映画レビュー1551 『355』

CM多すぎて腹が立つので今後しばらくは原則としてアマプラの終了は追わない方向になりました。よって今回はネトフリです。

355

The 355
監督
脚本

テレサ・レベック
サイモン・キンバーグ

原案

テレサ・レベック

出演
音楽

トム・ホーケンバーグ

公開

2022年1月7日 アメリカ

上映時間

122分

製作国

イギリス・アメリカ

視聴環境

Netflix(Fire TV Stick・TV)

355

男がやってたことを女に変えただけ。

6.5
世界中のあらゆるネットワークをハッキングできる夢のデバイスを巡る争奪戦
  • “覇権”を握れるデバイスを悪い奴らに渡すわけにはいかない、と各国スパイが共同戦線
  • 即席チームでいがみ合いつつも次第にチームとしてまとまっていくいつものパターン
  • 双方に思惑があるうちは面白みもあるものの、結局性別を変えただけのハリウッド映画
  • 最近陳腐な男を演じがちなセバスタがある意味見どころ

あらすじ

評判的にも内容的にも悪くなさそうだと思って観たんですが、例によって既視感のある展開ばかりでがっかりオブがっかりでした。

コロンビアの麻薬王の息子が「世界中のあらゆるシステムにアクセスでき、コピーも出来ない唯一無二のデバイス」を開発。
それを買いに来た裏社会の大物クラーク(ジェイソン・フレミング)は金を払う代わりに弾丸で支払うぜとばかりに銃撃戦に突入、タダゲットを目論みますが直後に踏み込んできたコロンビア国家情報局の捜査官・ルイス(エドガー・ラミレス)によってデバイスは差し押さえられます。
ルイスはそのまま横流しを計画、「裏社会に流すのはリスクが高いから」という理由でCIAに接触してきたため、メイス(ジェシカ・チャステイン)とニック(セバスチャン・スタン)のコンビが交渉のためパリへ。
しかし途中謎の女による妨害で取引は失敗、女を必死に追うも捕まえられなかったメイスはさらにその過程でニックまで失ってしまう大失態を演じます。
親友だった(上に直前に一線を越えてフヮ~ォ♡してしまった)ニックの敵討ちのため、またデバイスをなんとしても手に入れるため、メイスはロンドンで旧友のMI6工作員ディジー(ルピタ・ニョンゴ)に協力を依頼、ルイスを追いますがまたも謎の女に邪魔され、おまけにルイスは殺害されデバイスも奪われてしまいます。
残るヒントはルイスと行動をともにしていたセラピストのグラシー(ペネロペ・クルス)。
彼女を確保した謎の女ことドイツ情報局のマリー(ダイアン・クルーガー)の元に踏み込むメイスとディジー。
一触触発の状況ですが、しかし協力するしか無い…ということでチーム結成、デバイス奪取に乗り出します。

圧倒的なひねりのなさ

序盤はなんやかんやと敵対し合いますが、結局利害が一致して国境・組織の壁を越えたチームを組むことになるスパイ映画。メンバーは全員女性ですがストーリー上は「たまたま女性だけだった」形。ですがもちろん制作上は狙って女性だけのメンバーにしているのは間違いありません。
主人公であるメイスとそのライバル的に描かれるマリーは前線担当、ディジーはデジタル関係担当の後方支援、そして素人ながら同行を余儀なくされる一般人のグラシーがメイン。後半になってファン・ビンビン演じるリンも参戦してくるよと。
RPGで言うならDPS担当がメイスとマリー、タンク担当がディジー、ヒーラー担当がグラシー、そしてビンビン担当でファン・ビンビンという感じですね。(ビンビン担当)
2トップのジェシカ・チャステインとダイアン・クルーガーがとにかくかっこいい映画なので、かっこいい女性が見たい人にはうってつけの映画と言えるでしょう。

だが…!
本当に元も子もないことを言いますが、もうどこをどう切り取っても「男がやってたことを女に変えただけ」の映画なんですよね…。女性ならではの良さ、面白さがまるで無い。
例えばジェシカ・チャステイン→トム・クルーズ、ダイアン・クルーガー→ダニエル・クレイグ、ルピタ・ニョンゴ→ドン・チードル、ペネロペ・クルス→マイルズ・テラーに変えてやっても全然成立するしなんなら面白そうじゃねーかっていう。(おそらくこの形でやるなら女性一人は入れるはずなのでペネロペさんだけそのまま、とかになりそう)
当ブログをご覧の方であればおわかり頂けると思いますが、僕は女性にもっと活躍してほしいタイプの人間なので、こういうコンセプトの映画は大賛成なんですよ。だからこそ観たわけだし。なので「女なんかにやらせないで男にやらせろよ」みたいなしょうもない価値観で文句を言っているわけではない、ということは改めて書いておきます。

それを踏まえた上で書きますが、早い話があまりにも「いつものスパイ映画を女性がやっただけ」の内容なので、これってあえて女性チームにした上で新たに作る必要があるの? と疑問しか感じませんでした。ひねりがなさすぎる。
なんて言うんですかね…文章だと伝えるのが難しいんですが、「女性チームにして作る」のは良いとしても、作った物語がもうどうしようもなくベタなので、そもそも男女関係なく粗製乱造映画作ってんじゃねーよみたいな話です。言いすぎかも知れませんが。
もうどうせならこれでもかと男どもをこき下ろすような内容にしてほしかったんですがそれもなく、かと言って男性陣ともしっかり協力して…みたいなこともなく、単純にセバスタが安い男を演じているだけという…。いやセバスタのこの感じ、好きなんだけどさ。しょうもない男を喜んで演じてくれる感じの良い意味でのプライドのなさとかさ。
どうせなら敵ボスも女性にした方が良かったんじゃないかと思うんだけど…。どうせならもう主要キャラ全員女性でいいじゃん、っていう。
中途半端に主人公サイドだけ女性で固め、敵側は相変わらずひねりのないキャラクターでベタなCIA仕草が蔓延しているだけのスパイ映画ってもう作る意味無くない!?
とは言え「女性ならではのスパイ映画」ってもう色仕掛けぐらいしか思い浮かばないしそんなの今どきNGもNGなのは百も承知なので、じゃあどうすればよかったんだよと聞かれれば答えが出てこない悲しさではあるんですが。そこはやっぱり娯楽の殿堂ハリウッドの頭脳でなんとかしてくれよと。
まーやっぱり中途半端ですよね。主人公チームだけ女性にしていつも通りの話、っていうのは。
これを観て、やっぱり世間的評価はイマイチですがリブート版の「ゴーストバスターズ」は良かったなぁと改めて思いました。ジェンダー的な意味で。
あの映画はこの映画と同じく女性チームなものの、彼女たちの秘書的な役割をやたらアホっぽいけど愛想の良いクリヘムが演じていることが肝だと思うんですよね。そこでバランスを取っているというか。
こっちはそういうシンボルになるキャラもいないし、本当に性別入れ替えただけ。セバスタがもっとアホっぽければよかったのか…?

狙い通りではあるっぽい

まあこれまた例によって世間的にはそこそこの評価なようなので、気になる方は観てみるといいかもしれません。
ちなみに散々腐しましたが、元々は主演のジェシカ・チャステインが「ミッション・インポッシブルや007のようなものを女性がやる」感じのアイデアで監督に提案したそうなので、狙い通りと言えば狙い通りなんでしょう。
でも結局アイデアそのまますぎない?
そこにもう一味違った何かを加えるのがクリエイティブなんじゃないですかねぇ!?
と嫌味なことを言って終わります。よろしくどうぞ。

このシーンがイイ!

ダイアン・クルーガーの去り際がかっこいい!

ココが○

ネタバレになるので詳細は書きませんが、意外とシビアなところはシビアなのはまあ良かったです。ただそれも陣容で予想できちゃういつもの感じではあるんだけど…。
序盤のメイスとマリーがバチバチにやり合う感じは好きでした。あのまま双方の対決で良かったんじゃないの…。

ココが×

上に散々書いた通りです。女性チームになったところで女性ならではの何かがまったくないところ。

MVA

役者さんは皆さん良かったと思います。
その中でも…選ぶならこの人かな。

ダイアン・クルーガー(マリー・シュミット役)

ドイツ情報局所属のエージェント。パワー型。
単純にめちゃくちゃかっこよかった。
最初全然気付かなかったんですけどね。「なんか見たことある人だなー」って。例によって節穴ですよ。

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