映画レビュー1329 『人狼村 史上最悪の田舎』
今回はウォッチパーティでしか観ないであろう問題作です。よくこんな映画見つけてくるわ。
ちなみにどうでもいい情報ですが、この回よりウォッチパーティの鑑賞機器がiMacからMac Studio+34インチウルトラワイドモニターになってます。
日常使用に特に不満は感じていないんですが、サイズ的には横に伸びたものの思ったほど大きくなく、また解像度もさすがに5KのiMacと比べればかなり質が落ちた印象はあります。
映像面で言えばiMacのモニタと価格は破格なんだなと再認識しましたが、スペック的には比にならないほどパワーアップしたのでまあ良いでしょう。
冬にはM3搭載の新型iMacが噂されていますが、欲しくなっても困るので見ないようにしたいと思います。
何事においても散財を防ぐもっとも効果的な行為、それが「見ない」です。覚えておいてください。
人狼村 史上最悪の田舎
フアン・マルティネス・モレノ
フアン・マルティネス・モレノ
ゴルカ・オチョア
カルロス・アレセス
マベル・リベラ
セクン・デ・ラ・ロサ
ルイス・サエラ
マルコス・ルイズ
Sergio Moure
2012年3月18日 ポルトガル
99分
スペイン
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(ウルトラワイドモニター)
例によってみんなで観れば楽しいやつ。
- 生まれ故郷の村に帰ったら幼少期に聞かされていた“伝説”が今も生きていることを知る
- 「呪い」の種類で話を展開させるB級ホラー
- 矛盾も多々感じるもののそんなものを気にする映画ではない
- 実は犬映画
あらすじ
例によって「みんなで観れば面白い、一人で観れば微妙すぎて失笑」系の映画と思われます。
ただこういった映画が好きな人(今回の推薦者がまさにそう)にとってはいろいろたまらないポイントもあることかと思われ、B級映画好きは一度通ってみて損はないでしょう。たぶん。
主人公は名ばかり小説家のトマス(ゴルカ・オチョア)。
彼の生まれ故郷には「狼人間」、つまりいわゆる一つの人狼伝説が残されていて、なんでも昔当地で力を持っていた侯爵夫人がエロエロのエロで、ある日その地にやってきた旅芸人一座の男を無理矢理襲って妊娠したんですが、そのことを知った男の妻が憤って侯爵夫人と村に呪いをかけたことで侯爵夫人の子どもは人狼となり、100年経った今も人を喰らって生きている…とのことです。
当然信じていないトマスですが、ある時「名誉市民にする」と知らせがあったことで帰郷を決意。生まれ故郷でのんびり執筆もいいかななんて呑気に帰還しますが、しかし彼を呼び戻したのはその問題の“呪い”に関係していて、彼は帰還早々に捕らわれてしまいます。
絶体絶命の危機の中、ここで死んだら映画は15分ぐらいで終わっちゃうのでそうとも行かず、果たしてどうなるんでしょうね…というお話です。
特に書くことがない
困ったことに特に書くことがない映画なのでこれにて終了、というわけにも行かずどうしたものか…。
例によってB級中のB級映画であり、大真面目に観るようなものでもないし細かいところを突っ込むようなものでもありません。
ただ妙にオープニングの紙芝居的アニメーションに力が入っていたりもするし、監督その他制作サイドがどこまでB級と認識して作っているのかがよく見えない辺りも(逆説的に)B級っぽさをより際立たせているのがポイント高いとかいう噂です。
どうしてもこの手の映画の最上級としては「必殺!恐竜神父」を思い浮かべてしまうわけですが、あの映画のようなネタっぽさもエンタメっぽさも無い分、言ってみればかけそばのような素朴な味わいがあるB級映画と言えなくもない気もしないでもない、みたいな。何を言いたいのかわからない。自分でもわかってない。
問題の「人狼」については結構引っ張ってからの登場となるんですが、その割に造形がチープな辺りも非常にポイントが高く、ところどころややグロかったりもするんですが、その「肝心なところがチープ」というかわいらしさで凌げる、憎めない良さがあります。
今回もいつものように「こいつ絶対最初に食われるだろ」とか「こいつらすぐ死ぬな」とか予想しながら観ていたんですが、それも結構外されたりして意外にもちゃんとしているというか、「どうせこの手の映画はこの手のケースなんでしょ」と高をくくって観てるとそうでもない、みたいな裏切りもあるので意外と悪くない映画かもしれません。少なくとも個人的には見飽きたハリウッド映画のおなじみ展開よりも裏切りがあったのは間違いないです。
ただ話の転換ポイントが大体「新しい呪いの上書き」で済まされるので、じゃあ結局なんでもアリじゃね? と突っ込みたくなるんですが「何B級映画にマジになってんの」と言われるのも癪だし黙っておこう、みたいな妙な抑止力があるのもズルい。ズルいのか?
まあそういう諸々考えるとですね、やっぱり「B級映画にあれこれ考えて語ろうとする時点で無粋」みたいな領域に差し掛かってくるので、結局何も言うことはない、という最初の結論に戻ります。ループものかな?
犬映画だった狼だけに
あとそうそう、どうしても書いておかないといけないことが一点ありました。それは「犬映画」だということ。
主人公のトマスは帰省のお供に愛犬のヴィトを連れています。おそらくビーグル犬。あのスヌーピーと同じです。
このヴィトが正直他の見どころよりも見どころな映画でした。「ファイナル・プラン」を思い出させるほどの犬映画っぷり。
ただ「ファイナル・プラン」に登場したタジーは我が最愛の愛犬ビビと似ていたので残念ながら犬映画的には圧倒的に「ファイナル・プラン」です。
結局いつもの結論なんですが、ウォッチパーティで観るなら結構突っ込みつつ楽しめるのでおすすめです。
ただウォッチパーティするなら他にももっとあるでしょというのも否めないので結局お好みで、という当たり障りのないところに着地します。
ちなみにチープな人狼の造形にはあの「パンズ・ラビリンス」のスタッフも関わっているらしいんですが、まったくパンズ・ラビリンス的な良さはなかったことも書き添えておきたいと思います。よろしくどうぞ。
このシーンがイイ!
詳細忘れましたが空から人が降ってくるシーンがひどすぎて一番笑いました。棒人間が落ちてくる感じで。
あとはオープニングのアニメーションが結構ちゃんとしてたのでそれが良かった。
ココが○
後半とあるキャラがちゃっかり主人公グループに入ってくる感じが良かったですね。モブだろうと思ってたのに。
ココが×
まあ良いの悪いの言うほどのものでもないというか、悪いところ上げだしたらキリが無いんでね…。
当然リアリティなんて皆無な話なので、もうド頭からハードルが無い(上がる下がるではなく無い)状態なので特に言うことはありません。
MVA
普通に観てたらこの人でしょう。
カルロス・アレセス(カリスト役)
トマスの親友。
観ればわかりますがめっちゃいいやつなんですよ。もう単純に。
もみ上げがものすごいのでウォッチパーティでは「モミー」と呼ばれていました。