映画レビュー0514 『ゴーン・ガール』

とてもとても観たかったんですが、去年末は体調を崩してたこともあって泣く泣く行けなかったこちらの映画。ようやく観ることができました。

ゴーン・ガール

Gone Girl
監督
脚本
ギリアン・フリン
原作
『ゴーン・ガール』
ギリアン・フリン
音楽
公開
2014年10月3日 アメリカ
上映時間
149分
製作国
アメリカ
視聴環境
劇場(小さめスクリーン)

ゴーン・ガール

5回目の結婚記念日、ニック・ダンの妻、エイミーが失踪する。当初は「悲劇の夫」としてメディアに登場したニックだが、徐々に彼に不利な状況が明らかになっていくにつれ、次第に「エイミーはニックに殺されたのでは?」という疑問が世間を支配し始める。

ただただ怖い。怖すぎ。

9.0

おなじみデヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス。突如として消えた妻、そして(今時らしいSNSも絡めながら)メディアによって殺人犯に祭り上げられる男。わっかい教え子と浮気までしちゃって、どっからどう見ても怪しいのは旦那じゃねーか、とますます過熱する報道。はてさて真実は…!

とか書いておきながら、実はこれは本当に導入で、割と早い段階で「解決編」的なシーンが出て来ます。これには結構驚いたんですが、ところが物語はここからが本番で。エイミーはどうなったのか、ニックは犯人なのか、その辺の事実が明らかになってからの二転三転サスペンス。さすがフィンチャー、素直に終わらない映画です。「いやー、まだなんかありそうだな…」と最後まで半信半疑、いや~な気分で楽しませてくれました。

とにかくもう感想としてはひたすら「怖い」しかなかったですね。ホラーとかグロとかそういうんじゃなくて、「頭のいい人間が徹底するとこえーな」っていう。「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」と似た感じ。

男は男でダメな部分が描かれてるし、女は女でドギツイしで、人間不信になりそうな胸クソ悪いストーリーでしたが、まあそれが面白かったので文句は言えません。

メディアの過熱やSNSの使われ方を通して今の世間が抱える問題も皮肉りつつ、一人の人間の悪い意味でのポテンシャルを存分に見せつけてくれるというなんともすごい物語でした。

やー、怖いわ。ほんと怖いとしか言えません。

将来、独り身が辛くて辛くて仕方がないときはこの映画を観ようと思います。それ以上は言いません。

サスペンス好きなら、おそらくは満足できることでしょう。面白かった。

このシーンがイイ!

早々に出てくる「解決編」、ちょっとテクノ調な無機質な音楽と、テキパキ淡々と進むスピーディーなカット、「おおっ、これぞフィンチャー!」的な感じですごくたまりませんでした。やっぱりああいう見せ場の作り方、うまいよなぁ。

ココが○

とんでもない話なんですが、破綻してないのがさすが。サスペンス慣れした監督はこの辺さすがお上手です。

ココが×

まあ相変わらずセックス好きですね。フィンチャー。「ドラゴン・タトゥーの女」ほどではないにせよ、正直そこまでいらないんじゃないの、ってぐらい性的なシーンが結構出て来ます。なので人によっては、という感じ。

MVA

まあこの人以外はないでしょうね…。

ロザムンド・パイク(エイミー・エリオット・ダン役)

綺麗なときは綺麗に、すっぴんのおばさんっぽさもお見事でした。後はもう観てください。特に説明は必要ないかと。

どうしてもこの人が目立っちゃうのでしょうがないんですが、妹役のキャリー・クーンもなかなか良かったですね。

それと多分まったく触れられないでしょうが、肝心の主演、ベン・アフレック。相変わらずの演技ではあるんですが、この凡庸な感じがものすごく役に合っていて、なかなかいいキャスティングだったと思います。冴えなくて、好まれないその辺の男感。

これはなかなかストーリー的にも説得力をもたせる感じで、地味ながらいい仕事をしていたと思います。

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