映画レビュー0387『レイヤー・ケーキ』

えー今回のコチラ、ダニエル・クレイグが007になる直前の作品。今も変わらない感じではあるけど、やっぱりまだちょっと若く見えます。かっこいいんだけど、今の自分と同じぐらいの年齢ということを考えるとセツナイ。まあ比べるものでもないんだけど。

レイヤー・ケーキ

Layer Cake
監督
脚本
J・J・コノリー
原作
『レイヤー・ケーキ』
J・J・コノリー
出演
ケネス・クラナム
ジョージ・ハリス
ジェイミー・フォアマン
音楽
リサ・ジェラード
公開
2004年4月11日 イギリス
上映時間
105分
製作国
イギリス

レイヤー・ケーキ

ビジネスとして真面目に麻薬ディーラーをこなす男、XXXX。そろそろ裏稼業からの引退を考えていた彼だが、頭も切れ、誠実なところに目をつけたボスから、「親友の娘を探してくれ」との依頼を受ける。同時にあるギャングとの大きな取引も引き受けた彼だが、この2つの仕事には裏があり、徐々に彼は追い詰められていく…。

詰めの甘さはあるものの、それを吹っ飛ばすセンスと引力。

8.5

銃を構えたジャケットから、「007の前身か!?」なんて盛り上がりかねないところですが、この映画でのダニエル・クレイグ扮する主人公は「あくまでビジネスとして麻薬に携わる」というスタンスのいわゆるビジネスマンのようなもので、実は劇中でも「銃は嫌いだ」と言うぐらい、割と普通の人。頭は切れるし度胸もあるものの、007よりも人間的だし表情も豊かなので、ダニエル・クレイグファンにはまず大変オススメしたい作品でございます。当時30代半ば、渋さとかっこよさにプラスしてほんのりかわいらしさも感じさせるようなダニエル・クレイグ、とにかくカッコイイ。

そんな彼が麻薬のディーラーとして事件に巻き込まれ、仲間とともになんとかしようともがくクライム・サスペンスという感じでしょうか。

なんせこのダニエル・クレイグは「普通の人」、銃でバンバン殺して解決したり、本部からハッキングしてもらって潜入したりなんていうスパイ的能力は一切無く、本当に普通の人間が事件と組織の流れを見定めながらいかに生き残ろうかと頑張る内容なので、言ってみれば自分と近い目線で見られる内容なのが面白いですね。

もちろん「裏稼業だからこそ」の深刻さはあるんですが、超人的なアクションとか予想外の援軍のようなものに頼るわけではないので、妙に人間臭い生々しさがたまりませんでした。

映画としてもさすがイギリス映画と言うべきか、良い意味で自己主張しすぎずに抑え目の絵作り、でも緊張感溢れる展開に久々に惹き込まれ、じっくり鑑賞出来ましたねぇ。

オープニングからエンディングまで、一貫して抑え目ながらいちいち絵になるシーンが多く、テンポもいいのであっという間の105分でした。

反面、登場人物が多く、また人物名が出てくるセリフも多いのでややわかりにくい面は否めません。また「これどうなったの?」「そんなうまくいくかね~」みたいな面も多少あるので、少しだけ詰めの甘さも感じました。

あくまで娯楽系サスペンスという感じで、シナリオの完成度、サスペンスとしての衝撃という意味では他の映画に譲ります。

ただ、嫌味にならない程度にカッコつけてテンポよく、やや複雑な事情を綺麗にまとめる展開とエグさに頼らない演出はかなり好きでした。これまたなんて言えばいいのかわかりませんが、イギリス映画らしい「確実にアメリカの映画ではない」という匂いがして、そこがすごくいいんですよね。

全体的に大人向け、少し遠回しなセリフとシーンの意味を考えられる人が観ればかなり楽しめる映画なのではないかと思います。

で、「こりゃあ…9.0以上あるなぁ」と思ってグイグイ観てたんですが、残念ながらラストがあまりよろしくなく…。まあ、そうなるだろうと思いつつも、楽な方に行った感じがものすごく残念。

ただ、ラストがダメでもかなり楽しめたという意味で高評価にできるのは逆に言えばなかなか珍しいことでもあるし、総じてかなり満足できる映画でした。

少なくとも「007 スカイフォール」よりも面白かった。オススメ。

このシーンがイイ!

本当に良いシーンもたくさんあって、いちいち絵作りがカッコ良かった。テーブルの下から二人の会話を撮ってる場面とか、歩道橋みたいなところでの商談とかすごくカッコ良くて。

でも一番グッと来たのは、ジーンが魚をさばいているシーンでしょうか。「ドラゴン・タトゥーの女」でもありましたが、わかりやすく強烈な比喩がたまらないシーンで。

ココが○

麻薬ディーラーが主人公で、なおかつ麻薬組織の話なので、(偏見とわかりつつも)アメリカ映画だったらもう銃でバンバン殺って殺られて、ってなりそうな感じですが、そういうこともなく。かと言って安全でもなく、「ヘタしたら殺されるよ」っていう緊張感もあって、その辺のリアリティがやっぱり全体的に引き締めてていいな、と。

あとはもう、当たり前ですが役者陣。ダニエル・クレイグの良さはもちろんですが、脇役陣もすごくいいメンツが揃っていて、カンペキでしたね。

ココが×

エンディングに尽きるかなぁ。「えー」って声に出ちゃうようなエンディング。ここで一流作品になりきれなかったのが非常に残念。

MVA

まだ売れる前なんでしょうか、トム・ハーディが脇役で出ています。ボスの右腕役のコルム・ミーニイはさすがの存在感、すごく良かった。マイケル・ガンボンもいかにも老獪なクセモノっぽさが最高。その他イラッとさせる人はきちんとイラッとさせてくれるし、本当にベストのキャスティングだったと思いますが、まあやっぱりその中でもこの人かなぁと。

ダニエル・クレイグ(XXXX役)

かっこ良くて渋いんですが、どっか親しみやすさみたいなものがあるんですよね。泥臭さ、でもあるんですが。そこがやっぱりいい。

あとはやっぱりこの人の佇まいは個人的理想に近い気がします。スーツの着こなし方とか。ピリッとしてて。最高でした。同性としてここまでグッと来る人、他にいないかもしれない。他にいないかもしれないわ

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