映画レビュー0814 『ゴースト・スクール』

この日は台風が来てまして、予定外に定時で帰ってきたのでちょうどいいや、ってことで(またも)ネトフリから当日配信終了だったこちらの映画をチョイス。

ちなみにどうでもいい変更ですが、今回から「視聴環境」の項目を追加しました。要は何で観たか、っていう記録です。

古い分も順次追加していこうと思いますが、暇な時にダラダラやるだけなので時間はかかると思います。古いレビューに関しては記憶も曖昧なんですが、適当に入れるので一つよろしくどーぞ。

まあ自分の確認用でしかないので読む人にはあんまり関係ないんですけどね。

ゴースト・スクール

Promoción fantasma
監督
ハビエル・ルイス・カルデラ
脚本
クリストバル・ガリード
アドルフ・バロー
出演
ラウール・アレバロ
アレクサンドラ・ヒメネス
ハビエル・ボーダロ
アンドレア・ドゥーロ
チャーリー・ビューリー
音楽
ハビエル・ロデロ
公開
2012年2月3日 スペイン
上映時間
88分
製作国
スペイン
視聴環境
Netflix(PS3・TV)

ゴースト・スクール

小さい頃から霊が見えるために変人扱いされてきたモデスト。新たに赴任した学校では30年近く前に亡くなった生徒5人の霊による怪奇現象のせいで何人もの教師が辞める事態に陥っていた。困った校長は霊が見えるモデストに解決を依頼、彼は霊たちを成仏させるために「霊のための授業」を始めるのだった。

爽やか幽霊青春コメディ。

7.0
霊を成仏させるためには!? 彼らのやり残したことをお手伝い
  • 幽霊がいたずらしまくりのコメディ…のようでいて「幽霊の青春映画」
  • ややヒューマン系の良さもアリ
  • 怖さはゼロなので誰でも安心
  • ハリウッドでのリメイク決定済みだとか

スペイン発の「幽霊コメディ」。ジャンル的には結構「ホラーコメディ」とか書いてあるところが多いんですが、ホラー感はゼロ。言ってみれば“学園版「愛が微笑む時」”です。あの映画を観たことがある人ならわかりやすいと思います。

僕は「霊感ってなんぞや」というタイプなので、幽霊的なものはまったく見たこともなければ感じたこともないんですが、この映画の主人公・モデストさんはまー霊感が強いとか弱いとかそういうレベルじゃないぐらいに「普通に見える」人のようで、オープニングで描かれるエピソードからもわかる通り、なんなら「普通の人と幽霊の区別がつかない」ぐらいに見えちゃってるんですよ。これが。

でも「幽霊が見える」なんて言うとやっぱりバカにされたり変人扱いされたりといろいろ苦労も絶えないんでしょう、大人になったらすっかり目の死んだダメ人間になってしまい、教職についたはいいものの何校もクビになっては転々としているような有様。

それでも割とすぐに次が見つかり、しかも校長が若くて綺麗というまさかの学校に赴任することになるんですが…実はこの学校、30年近く前のパーティ中に起きた火事で5人の生徒が亡くなっていて、彼らがそのまま亡くなった図書室に地縛霊として存在しているという曰く付きの学校だったわけです。

もちろん普通の人たちには彼らの霊は見えないので、「怪奇現象の多い学校」という認識(それはそれでどうなんだ)なんですが、残念ながらモデストにはすべて見えてしまい、また普通に会話もできてしまうということでついに待ち望んだ人材が我が校に! 的に校長には頼りにされ、仕方なく彼ら5人を卒業という名の成仏に導くべく、モデストは彼らのための「特別授業」を行うことになります。

いわゆるポルターガイスト現象的な、勝手に物が動いたりなんだり、っていうのは単純に彼ら5人が物を持って脅かしてるだけ、というある種牧歌的なオバケの皆さん。そんな彼らを見て話せる男・モデストが彼らを説得し、「いい加減成仏しよう、そのためにやり残したことをやり遂げよう」ということで勉強を教え始めるわけですが、ただ当然ながらテストに受かったところで終わりというわけでもなく、彼らが(本人すら気付いていない)本当にやり残したことを一緒に探し、見送ろうとするのが主題になります。この辺がそのまま「愛が微笑む時」っぽいわけですが。

基本はコメディなので、深刻さもないし基本的にいたずらレベルしか霊としての能力を行使しないかつての生徒たちも微笑ましいし、一応それなりの悪役はいるもののかわいいもんだしで、全体的に優しく爽やかなコメディになっていると思います。

その上舞台は学校で霊たちも学生なので、ちょっとした学園モノのラブコメだったりヒューマンコメディ的なニュアンスも入ってきたりして、とても嫌味のない誰でも観やすい映画だと思います。上映時間も90分弱で短めだし。

ただ…こなれたアメリカ映画に慣れちゃってるせいなのか、ちょーっと“タメ”が足りないと言うか、もう少し盛り上げてからのゴーを期待したいところも全体的にサラッとしているので、あまり感情を高ぶらせることもなくサクサク進んじゃう感じがすごくもったいない気はしました。

舞台装置も方向性も良いと思うんですが、良くも悪くも盛り上げ不足な面が否めず、「うあーもうちょっと高めてくれー!」とちょっともどかしい。

「良くも悪くも」というのは、やっぱり(難しいところなんですが)盛り上げ上手過ぎるとそれはそれであざとくなっちゃう面もどうしてもあるので、この「盛り上げベタ」な部分は実はメインストリームじゃないからこその良さみたいなものもあると思うんですよ。おそらくは商業的な作りの効率性だったり文化の違いだったりするんでしょうが。

そんな前提を考えると(アメリカ的にこなれるであろう)リメイク版はもっと面白くなりそうで期待できそうだなと思うんですが、ただそうするとこなれ過ぎちゃって鼻につくリスクも出てくるし、なかなか我ながらワガママな客だなと思います。

もう一点、エピソードの展開のさせ方が結構急だなと感じるような場面も多く、(これも盛り上げベタにつながるんですが)もうちょっとフリを丁寧にしたほうが良いんじゃないかな〜と感じる部分もありました。この辺はもしかしたら少し尺を短くしすぎたのかもしれないですね。もう10分20分フリを入れればまたちょっと違ったのかも。

ただこの辺はやっぱり文化というか、見慣れている映画との違いで気持ちの置き場所が定まらなかった可能性もあるので、なんだかんだ最終的には観る人次第なのかもしれません。

そういう部分も含めて、少しライト向け&比較的若い人向けの映画かな、という気もします。ヨーロッパ映画にもこういう軽くて観やすいのがあるんだぞ、と知るには良いスタートの1本になるかも。

少し物足りなさはありましたが、しかしやっぱり嫌味のなさは素直に良いなと思います。気軽に観るには良い1本ではないかと。

ネタバレ・スクール

やっぱり「5人のやり残したこと」をいかに完遂するのかがキーだと思うんですが、その全部があっさりしすぎてたのでそこが一番もったいないと感じたところでしょうか。

「俺が火をつけた」話にしても一回言って謝って終わりだし、妊娠させられたかつての恋人も「実はこいつでした」の種明かしのみでその先のもう一歩、やり込めるところが無いのはもったいない。その後彼自身はやり込められましたが、妊娠させられた彼女とは関係のない部分での話だし、もうちょっと直接対決的な話があっても良かったんじゃないかなーと。

「あれ? ああ、あれでもう終わったことになったのか」を繰り返しての最後の一人、ピンクフロイドのエピソードもあっさりしすぎてて残念。目隠しして「ここだよ」ってさっきまでいたところじゃん! っていう。その上踊りまくって気持ち悪くなって「もういいです」はなぁ…。もうちょっと周りが本物っぽい空間を作って、とか工夫するところが観たかったですね。

このシーンがイイ!

校長先生がなんかしょっちゅう食ってるのは好きでしたね。オーシャンズ11ブラピかよ、みたいな。

中盤で劇伴をバックに特訓開始! みたいなのもベタながらイイシーンでした。好き。

ココが○

設定的にはありがちかもしれませんが、ただその幽霊の設定を青春コメディに持っていって爽やかな学園モノに仕立てたのは良かったと思います。

ココが×

やっぱり盛り上げ方、かなぁ。もう一歩突っ込んで欲しいところをサラッと終わっちゃう場面ばっかりで。焼鳥に3切れしか刺さってない感じ。5切れ食わせてくれよ。

MVA

スペイン映画ということもあって、観たことがある人は(多分)一人もいなかったんですが、そんな中選ぶなら…。

アレクサンドラ・ヒメネス(ティナ役)

校長先生。めっちゃ若い。そして無駄にセクシー。

一応はヒロインなので、そういう役割を充てられた映画的人選ではあるんですが、やっぱり日本人としては校長先生がこれかよ、っていう謎の高揚感がありましたね。

ちょっとかわいい面もあるし、いつもタイトスカートでいい感じだし。こんな校長先生いたらもっと勉強がんばるよな、っていうベタな感想。良かったです。

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