映画レビュー0837 『トロン: レガシー』

前回同様TSUTAYAで借りてきた映画ですが、ここから3本はツイッターでオススメしてもらった映画になります。

また「これ借りたのにネトフリ来ちゃったよ」的な事態を防ぐため、あえて旧作からオススメを募集した中で置いてあった3本です。

まずはこちら。これもいつか観ようとは思ってました。本当は前作(トロン)から観るべきなんでしょうが、オススメされたのでまあ良いかなと。しかしこれももう8年も前の映画なのか…。

ちなみに「話自体は大したことないよ」という前提で借りてるので、最初からさして期待せずに観たんですが…。

トロン: レガシー

Tron: Legacy
監督
ジョセフ・コシンスキー
脚本
アダム・ホロウィッツ
エドワード・キッツィス
原案
アダム・ホロウィッツ
エドワード・キッツィス
ブライアン・クラグマン
リー・スターンサル
原作(キャラクター創造)
スティーブン・リズバーガー
ボニー・マックバード
出演
ギャレット・ヘドランド
ブルース・ボックスライトナー
ボー・ギャレット
ジェームズ・フレイン
音楽
ダフト・パンク
公開
2010年12月17日 各国
上映時間
126分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYAレンタル(ブルーレイ・TV)

トロン: レガシー

エンコム社のCEO・ケヴィンが謎の失踪を遂げてから20数年。ケヴィンの親友で自身の父親代わりでもあるアランから「ケヴィンからポケベルにメッセージが届いた」と告げられたサムは、発信源であるかつて父が経営していたゲームセンターへ行き、地下室に残されていた端末からコンピューター内部の世界「グリッド」へ転送されてしまう。

古くならないVR描写と劇伴は見事。ただ話は結構いい加減。

7.0
コンピューター内部が舞台のアクションSF
  • 父の失踪の謎を解くためにコンピューター内部に入り込む男の話
  • 今観ても古くない電子世界とダフト・パンクによる劇伴の融合は見もの
  • 物語そのものはややアラが目立つ

前作から28年ぶりとなる続編だそうで、当時結構話題になっていたような気がするんですが、それでももう8年も前っていうね…そりゃ歳も取るわ。

物語は主人公のサムがまだ少年だった頃、父であるエンコム社CEO・ケヴィンが作ったコンピューター内部の世界「グリッド」の話を聞いているシーンからスタート。これがおそらく前作「トロン」の頃になるのかな?

翌日の約束を交わしたにも関わらず、直後にケヴィンは失踪。やがて大人になったサムは父が持っていたエンコム社の株をそのまま引き継いで大株主になってはいるものの、父親失踪のショックからか経営には関わらず自由気ままに暮らしている様子。

そのエンコム社で重役に就き、ケヴィンとも親友であった(前作にも登場している)アランが、ケヴィン失踪直後から肌身離さず持っていたポケベル(懐かしい)に謎のメッセージが届いたことをサムに報告、「発信源はゲームセンターだ」ってことでサムはかつて父が経営していたゲームセンターへ向かいます。

ホコリをかぶったゲーセンで電源を入れ、導かれるようにかつて父が話していた「トロン」の筐体の裏から隠し通路を発見したサムは、地下室でコンピューターを発見。少しいじっていると…突如として見たことがない近未来(風)の世界へ飛ばされます。そう、ここが父ケヴィンが作り出したコンピューター内部に作られた世界「グリッド」。

入るなり不良プログラム(要はバグみたいなものでしょうか)と見なされたサムは、この世界での警察的なやつらに捕まって連行され、「ゲーム」と呼ばれるバトルに強制参加させられるんですが…あとはご覧くださいませ。

コンピューター内部に作られた仮想現実、早い話がVRの世界に飛ばされた主人公が、父の失踪の謎を解くために奔走する話…ではあるんですが、当然ながらまったく知らないVRに放り込まれたお話なので割と受け身に展開し、流れ着いた先に親父の影が的なよくあるパターン。

実は早々に父親とは再会するんですよ。ただ姿形は失踪した当時のまま…つまり若い。やけに正面からきっちり捉えるカットが少ない辺りに「莫大なコストをかけてCGによる若い頃のジェフ・ブリッジスを再現しています」的雰囲気が漂います。

なぜ父は歳を取っていないのか、そしてなぜ「感動の再会」のはずが意外とツレない態度なのか…その辺が先への引力になりつつ、物語自体は思っていたよりは面白かった印象。まあ最初のハードルが下がっていたせいはあります。

ただ…もちろん細かくは書きませんが、ところどころ疑問に感じる点がちょこちょこあるんですよね。

やっぱり「コンピューターに作られた世界」で、しかも「完璧なシステムを作ろうとしていた父」という設定の割に抜け穴多くね? っていうのが。

もちろんガッチガチにしちゃうとこの映画におけるいわゆる“敵”が最強すぎてお話にならない=即座にガメオベラになっちゃうっていうのはよくわかるので、ある程度穴を作ってそこから話を広げるしか無いのはわかるんですが…でもそうであっても穴が多いというかゆるい。基本ゆるい。

その穴一つ一つに理由を付けていくことも可能だと思うんですが、それをやっちゃうとやたら説明臭くて冗長になっちゃう故にカットしたんでしょうね。一応はアクションもベースにある映画だし、テンポや勢いを重視したんだろうと思います。

それでも結構引っかかっちゃうのは事実なので、結局は「ごまかし方が上手くない」ってことなんでしょう。もう一歩、詰め方が上手ければ…必見SF映画の一つになり得たぐらいに可能性のある設定のような気がするだけに惜しい。

この辺諸々ひじょーに「イーグル・アイ」に似てる気がする。あの映画も設定的に「コンピューターを無敵にすると話が進められない」同じようなジレンマを抱えていた印象。

ただですね、そうは言ってもやっぱりこの映画の美術面と音楽面については今もってかなりのレベルにあると思います。

今から8年前という時間をどう捉えるかは人によるかと思いますが、ここ最近のこの手の未来描写の進歩っぷりからすると、「十年一昔」なんて戯言なのは間違いないじゃないですか。もうここ最近の(映像面に限らず)テクノロジーの進歩っぷりって言うのは、2000年以前辺りと比べても加速度的に速くなってきていると思うんですよね。

特にこの映画のような一線級のハリウッド映画の世界で、未だに8年前の「未来描写(というかコンピューター内部描写なんですが一応広い意味での未来としてください)」がそれなりの説得力と魅力を持って見られる、っていうのはなかなかな偉業と言って良いのではないかと思います。

この前の「EVA」辺りはちょっと変化球と言うか、そこまでガチガチの未来を描いてはいないので多少古くなっても受け入れやすい面があると思うんですが、この映画はもうドストレートなんですよね。「未来だーっ!!」っていう。そんな8年前のド未来が「映像良いね!」って観られるのはやっぱりスゴイことだと思うんですよ。

そしてその未来のイメージのかなりの部分を背負っているのがダフト・パンクによる音楽だぞ、と。

僕はもちろんダフト・パンクはまったく詳しくないんですが、いかにもワクワクするようなサイバー感を演出する意味でこの映画の音楽はとても素晴らしい仕事をしていたと思います。

何度か書いた記憶がありますが、この手の「未来を描く」、未来のテクノロジーが物語の主体になる映画というのは、どうしても古くなることで陳腐化していくことが避けられないジャンルだと思うんですよね。

ガタカ」のように未来描写が主体ではなくドラマの方に主体があれば古くなりにくいんですが、この映画はご覧の通り「物語はアラが目立つ“未来描写真っ向勝負”映画」なので、それだけ陳腐化しやすい危険性をはらんだ映画だと思うんですよ。

ところがその危険性には8年経ってもきっちり勝負できている、というところにこの映画のすごさと価値があるんじゃないのかなと思います。

くどいようですが物語自体に深みはないので、「ブレードランナー」のような歴史に残るSFとはなり得ないかもしれませんが、それでもいまだに賞味期限が切れていない近未来SFというのはなかなかすごい。

ちょっと興味があったら軽い気持ちで観てみてもいいと思います。「普段とは別の世界に連れて行ってもらう」という意味では映画らしい映画ではないでしょうか。

このシーンがイイ!

やっぱり未来描写がキモの映画なので、バイク(ライトサイクル)に乗ってバトる「グリッド・ゲーム」になるのかな。

全体的に「綺麗でかっこいい」映像は外してないと思います。ただ衣装はダサい。

ココが○

最近ではマーベル映画辺りで顕著ですが、文字通り小手先の未来感が重視されがちだと思うんですよ。まあそりゃ話自体が今現在の世界に起こることなので良し悪しの問題ではないんですが。

言ってみれば「最近はAR重視」な映像が多いと思うんですが、この映画は世界まるごと作り出す「VR重視」の映画なので、その広大な未来感というのは他にない魅力だと思います。

ココが×

やっぱり話そのものの作りの甘さになるんでしょう。

そんなに悪いわけじゃないんですけどね。何が、とか具体的に出てくるわけでもないんですが…なんか腑に落ちない、ちょっとずつズレて進む感じがあって。

結局はツメの甘さになるのかな。

MVA

主役のギャレット・ヘドランドがイマイチ好きなタイプではなかったのがちょっと残念でした。なんとなく冴えない感じで…。

反面、親父役のジェフ・ブリッジスはさすが。この人もやっぱり歳を取って良くなってきた感じが強いですね。

ですが今回はこの人に。

オリヴィア・ワイルド(クオラ役)

ヒロイン。

時折見せる無邪気な笑顔が無垢な雰囲気ですごく役に合っていてとても良かった。

アクションも悪くなかったし、何よりショートカットが似合ってかわいいしで文句なしの選出です。

この人もっと売れても良い気がするんだけど…イマイチパッとしないのはこの映画のせいなんでしょうか…。わからないけど。

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