映画レビュー0631 『バンテージ・ポイント』
いまだ有料移行しようか悩み中のAmazonプライムビデオより。面白そうだったので観てみました。
さて、年内更新はこれでおしまい。
今月はためにためたせいでドタバタになってしまい、猛省しております…。来年はもう少し均等にアップできるように頑張るぞ、と自分へプレッシャーをかけつつ、みなさま良いお年を。
年明けは例年通り、例のアレから始めます。
バンテージ・ポイント
アイデアはいいんだけど、尻すぼみ。
アメリカ大統領狙撃事件という一大事件を、主要人物の目線からその都度反復して描き、徐々に真相に迫っていく…というサスペンス・アクション映画。同じ時間の出来事を複数回繰り返すということで、後発ですが「ミッション:8ミニッツ」にひじょーに近い雰囲気があります。
主要人物としては、まずテレビ局関連。シガニー・ウィーバーがディレクターをやっていましたが、ほぼ序盤のみの登場でチョイ役。その他サブでの技術屋さんたちと、カメラマン等。
次に、シークレットサービスのトーマス。以前に大統領をかばって銃弾を受けた後の復帰最初の任務、というなんとも既視感のあるオッサン。主人公です。
さらに地元警察の刑事、エンリケ。ご多分に漏れず、怪しげ。
んでもって観光客で現場をビデオ撮影していたハワード。最近よく見るフォレスト・ウィテカーが演じています。その時点で良い人っぽさが半端ない。そして爆発後も故障せず撮影が続けられるソニーのビデオカメラの宣伝感も半端ない。
ここまでが序盤、って感じでしょうか。で、続いて大統領ご本人のフェーズに移り、最後はテロリスト目線で事件解決編、と。
この「ある出来事を別の人物から見た目線で徐々に真相をあぶり出す」作りは単純に面白く、また当然ながら整合性もしっかり練られているので、目立った矛盾点もないし、サスペンスとしてはとてもいい作りだと思います。ナイスアイデア。序盤から中盤にかけては、「こりゃー面白くなりそうだな」と非常に期待していました。
が。
結局、最後まで観ると全体的にやっぱり普通の事件なので、ものすごい驚きもなければ(予想の)裏切りもないし、何よりもラストの「始末の付け方」がもうどうしようもなくダメ。
人物同士のつながりを考えれば悪くないとも言えますが、話としてはケリを付けたと言うよりは逃げた感のある仕上げ方で、到底納得できませんでした。言ってみれば「安い肉を食べられるように料理した」感じの映画で、「良い肉を良い味付けで出す渾身の料理」ではないな、と。段々と期待を高めつつの終盤アレ? なので、その分ガッカリ感も強い映画でした。
惜しいなー。もったいない。
このシーンがイイ!
アイデア勝負の映画なので、特定のこれが、っていうのはあんまり…。
ココが○
一つの事件をそれぞれ別の人間の目線で描く、というのはなかなかありそうで無かったアイデアで、それぞれの立場から見ると怪しい人間が変わるのも頷けるし、面白かったですね。
ココが×
オチの付け方を除くと、細かいようですが、毎回一つのフェーズが終わる時に最初まで巻き戻すんですね。あれがめっちゃ安っぽくで辞めて欲しかった。単純に時間表示だけで十分だと思う。あの早回し、巻き戻しの表現でチープさが出ちゃったし、そのせいでこの映画を信じられなかった面がありました。
細かいようで、意外とデカい。
MVA
これほど誰もピンとこない映画も珍しかったんですが、消去法でこの人、かなー。
エドガー・ラミレス(ハビエル役)
実行犯の一人で、弟を人質に取られている人物。一番ひりついた感じが出ていたかな、と。