映画レビュー0114 『バタフライ・エフェクト』
お友達のユキタマー(仮称)さんのHP、たまがわ推薦作品ということで。
「たまがわ」は僕のようにウダウダ長く語らず、読みやすくてオススメです。
バタフライ・エフェクト
サスペンス仕立てのバック・トゥ・ザ・フューチャー。
これはいわゆる「ネタバレ回避が難しい映画」の一つですねぇ。がんばって興を削がない程度に書くぜ!
少年がやがて青年になり、過去に戻れる能力に気付いてから、いろいろ自分の人生で「変えたい」と思った時点へ戻り、その影響で世界が変わり…というお話。まさに形を変えたバック・トゥ・ザ・フューチャー。パラレルワールド満載のお話です。
ぜひバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2の「変わってしまった現代」で、ドクがマーティに黒板を使って説明した、あのパラレルワールドの説明を思い出しながら観ましょう。
一番明確なバック・トゥ・ザ・フューチャーとの違いは、話が非常に重いこと。あっちは娯楽ですが、こっちはサスペンスの色合いが濃く、その分現代的というか、「よかれと思ってやったのに」というあり得そうな怖さみたいなものはすごく感じられましたね。
特に前半の子供の残酷さみたいなものは本当に観ていてしんどいものがあって、かなり憂鬱な気分で観てました。正直、ラストがもっと違った形であれば、「面白かったけど好きじゃない」映画だったでしょう。
そう、そういう意味でもラストがいい。
当然、どういう形のラストかは言えませんが、僕は泣きました。まさかこの映画で泣くとは思ってなかったので意外や意外。ぜひその“読後感”ならぬ“観後感”は観て味わってみてください。
いろんな“過去”の思いがあってのラストだと思うので、すごくわかるし、でもすごく切ないし、という。ラストに流れる音楽も良かった。面白かったです。
やや(精神的に)残酷な場面が多いので、好みの問題で8.5としましたが、内容的には9.0でもいいかなと思います。
バック・トゥ・ザ・フューチャーつながりで言えば、あの“初代マーティ”としてマイケル・J・フォックスの前にマーティ役にキャスティングされていたエリック・ストルツが出てきます。これにはビックリ。
ちゃんと観たのは初めてでしたが、今観てもマーティっぽい! どことなく面影がマイケル・J・フォックスに似ていて。
エリック自身は比べられるのもマーティの話を出されるのも嫌だろうとは思いますが、気遣いゼロで言ってしまえば、こういうつながりの縁というか、その不思議さもなんだか味わい深かった気がしますね。
このシーンがイイ!
もう問答無用でラスト。ラストが良い映画はやっぱりイイ。
特典の別バージョンのエンディングも観ましたが、正式なエンディングが一番良いと思います。
ココが○
脚本はさすが話題になっただけあって練られてますね~。
途中までは少しわかりにくい面もあったんですが、繰り返しが入ることでだいぶ「この演出=こういう意味」みたいなのがわかりやすくなってくるので、実はあまり観る人を選ばない映画かもしれません。
ココが×
ほんとにねー、「悪トミー」がムチャクチャ悪いやつなんですよ。
特に愛犬家としては犬にアレするのだけは許せなかったな…。まあ、印象を残すための脚本なので、うまいと言えばうまいんですが。
っとそういう感情的な部分は置いといても、ひどい話の部分はとにかくひどい話に仕上がってるので、結構精神的にしんどい話ではあります。追い込まれてるときとか観るときついんじゃないかなぁ。途中は。
あと、過去に戻るときとか記憶をなくした時の演出が結構ドキっとさせる音の大きさとかだったりするので、
でした。MVA
さて役者陣ですが、パラレルワールドのお話だけに、とにかくみんな変わる変わる。こいつ同じやつかよ! と三村先生もツッコミまくること間違いなし。
話の流れとしても当然ですが、主人公だけはずっと同じ感じのままで、そういう楽しみみたいなものはなかったんですが、その他の友達やら恋人やらお母さんやらの変貌ぶりがすごい。「善トミー」とかもう信じられないぐらい。
で、そんな中一人。
エイミー・スマート(ケイリー役)
主人公の幼なじみであり、恋人であり、友達であり、いろいろ。
最初の「冴えない幼なじみ」、次の「かわいい恋人」、その次の「墜ちたやさぐれ女」、どれも全然違う! この人すごいですね。
メイクのうまさもあると思いますが、いい女優さんを選んだと思う。かわいらしい表情と、ダメな表情がほんとにそれっぽい。
恋人&やさぐれの両極端はある意味落差を付けやすいのでやりやすいにしても、「冴えない」人物像もちゃんと出来てるのが良かった。