です。ありがとうございました。