映画レビュー0459 『ムーンライズ・キングダム』

あまりにも「グランド・ブダペスト・ホテル」が良かったので、ウェス・アンダーソン監督の別作品を、ということで借りてきました。元々気にはなってたタイトルなんですけどね。これ。勝手にウディ・アレンの映画かと思ってました。ウディ・アレンの映画も観たこと無いのに。

ムーンライズ・キングダム

Moonrise Kingdom
監督
脚本
ウェス・アンダーソン
ロマン・コッポラ
音楽
公開
2012年5月25日 アメリカ
上映時間
94分
製作国
アメリカ

ムーンライズ・キングダム

1960年代のある島。ある日、ボーイスカウトの少年が脱走し、ある家に住む少女と駆け落ちする。彼を探すボーイスカウトの面々と、少女を探す家族、そして依頼を受けた保安官が、島中を巻き込んでてんやわんやの大騒ぎに…。

独特の雰囲気を持った、少年少女のラブコメ。

7.5

これまた「グランド・ブダペスト・ホテル」同様、オープニングのカメラワークからして独特で、なるほどウェス・アンダーソン監督の作品ね、と一発で納得させられる作り。まだ2作しか観ていませんが、どちらもそのカメラワークもそうだし、コメディなんだけどちょっとブラックなテイストもあるし、やや懐古調のなんとも言えない郷愁を誘う雰囲気もあるし、この人“らしい”映画だな、というのはすぐに感じられました。面白い監督さんですね、この人。ここまで“色”を出せるのは。

一風変わった少年と、おませな少女の駆け落ち騒動に、ちょっと抜けた大人たちが巻き込まれるラブコメという感じですが、「ラブコメ」と言うとちょっと印象が違う気もします。もはや監督自体がジャンル化してると言った方がしっくり来るような。「ジャンルはウェス・アンダーソンです」みたいな。笑えるし、抜けてるし、でも毒もあるし、っていう。

時代背景とともにやや風刺の色が濃かった「グランド・ブダペスト・ホテル」と比べると、ほろ苦さという意味ではだいぶこっちは薄まっている印象で、その分あっちの方が深くて好きだったなぁと思いますが、とは言えやっぱりオリジナルの雰囲気は素晴らしく、未経験の方はぜひ一度観てみて欲しいと思います。

少年少女が主人公のラブコメ故に、ちょっとくすぐったいような“あの頃”が羨ましいような、観ていて楽しいんだけど少し胸に刺さる甘酸っぱい感じ、これもまたこの映画オリジナルの味わいなんでしょう。

そこにテンポの良いコメディタッチのストーリーが差し込まれ、中身なんてあってないようなものではあるものの、終始飽きさせません。こっちは「ブルーレイ欲しいな!」っていうほど気に入ったわけではないんですが、それでもやはり劇伴含めてセンス溢れる内容には唸らざるを得ません。

「おせぇよ!」と言われそうですが、ちょっとウェス・アンダーソン監督、今後も目が離せないな、と。

ただ続けて何作も観たら飽きそうな気もするので、普通の映画を差し込みつつ、この人の映画も、っていうのがいいかもしれません。

このシーンがイイ!

ダンスを踊るシーンは、なんか良かったですね。青春だなぁ、と。

ココが○

やや黄みがかった色合いが秀逸です。雰囲気最高。

ココが×

ベースとしてこっちは恋愛、「グランド・ブダペスト・ホテル」はサスペンスだったので、その分一歩評価が下がるかな、というところ。強いて言えば、です。

MVA

これまたどの人も良かったですが、今回は。

ブルース・ウィリス(シャープ警部役)

額に血管浮き上がらせるブルース・ウィリスはあんまり好きじゃないんですが、この映画みたいに力が抜けてるおっさんとしては好きだな、と最近気付きました。この役も他の人でも良さそうなもんですが、でもやっぱりこの人がやるシュールさって捨てがたいんですよね。すごく良かったです。

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