映画レビュー0654 『レッド・オクトーバーを追え!』

今回も配信終了間近ということでこちらの映画を。

ちなみに次レビュー予定は「エージェント:ライアン」なんですが、あの映画も今回の映画も主人公がジャック・ライアンという(架空の)同一人物だそーで。「エージェント:ライアン」はいわゆるリブート版で、それまでに映画としてはこの「レッド・オクトーバーを追え!」以外に「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「トータル・フィアーズ」と3本あります。

「パトリオット・ゲーム」は昔観た記憶がありますが内容はサッパリ覚えておらず、またこの「レッド・オクトーバーを追え!」も同じく大昔に観たはずなんですがサッパリ覚えていないので、まあ有名タイトルだしもう一度観てみるか、ということで観てみました。

レッド・オクトーバーを追え!

The Hunt for Red October
監督
ジョン・マクティアナン
脚本
ラリー・ファーガスン
音楽
公開
1990年3月2日 アメリカ
上映時間
135分
製作国
アメリカ

レッド・オクトーバーを追え!

冷戦時代、ソ連から大型原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」が出航、それに少し遅れる形で他のソ連軍潜水艦が一斉に出航する。すわ戦争か、と緊張高まるアメリカ政府だったが、CIAアナリストのジャック・ライアンは、この一連の行動を「レッド・オクトーバーを手土産にした亡命策ではないか」と言う見立てを立てる。

冷戦時代ならではの緊張感溢れる軍事サスペンス。

8.0

今観ても面白いのかは不明ですが、僕はかれこれ20年以上前に観た「クリムゾン・タイド」が痛くお気に入りだったことがあり、それ以来「潜水艦映画」に対する期待感みたいなものが強い気がします。潜水艦は情報が限られる分、良い意味で煽りやすいし疑心暗鬼に陥りやすくてドラマを生みやすい…という軍事サスペンスとしては格好の舞台だと思うんですが、まあ時代なのか…冷戦終結後はあんまり観なくなった気がしますねぇ…。この映画も1990年の映画なのでもう30年近く前の映画になりますが…やはり潜水艦映画らしい緊張感がたまらない、今観ても十分楽しめる軍事サスペンスになっていました。

この映画に登場する「レッド・オクトーバー」は、タイフーン級っつー…まあドデカイ原子力潜水艦でですね。ほぼ無音で推進できるというこの当時(今どうかは知りません)アメリカですらなし得なかった超画期的推進システムを搭載しているため、事実上まったく敵に感知されずに突然敵の懐から核ミサイルを撃ち込めるという…アメリカとしては悪夢としか言いようのない機構を備えていて、この潜水艦が出航、そしてその直後に他のソ連軍潜水艦も大量に出航したという事実から、「いよいよソ連はアメリカに戦争を仕掛けるのか」と気が気でないわけです。

一方、実際のレッド・オクトーバー内では、政府よりお目付け役として乗り込んでいる政治将校(なんとその名前プーチン)を艦長が殺害、早いタイミングで「亡命目的だぜ」とお知らせしてくれます。しかし舞台は深海で通信手段も限られている上に、意図を知りようがないアメリカは撃沈を狙ってくるし、ソ連はソ連で政府高官が受け取った艦長からの手紙によって亡命の意志を知っていたためにこれまた彼らを撃沈したい。

そんな当時の超大国米ソ両国から睨まれつつ果たして艦長他将校たちは亡命できるのか、そしてアメリカ側のキーマン、ジャック・ライアンが艦長の行動から亡命の意志を読み取り、それを周りに信じさせることができるのか…というお話でございます。

ジャック・ライアンは今作に限り、今やただの中年太り脇役野郎と化したアレック・ボールドウィンが演じます。若い! 細い! 確かにこの頃ならジャック・ライアンみある。気がする

ただ今作の主人公は、レッド・オクトーバー艦長であり、ソ連のみならず世界中にその名が知られているという艦長ラミウスでしょう。こちらは当時この人以上にそれっぽい人はいなかったでしょう、ショーン・コネリーが渋く名演しております。最初は普通にロシア語で話してたくせに途中から突如英語になるという不思議展開にはやや違和感を感じましたが、まあ細かいことを言っても仕方がないのでそこは目を瞑りましょう。みなさん。

深海で米ソ両国の潜水艦に追われつつ、なんとか亡命を成し遂げたいラミウス他将校の面々と、偶然レッド・オクトーバーを探知し、プロ根性で撃沈しようと追い続ける米潜水艦「ダラス」、そして唯一ラミウスの亡命の意志に気付いたCIAアナリストのジャック・ライアンという主に3つの軍団のみなさんが物語を回します。

ちなみにソ連の追手艦長として若かりし頃のステラン・スカルスガルドも参戦。今回は脱ぎません

なにせ昔観た時の感想は一切覚えていないわけですが、今回観て思ったのは、この「レッド・オクトーバー(ラミウス)とジャック・ライアン」だけにとどまらず、米潜水艦「ダラス」の存在が物語をとても面白くしているな、と。

始めはたまたま“ソナーオタク”とも言うべきマニアックな軍人が発見してしまった、という偶然から、当然敵艦として補足して撃沈してやろうと息巻いている彼らですが、それが途中から「レッド・オクトーバーの近くに行きたい」ジャック・ライアンを乗せることになり、役割が180度変わってきます。この後の展開含め、その辺で奥行きを見せてくれた辺りがニクいぜと。思うわけです。

お決まりですがレッド・オクトーバーも一枚岩ではなく、どうやら内部に裏切り者もいるらしいということでピンチも続出、どこもかしこもすんなりとは行かない状況の中、果たして亡命は叶うのか、それとも亡命は罠なのか…!

この手の軍事サスペンス好きの方なら今から観てもしっかり楽しめるのは間違いないでしょう。昔「冷戦が終わると諜報モノがつまらなくなる」とかよく言われていましたが、確かにこの頃の冷戦を舞台にした映画を観るとそういう側面も一つにはあったのかな、という気もします。

もちろん冷戦なんて無い方が良いんですが、こと創作という意味では舞台として作りやすい良い時代なのかもしれない。そんなことを思った映画でございました。

このシーンがイイ!

1回目の「クレイジー・イワン」のシーンかなー。ベタですが良い緊張感。

ココが○

全体的に遊びもなく、テンポ良く進む映画なので、古い割に飽きずにしっかり観られると思います。やっぱり潜水艦いいよ潜水艦。

ココが×

反面、やっぱり絵面的にかなり地味で閉鎖的なシーンばっかり続くので、こういう映画が好きでないと眠くなりそうだな、という気もしました。その辺考えても男向けなのかなー。

MVA

確かにジャック・ライアンみのある若かりしアレック・ボールドウィンでしたが、とは言え主役というほど立ってもおらず。ショーン・コネリーは相変わらず渋くてそれっぽい感じでしたが、でも一番はこの人でしょうということで。

スコット・グレン(バート・マンキューソ中佐役)

追跡する米潜水艦「ダラス」艦長。

ティアドロップ的なでっかいメガネに時代を感じますが、しかしどうしてひじょーにシブい。かっこいい。

この人は悪役が多い気がするんですが、こういうシブくて良い役はたまりませんね。特に後半の見どころ(ネタバレになるので言えない)は最高でした。

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