映画レビュー0764 『イップ・マン 継承』

ウィルソン・イップ監督×ドニー・イェン主演のイップ・マンシリーズもこの3(継承)で終了…かと思いきや最近になって4製作の一報が飛び込んで参りまして、これは公開前に3まで観ておかねばなるまい…! と急いで観ましたが、まだ製作発表程度の段階であることを考えると次作の日本公開は多分短く見積もってもあと数年後じゃないかという予感。

まあいいじゃない。観たかったんだよ。

イップ・マン 継承

Ip Man 3
監督
脚本
出演
マックス・チャン
マイク・タイソン
音楽
公開
2015年12月24日 香港・マレーシア・シンガポール他
上映時間
105分
製作国
香港・中国

イップ・マン 継承

香港での武館運営も順調、街の人達からも慕われ家族で穏やかに暮らしていた葉問。ある日次男の葉正が通う小学校に街のチンピラたちがやってきて土地を売り渡すよう脅しをかけてくる事件が発生。事件の背後にはこの土地を狙うアメリカ人のデベロッパー・フランクの影があり、期せずして葉問もこの争いに巻き込まれていく。

ひねろうとしたが故にちょっともったいない。

7.0

鑑賞時は構えを真似する人が続出することでおなじみのイップ・マンシリーズ(現時点での)最新作。

今作はイップ・マンの次男が通う小学校がいわゆる地上げ屋のターゲットとなってしまい、彼らのモロ犯罪行為による妨害工作から小学校を守ろうとするイップ・マンと、彼と同じく息子が小学校に通う詠春拳の使い手・チョンの絡み、さらにイップ・マンの奥さんの体調不良に、「またかよ」的な癒着イギリス人とマイク・タイソンといろいろという雑多なお話でございます。

まず物語最初の構図としては、あのマイク・タイソン演じるデベロッパー・フランクがイップ・マンの息子が通う小学校の土地を手に入れようと街のチンピラを使って茶々を入れてきたところにイップ・マンが巻き込まれ、「またお上 vs イップ・マンの構図かよ…」と思いきやそこから先は(当然繰り返しになることを避けてなんでしょう)やや様相の異なる形で家族愛やら流派としての詠春拳のアレコレやらを描くという映画になっています。

本当に序盤は「まーたこれか」と思わされたんですが、さすがにそこからひねってきてはいる…ものの、だったら最初の話いらなくね感もなかなか大きく、いろいろ違う展開にしようとした結果中途半端になってしまった印象がものすごく強いお話でした。もったいないなぁ。

おまけにアメリカ人デベロッパーを演じるマイク・タイソンと言えば、僕らぐらいの世代にとってはもう本当に文字通り「最強」のボクサーとして(問題の多さも込みで)名高い人物なので、今作の扱いの雑さを考えれば前作のラスボスとして使ってくれれば良かったのにと言う思いが拭えません。もう本当に通して観ると「この映画にマイク・タイソンいるか?」感がすごい。プロモーション的に美味しいから連れてきた感が否めません。「マイク・タイソンパンチアウト」に熱中した少年時代を返してもらいたい。

後半の展開は例によって書きませんが、ストーリーとして破綻しているわけではない…もののいろいろ無理矢理感も強く、なーんか乗り切れないまま終わっちゃった感じで。僕としては単純にもっとイップ・マンの戦い、しかも圧倒的な強さを観たかったんでしょうね。きっと。

序章」はまさに文字通り圧倒的に強く、戦争によって一気に貧しくなったことも手伝って「すごい人が不遇の日々を過ごしている」感じがたまらなかったんですが、「葉問」でより強い相手との戦いを描いたために相対的に「もっとやってくれよー」感が募り、その流れで今作も不満を感じてしまったような気がします。

それと詳しくはないのでかなりいい加減な意見ではありますが、今作のアクション監督は前2作のサモ・ハン・キンポーからユエン・ウーピンに変わってるんですよね。「変わったよ」と聞いたが故に感じているだけかもしれませんが、なーんか今作のバトルシーンはイマイチ前2作のような気持ちよさに欠ける気がしました。「より相手が強くなっている」表現と相まってなんでしょうが、ここがまたちょっと不満で。

まあ当然ながら初めて観たときの衝撃に勝るものはないわけで、自分自身が観ていくうちに「ドニー・イェンのイップ・マン」に慣れちゃってきているというのもあったのかもしれない…と思ったこともあってこの鑑賞後に再度「1」のバトルシーンだけ観直してみたんですが、やっぱり全然キレ味が違うと思いました。イップ・マンのみならず、カム(伊武雅刀似)が佛山にやってきて道場破りをするシーンも迫力満点で全然違う。なんでや…。

そんなわけで僕の評価としては単純に「1>2>3」かなぁと思います。もっと言えば1がだいぶ突き抜けてる感じ。

「2」は1のリメイク的な既視感強いストーリーだったし、今作は変えようとするあまり気持ちよさに欠ける。おまけに無理矢理感のあるマイク・タイソンというのも残念。

とまあ少し残念なレビューになってしまいましたが、でもやっぱりドニー・イェン演じるイップ・マンのキャラクターは他にないすばらしさがあるのも間違いないので、このキャラに惚れ込んだ人であれば観るべき一本なのは間違いないでしょう。この3作を持って「実在する葉問をドニー・イェンが演じる」という見え方から「葉問にインスパイアされたオリジナルキャラクター、イップ・マン」が確立された、ような気がしないでもないです。わかりにくくて申し訳ないですが。

軽く調べた限りでは、ドニー・イェンは実際のイップ・マンよりも当然ながら(?)男前だし、まただいぶ線が細く見える分強さが際立つ部分もあると思うので、うまく実在する人物を昇華してオリジナルの聖人“イップ・マン”を作り上げたんじゃないのかな、と。そしてそれがめちゃくちゃかっこよく、俺にも詠春拳を習わせろと。都内しかやってないとかふざけんじゃないよと。誰か大宮辺りでも道場開けよと。そう思うわけです。

あり得ないけどドニー・イェンが教える詠春拳道場とかやったらライ●ップもびっくりな価格でも集客すごそう。ドニー・イェン師匠に教わりたい…!

もはやどう考えてもドニー・イェン師匠に敵うイップ・マンはいないと思いますが、それでも他の方が演じるイップ・マンも観たいところです。アンソニー・ウォントニー・レオンがやっている、っていうのもそそられます。この二人が上司と部下で共演している「インファナル・アフェア」もよろしくね!(謎の宣伝)

ネタバレ・マン 継承

このシーンがイイ!

前作から引き続き登場のポー刑事相手に自宅で語るイップ・マンはとても良いことを言っていたと思います。地味だけど良いシーン。

あとはやっぱり終盤の木人相手にカツンカツンやるところかな…。思わずAma●onで木人樁の値段を調べたらまさかの8万円という高額さにそっ閉じ。

ココが○

本当にドニー・イェン演じるイップ・マンは今花盛りのスーパーヒーローたちに負けず劣らずのヒーローだと思います。バトルシーンだけつないだ映像とか永遠に観ていられる気がする。ぐらいかっこいい。

ココが×

上に書いた以外では2つほど。

1つはブルース・リー。オープニングで出てきて「おっ、ついに食い込んでくるか?」と思ったらまたもちょっとだけでほぼストーリーには絡んでこない。ブルース・リー入れなきゃいけない契約でもあるわけ?

もう1つは(ブルース・リーを除く)前作までのキャラクターがほぼ出てこない点。前作で一番弟子だったウォンも出てこないし、2で美味しいポジションに変化したカム(伊武雅刀似)も出てこない。続編ならではのせっかくの資産を生かさないのはもったいないよ!

MVA

ということで今回も…と行きたいところですが、アクションシーンもイマイチ乗り切れなかったこともあるし今回はこちらの方にしておきます。

リン・ホン(ウィンシン役)

ご存知イップ・マンの奥さん。3作皆勤賞です。

まーほんとに相変わらずお綺麗で。1からそこそこ年月が経っている(約7年)んですが変わらない!

おまけに今作は影の主役でもあるので、そりゃー美人に弱い男の特権としては選ばずにはいられないよということです。

またひじょーに地味なところでもあるんですが、ドニー・イェンより彼女の方が背が高いのが良いんですよね。すごく。

(相対的に)小さくても強い、っていうのがまたグッとくる部分があるじゃないですか。僕だけですかね?

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