映画レビュー1548 『木曜殺人クラブ』

今回もアマプラで特に観たいものがなかったのでネトフリです。
前からやたら推してきてたのでちょっと気になってはいたこちらの一本。

木曜殺人クラブ

The Thursday Murder Club
監督
脚本

ケイティ・ブランド
スザンヌ・ヒースコート

原作

『木曜殺人クラブ』
リチャード・オスマン

出演
音楽
公開

2025年8月28日 各国

上映時間

118分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(Fire TV Stick・TV)

木曜殺人クラブ

だいぶヌルい。

7.0
高級老人ホームで殺人事件の推理を楽しむご老人たちが実際の殺人に直面
  • 毎週木曜に集まって未解決事件の謎を解く集まりを楽しむ「木曜殺人クラブ」
  • 住んでいる老人ホームが開発のための取り壊し話の最中、味方のオーナーが殺されて…
  • その後も続く殺人を解決するべく、木曜殺人クラブの面々が団結
  • ミステリーながらコメディ寄りなのでだいぶヌルい

あらすじ

悪くはないんですが良くもない、こう言ったらなんですが「キャストのネームバリューで観られるけど中身はいまいち」感が強い、いかにもネトフリオリジナル感のある映画でした。

舞台はイギリスのどこかにある富裕層向けの高級老人ホーム「クーパーズ・チェイス」。老人ホームというか老人専用マンションみたいなイメージでしょうか。
そこで暮らすエリザベス(ヘレン・ミレン)、ロン(ピアース・ブロスナン)、イブラヒム(ベン・キングズレー)の3人は、毎週木曜日に集まり未解決事件を考察する「木曜殺人クラブ」のメンバーです。
このクーパーズ・チェイスは見た感じかなり充実した場所で皆さん悠々自適な生活を送っているようですが、しかし共同オーナーの一人であるベンサム(デイヴィッド・テナント)はここを取り壊して高級マンションを建てようと考えており、住民たちからも嫌われております。
ベンサムの計画が進まないのは、もう一人の共同オーナーで叔母が入居しているトニー(ジェフ・ベル)が反対しているから。
しかしそのトニーが自宅で撲殺される事件が起こり、事態は急展開。
これ幸いとばかりに強引に工事を始めようとするベンサムですが、しかしここでまた事件が起きまして…あとはご覧ください。

いろいろヌルい

割とよくある「素人集団が事件解決の鍵を握る」系のミステリー。今作はその老人版といったところです。
普通に考えて素人が事件を解決に導けるはずがないんですが、一応設定上それなりの裏付けもあってそこがポイントの一つかなと思います。(老人だからこその裏付けではあるのでその意味では設定の強さでもある)
とは言えまあ流れとしてはこの手の話のよくあるパターンではあり、あまり驚きもなければグイグイ惹き込まれるような要素もない、厳しいようですが至って無難な作りの映画でした。
またコメディ色の強いミステリーということもあってか、犯人を予想したり大掛かりなトリックがあったり…ということも特になく、なぜか事件捜査の中心に居続ける木曜殺人クラブの面々を観ていると事件解決につながっていく、というようなお話で非常にヌルいです。全体的に。
まあこの映画はミステリーを楽しむと言うよりはコミュニティの中で起こった事件をそのコミュニティの当事者たちが解決する、言ってみれば「マンション管理組合内の揉め事を出しゃばりな人たちが解決する様」を楽しむ(ただし揉め事は殺人事件です)、みたいな。そんな感じの緩い話です。
映画としての面白さに関しても事件そのものにはほとんどなくて、その事件に直面した主人公たちがどう動くかが中心です。つまり「元気な老人だね」を楽しむ映画というか。
…と書いていて思いましたが、結局これは「ジーサンズ」の殺人事件バージョンなんでしょう。きっと。
あの映画と同じぐらいのヌルさなんですよね。殺人事件の割に。
一応3人の中でも一番の主人公格だと思われるヘレン・ミレンはとても優秀で、それ故に事件解決が早まる…のはわかるんですが、それにしてもまあとにかく何もかもが簡単に進みすぎるので、話としてはもう少し壁がほしい感はありました。
前半いろいろと種まきはするものの、後半の刈り取りが急ぎ足気味ですぐ収穫されていくのでサクサクすぎてもう一つ楽しみきれないというか。
これ、原作小説はどうなんでしょうね。こんな感じでヌルい小説なのかな…。
もっともコメディかつ老人活躍物語なだけに、このヌルさがいいみたいなご意見もわかるだけに悩ましいところ。
それこそトムクルさんの映画に中年が希望を託すように、トムクルさんよりももうちょっと上の世代の方々がスカッとするような映画なのかもしれません。
先ほど「ジーサンズっぽい」と書きましたが、この映画の老人たちは老人的な面白さは出しておらず、いわゆる老人ギャグみたいなものとは無縁なんですよね。「ジーサンズ」にはもうちょっとジジイギャグみたいなのがあったような記憶があるんですが。
もはや老人をバカにしているのかと炎上しかねない時代なだけに、そう言った自虐的なギャグが許容されないというのもありそうではありますが、正直あんまり老人である意味も感じられない話だったし、それこそヘレン・ミレンつながりで「RED」ぐらい振り切っていれば面白かったのに…と振り返るといろいろ微妙さを感じる映画ではありました。

冴えない感想

正直他にあんまり語ることもなくてですね…なんか冴えない映画だったので冴えない感想になります。
ただかなり評価が低い感じの書きぶりではあるんですが、決して「全然面白くなかった」わけではなく、観ている間はそれなりに楽しめました。
ただそれは正直メインの3人が皆さん慣れ親しんだ人たちだったから親近感による底上げがあって、のような気もしないでもない。
ピアース・ブロスナンなんて爺さんですが依然としてかっこいいですからね。さすが元007は伊達じゃない。
ベン・キングズレーはずっと変わらなくて笑うんですが。
ヘレン・ミレンの夫役があのジョナサン・プライスなんですが、さすがにジョナサン・プライスも歳を取りましたね…。
慣れ親しんだ役者さんたちがみんな歳を取っている点に一番感情を動かされましたよ。結局。

このシーンがイイ!

ヘレン・ミレンの運転シーン、いいですね。相変わらずかっこいい婆さん。

ココが○

全体的な雰囲気は結構好きでした。イギリス映画っぽくて。(アメリカ映画なんだけど)

ココが×

やっぱりタイトルから「殺人」が入っている割にそっち系の面白さが皆無なところですね。ゆるすぎて。
ご近所のじいさんばあさんが失踪してそれを探し出す、ぐらいの方が良さそう。

MVA

久々のデイヴィッド・テナント、結構期待したんですがしょうもない悪役でがっかり。彼が悪いわけではなくて役が微妙、って話なんですけどね。
主要メンバーは相変わらず安定感あって良かったですが、その中でもこの人にしましょう。

ピアース・ブロスナン(ロン・リッチー役)

元労働争議のリーダー。
まーほんとにかっこいいんですよ。元気な爺で。
元007だけあって「元スパイ」はよく見ますが、こういう役はあんまり見た記憶がないのでちょっと新鮮でもあり。
悪役やってほしいなぁ。絶対いい悪役になると思うんだけど…。

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