映画レビュー0949『ボーン・アイデンティティー』

ご存知ボーンシリーズですよ奥さん。

この度ネトフリで最新作を除いた4作が一気に配信終了、ってことでいい機会なので全部観ることにしました。ちなみに過去にこの1作目だけは観たことがあります。

ヒロインがイマイチかわいくなかったぐらいしか記憶がなく、内容はほぼ覚えてません。

ボーン・アイデンティティー

The Bourne Identity

今となってはいろいろ追い抜かれた感が強い。

7.0
記憶を失い、かつての所属先であるCIAから追われる元スパイ
  • ひたすら逃げる、逃げるのが主題の映画
  • その中で彼の過去の記憶とそこにつながる陰謀を辿っていく
  • 謎は完全に解決することもなく、次以降へ持ち越し感アリ
  • ヒロインが地味

あらすじ

もう本当にまったく内容を覚えてなかったんですが、観終わってその後の作品も観た上でこれを書いている現在、またもすっかり内容を忘れそうです。なんなんでしょうか、このあっさりとした感じ。ちなみに先に書いちゃいますが、シリーズ全部がそんな印象です。

ある漁船が海に浮かんでいる一人の男を発見、死体かと思われた彼は生きているものの記憶を失った状態です。そう、彼こそがジェイソン・ボーン。ジェイソン・ボーンが映画界にボーンした瞬間です。

結局記憶も戻らないまま陸に戻った彼は、自身に埋め込まれていたマイクロカプセルが表示するスイスの銀行へ向かいます。

そのマイクロカプセルが表示する口座はいわゆる貸金庫で、預けられていたものはそれぞれ名前が違う各国のパスポートや大金、そして銃といった「どう考えてもカタギじゃない」アイテムばかり。

銃を除く一通りのアイテムを持ち出した彼ですが、その彼を見た銀行の警備員があるところへ通報、程なくして彼は追われる立場に。

逃げ込んだアメリカ領事館でも追われた彼は、たまたまその場に居合わせた女性のマリーに金を払い、「ジェイソン・ボーン」という名のパスポートに書かれていた自身の居住地と思われるパリのマンションまで送ってもらうことにするんですが…。

今になって観ると古さも感じる

先に言っちゃいますが基本的にこの後2作(「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」)も逃げるのが主体で常に追われ続けるお話です。なので正直ちょっと飽きもします。

もちろん個々では反撃に転じるようなフェーズもあるものの、それでも追われながらの話なので結局は常に“逃亡者”です。

この辺きっとこの当時は新しかったのかなぁと思うんですが、今になって観るといろいろ観たことがあるようなエッセンスが多いような気もするし、それだけこの映画が後に影響を与えている面もあるんだろうとは思うんですが…今観て手放しに大絶賛、とはいかないかなぁというのが正直なところ。

僕はおっさん特有の症状として時代感覚がバグっているので、結構最近の映画だろうと思っていたフシがあるんですが気付けばもう17年も前の映画なんですよね…。CIAですらすべてのモニターがブラウン管という衝撃。そんな古いのか…。っていうか2000年代前半がすでに古い時代になってきたのか…。

僕がこの映画について唯一覚えていた記憶、「ヒロインがかわいくない」については「かわいくないとまでは言い過ぎだけどやっぱり微妙」という形で決着。ただこの後2作も観た上で言えば、シリーズ通して女優陣が渋めな気はするので、このシリーズはこれで良いのかもしれないという気もしないでもないです。

加えて…この当時はまだマット・デイモンもあどけなさが残るぐらいに若く、当時はまだまだ間抜け面感が強めの印象なので、「超人的能力を持った元スパイ」的な雰囲気があんまり無いんですよね。僕の好みの問題なのかもしれませんが。ようあの“末っ子キャラ”のオーシャンズの頃にこの役やらせたよねという気もまたしないでもないです。

いい人に描こうとしすぎ?

正直に言うとあまり印象に残っていない部分が多く、言い方は悪いですが「ここまでヒットするほどの映画かなぁ」と思いました。いや面白いんだけどね。面白いんだけど、そこまで際立ってヒットするほどのものを感じなくて。ヒロイン地味だし。

おそらくこの「記憶喪失した元エージェントが組織から追われつつ陰謀を突き止めようとする」話は当時にしては珍しかったんでしょう。かと言って最近似たような話があるのかと聞かれればあんまり出てこないんですが、ただこの映画が作り出したこの世界観やらアクションやらは今後ある程度いろんな映画やドラマに受け継がれていくものだったんだろうと思います。

にしても最近はスパイ映画もさらに花盛りになってきた感もあり、それぞれが切磋琢磨して趣向を凝らしてきているだけに、今このシリーズを観たところであまり新鮮味があるようには感じられないのがつらいところ。

さすがに「逃げ続ける」話だけに危機回避能力はずば抜けていて、その逃げっぷりのすごさは面白いんですが、ただやっぱり「逃げ」が主体の話は(好みもあるんでしょうが)スカッとした爽快感に欠ける気がするし、シリーズ通してそれが続くのでどうしても飽きます。向き不向きもあるかもしれません。

ジェイソン・ボーンは徹底して不殺を貫き、「襲われたらやり返すけど必要以上に叩かない」タイプの人物なので、攻めに転じて壊滅させてやろうみたいなものもないんですよね。それがすごく不満というか、カタルシスに欠けるヒーローだなと。必要以上に良い人として描こうとしすぎて、ヒーロー的な魅力に欠けるキャラクターのような気がしました。

僕が思うに、この不満を解消した後発の“ヒーロー”がマッコールさん(イコライザー)なのかなと思いますね。「俺はそのつもりはないけどお前がやるって言うなら徹底してやってやんぞ」っていう。そこがかっこいいし気持ちいいわけですが、その気持ちよさが欠けてるのがジェイソン・ボーンという印象で、それがとてももったいないと思うわけです。

不思議なぐらい残らない

まあそのマッコールさんのキャラメイクにしてもジェイソン・ボーンありきの可能性もあると思うし、このシリーズが残した影響というのは今に残る面もいろいろあるんでしょう。もっともそれを含んだ上で、逆にそこまで後々に影響を与えるほどの映画なのかという疑問も残りました。要はハマらなかったんだけど。

ものすごく頭に残らない話なんですよね。不思議なぐらい。一応集中して観たし、2回目なのに。

やがて数年も経てば思い出すのは一つだけで、「ヒロインがかわいくない」ですよ。きっと。ごめんねフランカ・ポテンテ。

ネタバレ・アイデンティティー

一応ネタバレに書いておくことにしますが、結局「すべての謎は解けない」続編ありきな内容なのも不満でした。

結構な陰謀っぽさを醸し出しつつ、でも情報は小出しだし明確な答えは何もないので消化不良感がすごい。

僕が疎いだけかもしれませんが、あまり全容についてもよくわかっておらず…。結局は「コンクリンの暴走」というシナリオにして彼を排除するためだけの話だったんでしょうか。でもだったらそれこそボーンもきっちり始末しないと不安は残るし、なぜ「コンクリン殺したから一段落」になったのか謎。この辺も続編ありきな感じが強い。原作はどうなんだろ…。

それと観ていてすごく不満だったのが、“教授”(クライヴ・オーウェン)のやられ方。いくら何でもスナイパーがあんなヌルいやられ方しないでしょ…。

スナイパーなんて我慢してナンボなのに、サクッと場所移動した上に即座に身を晒してやられちゃう、ってちょっとお粗末すぎて納得できませんでした。

この辺のツメの甘さもイマイチ感につながったかなぁ。

このシーンがイイ!

序盤ですが、ベンチで寝てたところに警察が来て一気に倒す感じ、あのアクションの見せ方は好きでした。

所々の危機回避シーンは良かったですね。

ココが○

常に追われているだけにそれなりに緊張感も続くし、何の気無しにダラッと観るには良いと思います。

それとこの映画だけダグ・リーマンが監督してるので、地味ですが地力を感じる気はしました。多分好みの問題で気のせいです。

ココが×

結局謎もよくわからず、きちっとした解決もないので連続ドラマの前半終了ぐらいの印象。続編ありきだよな、これは…。

MVA

マット・デイモンはやっぱりちょっとこの頃はあどけなさが目立つので、アクションは良いもののジェイソン・ボーンその人としてはもうひと頑張り欲しい気がする。

ヒロインは言わずもがなで今一歩、となると一番はこの人でしょうか。

クリス・クーパー(アレクサンダー・コンクリン役)

ボーンを追うCIAの責任者的存在。

かなり偉そうなんですよね、彼。上司であるはずのアボット(ブライアン・コックス)に対してもかなり横柄だし。

ただそこが良いというか、クリス・クーパーらしい尊大な雰囲気がすごく良かったですね。渋いし。

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