映画レビュー0820 『マンマ・ミーア!』
今回は続編公開になったということで、今さらながら前作を観ようというスンポーです。※結局続編は観に行かなかったんだけど
実はずっと観ようと思っていてBSで放送したときに録画もしておいたんですが先延ばしになり続け、ようやく続編公開で背中を押された形。しかも観たのは結局最近追加になったネトフリで、っていう。
マンマ・ミーア!

元気がもらえるハッピーミュージカル。
- 同名ブロードウェイミュージカルの映画版
- 話はノリと勢いで突っ走る系で細かいことは気にしない系
- ABBAに親しみのある年齢層と主人公たちの年齢層がかぶるわかりやすいターゲット
- とにかくハッピー!
ABBAが世界的に人気だった時期というのはだいたい1970年〜1980年代辺りということで、僕ら世代よりは前の世代が親しんでいた印象ですが、とは言え未だにいろんな場面で耳にする曲も多く、おそらく若い人でも「まったくわからん」みたいな状態にはなりにくいと思うし、それだけ「おなじみのナンバーでお送りする」感が強いミュージカル映画と言って良いでしょう。ちなみに僕としてはです。
物語はエーゲ海の架空の島が舞台。これがねー、もうロケーションが素晴らしすぎて。このロケーションでミュージカルをお送りしますよ、っていうだけである程度の質が担保されていると言っても言い過ぎではないぐらいに素敵すぎました。こんな島行ってみたい。
そんな島でホテル業を営み、女手一つで娘・ソフィ(アマンダ・セイフライド)を育てたドナ(メリル・ストリープ)。彼女は若い頃大変おモテになったようで、20年前のある夏…いろんな経緯があって立て続けに3人の男性とムフフしたわけです。
で、そのときに身ごもった娘・ソフィがついに結婚することになったんですが、彼女は「お父さんとヴァージン・ロードを歩きたい!」と願っていたものの父親はわからずにいた…ところになんとまさかのドナ日記発見しーの“あの夏”のヒント記述を読みーの3人候補見つかりーのトツギーノと。まさに。今まさにトツギーノと。
ソフィはドナにナイショで3人に(ドナ名義で)結婚式の招待状を送り、それに応えて3人が島にやってくる…というお話です。どうやって住所調べたんだよとかそういう無粋なことは気にしないスタイルでお願いします。
で、まあその「なんですぐ3人が見つかったんだよ」とかその後劇中の展開だとかからもわかるんですが、話の流れとしてはあってないようなものでかなり勢い任せの内容になっていて、緻密な感情の動きだとか伏線回収だとかとは無縁の、ノリで突っ走るタイプの映画です。まあミュージカルですからね。それはそれで構わないと思います。
なんと言っても「結婚式直前」からスタートしてアレコレありつつの「島でのバカンス」的な日々が描かれる映画なので、とにかくハッピー感がすごくてですね。話は(良い意味で)どうでもよく、ひたすら綺麗な景色と浮かれたミュージカルに元気をもらう、ただそれだけの映画と言って良いと思います。逆に言えばそれだけ振り切っているからイイ、のかも知れません。
主人公は一応メリル・ストリープ演じるドナになると思いますが、彼女は娘の結婚式に向けて古い親友のロージーとターニャを招いて“昔のノリ”ではしゃいだりするわけです。で、これに対を成すように父親候補の3人がいて、要は男女ともにそれなりにいい年齢の人たちが中心となって歌い、踊り、キャッキャウフフするというなかなかレアな映画なんですよね。実は。
普通はやっぱり綺麗どころを集めた若い男女がキラキラした歌とダンスでお送りするミュージカル、っていうのが定番だと思うんですが、この映画は完全に年齢層が上なんですよ。中年の男女がキラキラしてるっていう。もちろんソフィと婚約者みたいな若い人たちも出てきますが、中心は完全におっさんおばさんなんですよね。で、そこがいいなと。
なにせミュージカルシーンは(多分)すべてABBAなので、となるとやっぱり青春時代にABBAを聞いて育った世代=この映画の主人公たちと同年代の人たちが「まだまだ人生これから」とばかりに励まされ、元気と勇気をもらうような映画なのかな、と。
かと言ってその辺の年代だけが元気をもらえるというわけでもなく、なんて言うんでしょうか…若い子たちがキラキラしてても「まあそうだよね未来は明るいよね」ぐらいでケッてなもんですが、それなりのお歳の方々がこう(これまた良い意味で)浮かれたミュージカルを見せてくれるとですね、やっぱりなんか「暗くなってる場合じゃないな」みたいな説得力が出てくるんですよね。
ある意味では「若い頃からやってることは一緒」で、惚れた腫れたの好きだの嫌いだのって話なんですが、やっぱりいつまで経っても恋愛してます、みたいな姿は素敵だなと思いますね。自分が枯れ行く年代に差し掛かってきたせいもあるんでしょうが。
はっきり言って物語の上っ面だけ観れば、もう完全にリアリティのない文字通り「夢のような世界」なんですよ。かつてひと夏の恋を過ごした男たちがいまだにいい男で優しく会いに来てくれ、しかも住んでる場所が完璧な景観を持ったリゾート地で。
娘が去る寂しさと、娘が愛する人を見つけてくれた嬉しさと、そんな複雑な思いをさらに複雑にするかつて愛した男たちに加えてかつての親友もやってきて娘の結婚式を祝いましょう、なんて見ようによっては浮かれポンチにも程があるぜ、って話ではあります。
ただその浮かれっぷりがすごく良いんだと思うんですよ。この映画は。まさに(日常のような)非日常を見せてくれる物語として、これほどキラキラしてたらそりゃミュージカルにぴったりだわ、っていう。
いかにもミュージカル嫌いな人が突っ込みそうな「突然の歌」だらけだし、完全にミュージカルのために作られた夢物語を中年たちがキラキラ紡ぐ、その振り切りっぷりがいいよねと。
これ、場所がオフィス街で若い美男美女だったら超つまんなかったと思う。ハイハイ勝手にやってろよで終わるでしょう。ところがそれをリゾート地の中年に置き換えたらこのハッピー感ですよ。すごい。
懐かしさがありつつもいまだに魅力溢れるABBAの曲の良さも去ることながら、やっぱりそれをいい歳した大人たちが歌ってくれるというのがこの映画の良さでしょう。人はいつだって若くいられるんだぜと。そんな励ましを感じつつ、元気をもらった鑑賞でした。
このシーンがイイ!
まあやっぱりミュージカルシーンはどれも良かったですね。表題曲のシーンもすごく良かったし、「ダンシング・クイーン」も良かったなぁ。勢いだけでグッと来ちゃう感じ。
でもなんか一番ゾワゾワしたのは男女入り乱れての結婚式前夜のシーンかな〜。曲名忘れましたがちょっと他とは雰囲気も違って、惹き込まれる良さがありました。
あとエンドロール最高。
ココが○
なんつっても父親候補の3人がね。三者三様で良いキャスティングだなと。コリンまた疑惑の父親かよと思いつつ。
おばちゃん側もクセのある面々なのがイイ。妙に綺麗どころ揃えられてもちょっと違う気がするし。
ココが×
上に書いた通り、話自体はノリの産物なのであくまで「ミュージカル映画」以上のものはないと思います。急に始まる歌然り。
MVA
ステランさんがこういう映画に出てくるのはすごく意外だったので嬉しかったですね。脱がなかったけど。また尻ぐらいは出すんじゃないかって期待してたんですが。
まあ結局この人なんですけどね。
メリル・ストリープ(ドナ・シェリダン役)
わかりきってることですが、歌も上手いし演技は言うまでもないしで映画界の完璧超人ですよ。
この人の安定感・安心感ったらないですね。この人がやっときゃ間違いないぞ、っていう。
某大統領は「大根役者だ」とか酷評してましたが、それによってさらにご自身の評判を下げるというなかなかアクロバティックな言動が期待を裏切りません。


