映画レビュー0903 『アウトサイダー』

今回もネトフリ終了のものからチョイス。そこそこ評判が良さげだったのと、コッポラの映画だってことで選びました。

コッポラの映画を観るのは「カンバセーション…盗聴…」以来ですかね…。すげーひさびさ。

アウトサイダー

The Outsiders
監督
脚本

キャスリーン・ローウェル

原作

『アウトサイダー』
S・E・ヒントン

出演

C・トーマス・ハウエル
マット・ディロン
ラルフ・マッチオ
パトリック・スウェイジ
ロブ・ロウ
エミリオ・エステベス
トム・クルーズ
ダイアン・レイン

音楽
公開

1983年3月25日 アメリカ

上映時間

91分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(PS3・TV)

アウトサイダー

自分と違う青春を見下しながら羨ましさも。

6.0
貧困層の若者グループ vs 富裕層の若者グループの対立。
  • イキリあってるヤングたちのメンチバトルにほろ苦青春をブレンド
  • 時代的なものもあっていろいろゆるく、治安の悪さに懐かしさを感じる
  • いかにもこの頃らしい青春映画っぽさ
  • 出たての頃のトムクルさんが脇役で出演

あらすじ

あんまりこういうことは言わない方が良いのかもしれませんが…かつて(今ほど映画を観ていない頃)「青春映画はあんまり好きじゃない」と言っていたことがあったんですが、その頃を思い出すような…個人的にはイマイチ“響かない”映画でした。

かと言って良くない映画というわけではなく、おそらくこの映画はかなりの部分で観る人の経験や年齢や家族・友達関係と言った環境に評価が左右される映画のような気がします。

舞台はオクラホマ州らしいんですが、まあ80年代アメリカの「あんまり裕福そうではない片田舎」の雰囲気って感じでしょうか。この当時はそんなに珍しくもない割と狭いコミュニティの田舎町というイメージ。

主人公は主に二人で、どちらも貧困層グループの「グリース」に所属する少年、ポニーボーイとジョニー。16歳。彼らはいわゆるガキ大将的な兄貴分のダラス(演じるのはマット・ディロン。当然ながら若い)を慕っていていつも一緒に行動しているんですが、ある日ダラスがいない二人だけでたむろっていたところに同じ街の富裕層グループ「ソッシュ」のメンバーに因縁をつけられます。ちなみに彼らは二人よりも若干歳上で、18歳ぐらいっぽい雰囲気。

ポニーボーイがいじめのような仕打ちを受けているところに危機感と怒りを感じたジョニーは、持っていたナイフを取り出して…とまあ後は省略。

バカバカしいと思いつつもちょっと羨ましいヤンキー文化

そんなわけでですね、貧困層と富裕層のグループ同士の抗争的な、まあよくあるいがみ合いをベースにしつつ、ジョニーが起こした事件によって主人公の二人が“図らずも”忘れられない貴重な日々を青春の一ページに残し、その彼らの周辺にいる家族や仲間たちも巻き込んで描く「あの夏の出来事」的なお話です。別に夏じゃないんだけどそんな感じです。その方がわかりやすいでしょ。

僕は未だにタバコなんて一本も吸ったことがない(吸いたいと思わない)人間なんですが、そんなイキリ青春とは無縁の人間としては、売店で顔を合わせるなりいきなりメンチ切り合戦的な血気盛んな人たちの価値観は相容れないものがあるので、もうのっけから「やんのか!?」「んだよやんのか!? ああん!?」的なやり取りだらけの“田舎ヤンキー文化”的物語は正直退屈でした。

物語が動き出して、彼らが過ごした日々が後々どのような意味を持つのか、そういう価値の部分はよくわかるんですが、基本の行動原理のタイプがまったく違うために、有り体に言ってしまえば「こいつらバッカじゃねぇの」と思いながらずっと観ていた感じ。

とは言え最後の方になってくると、ここまで熱量を持って過ごす時期があること自体がとても羨ましく思える面も強く、なんと言うか…失ってしまった自分の時間を再認識させられるような、「こうなりたい」とは思わないんだけど羨ましいという、なんとも不思議な感慨を覚えるお話でもありましたね。

そもそも非常に醒めたタイプの人間なので、この映画に出てくるメンバーのように、ここまで熱量のある日常を過ごせる人を観るといつも羨ましさを覚える部分があって、その思いがとても強く出てくる映画だなと。

よくわからない脇役で出てくるトムクルさんも見どころ

物語としてはもうこれ以上特に語ることもなくですね。「自分も昔はやんちゃだったなぁ」とか、喧嘩に明け暮れた日々を思い出に持っているような人であればきっといろいろとグッとくるものがあるのかもしれません。

僕としてはそれよりも映画的な興味を惹かれた部分として、ある意味では影の主人公でもあるダラスを演じたマット・ディロンに対し、「グリース」に所属する何をやってるのかよくわからない兄ちゃんとして脇役で登場するのがトム・クルーズ、っていうこの組み合わせがなかなか今観るとレアで面白いなと思ったわけです。

他にも節穴の僕は気付かなかったんですがエミリオ・エステベスが出ていたり、相変わらずすげー綺麗だなと驚かされるダイアン・レインであったり、現代の映画ファン的にも楽しめるキャスティングは見どころの一つでしょう。

ちなみにこの映画と「コットンクラブ」、そして「ランブルフィッシュ」の3本を「コッポラYA(ヤングアダルト)三部作」と言うらしいので、せっかくだしそのうち「ランブルフィッシュ」も観たいと思っております。

っていうかBSプレミアムで放送してたのを録画したまま数年経ってるなんて言えない。

ネタバレイダー

やっぱりちょっと腑に落ちなかったのが、さすがに殺人を犯したのに特に捕まる気配がない、っていうのはどうなんだと。ジョニーにせよポニーボーイにせよ。

実際正当防衛は成立しそうな気はする(なんとなく)けど、その辺の話が当事者以外から語られないせいで実際に正当防衛扱いになったのかもわからないし、そこの部分はもうちょっとしっかり描いて欲しかったような気はします。ずっとモヤモヤ引っかかっちゃって。さすがに子どもたちを助けたから帳消し、って話じゃないわけだし。

このシーンがイイ!

まあ当然ですが…夕日のシーンでしょうか。あそこが一番見せたかったんだろうし。

ココが○

この手のお話が好きな人であれば、文句無しでグッとくる映画ではないかと思います。不良文化を愛する人には必見の映画なのかもしれない。

ココが×

とは言え僕はそこから正反対に位置するような人間なので、まったくそそられなかったのも事実。もうちょっと葛藤のようなものが観たかったかな…。

一番葛藤していたっぽい相手側の兄ちゃんの話をもっと観たかったような。

MVA

マット・ディロンの“それっぽい”兄貴分っぷりはなかなかフレッシュで良かったと思いますが…でも結局あんまりノレなかっただけに、いつものごとく男の特権チョイスで。

ダイアン・レイン(チェリー役)

ソッシュメンバーの彼女で、ポニーボーイとちょっと仲良くなるキュートガール。

気が強そうなのもこの手の映画におけるヒロインとしてはおなじみ感強めだし、役としては重要そうに見えて実際そうでもないという微妙なポジションではあるんですが…まあやっぱりお綺麗なんですよ。この人。

ストリート・オブ・ファイヤー」でもやっぱり印象的だったし、この頃のこの人はヒロインとしてかなりイイポジションにいたんじゃないかなと今更ながら思います。

ただ役としてはやっぱりありがちだし、ダラスに惚れそう的なセリフは失笑モノだったけど。なんじゃそら。

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