映画レビュー0670 『2ガンズ』
この前、まったく知らない、関わったことのない映画好きの方のツイッターのコメントをたまたま拝見しました。
「たまに『年間200本映画館で観てます』って自慢する方がいますがそれ映画好きなら当たり前ですから」
他人をディスりつつ行間で自分の自慢に転換しているというなかなか高度なテクニックに白目を剥きましたが、となると彼からすれば、目標は年間100本、しかも大半を自宅で観る僕なんてのは映画好きなんて言っちゃいけない、ただの「映画観てるだけチンコ野郎だ」てなところでしょうか。
が、世界のネット界で最もヒット数が少ない部類に入るこのブログで小さく吠えておきますが、本数勘定って実はあんまり意味がないと思うんですよね。僕は。大して観ていないやつが言うのも何ですが。
もちろん多く観てる人はすごいし羨ましいとも思いますが、以前自分も(たった年間150本弱で)経験したように、本数を稼ぐことが目的化してくると見方が疎かになるし、「この映画が観たいぞ!」っていうモチベーションがあまり無いまま観ても大して入ってこないしで、「俺なんのためにこんな時間作って観てんだろ」って悩んじゃうわけですよ。もちろん人にもよるんでしょうが。
つまりそれはイコールその人に合った許容量、鑑賞ペースみたいなものがあるということなので、人と比べて多い少ない言うのって意味ないんじゃないの、と思うわけです。
それにさすがに劇場200本ともなると、仕事面その他の制約をモロに受けるじゃないですか。残業時間に通勤時間に劇場と自宅の位置関係に予算に…と超えるべきハードルがいろいろありすぎるので、一概に「(劇場で)○○本以上観てないやつは映画語るな」みたいなのはダメなんじゃないかなーと思ったんですよね。ふと。もちろんその方が「語るな」なんて言っていたわけではないんですが、なんとなく言外に「そういうやつはまだ甘いから」感が漂ってたので。
それとハッキリ言って、視野が狭いとか情報収集が甘いとか好みが偏ってるとかいろいろご批判も承知の上で言えば、上記条件全部クリアしたところで年間200本も観たいと思える映画って劇場でやってないんですよね。少なくともうちの近くの、いわゆるシネコンと呼ばれるところでは。
となると、ミニシアターも近くに無いとまず難しいと思うので、また条件はかなり限られてきちゃうし、そもそも「興味はないけど本数稼ぎのために劇場に行く」なんて本末転倒も甚だしいし。だからこそ僕は古い映画も観るし、観たいわけですが。
ということで、これはまあ半分愚痴ではありますけども、例えば「自分は年間20本ぐらいしか観ないけど…」って人でも、「映画好き! 面白い映画知りたい!!」って思ってるならもう大歓迎で映画好きとして同じ仲間でいいじゃないか、って思うわけです。僕は。大いに語りましょうよ。
なんとなく「映画好き」ってオタク系趣味と比べると上に置いている人がいる気がして、同じ映画好きとしてちょっと嫌な気がしたりして。
自分への戒めも込みで書きますが、映画好きは勘違いしてマウント取りがちな似非インテリみたいな人が多い気もするので、視野狭めないで仲良くしたらいいじゃん、とふと思ったわけです。
長々書きましたが、ただそれだけです。なので、「1年間ブログ更新してません」とか言う人も気にせずまた観た時にレビュー書けば良いと思います。オメーだよオメー。←
さて、前フリ長くなりましたが、今回もこれまたネトフリ配信終了間際ということでチョイス。「ナイスガイズ!」が面白かった余韻で似たような感じかなーと観てみましたが…。
2ガンズ
謎が深まる間は面白かったのに、後半息切れ結局ドンパチ。
まあね、タイトルが「2ガンズ」ですからね。最終的にドンパチじゃねーかよ! って文句を言うのも筋違いだとは思うんですが。
でもなー、途中まではすごく良かったんですよ。軽いコメディタッチのバディものかと思ってダラダラ観ていたんですが、意外と謎が謎を呼び的な展開に「これは面白いんじゃないか…!」と盛り上がってきてたんですが。結局「そんなに謎でもないよ(はぁと)」って感じで収束し、最終的にはやっぱりただの“コメディタッチのバディもの”でした。
デンゼル・ワシントン演じる主人公のボビーはDEA(麻薬取締局)の捜査官で、メキシコの麻薬王パピに対する潜入捜査を仕掛けている状況。彼の相方は銃の名手で海軍に属するマーク・ウォルバーグ演じるスティグ。ただ、お互いが自分の素性を隠して「ただのワルだぜ」的に振る舞っているので、それぞれが目的があって悪行を働いていることを知りません。どっちも自分の任務のためには相手を切り捨てるつもりで“ニセの友情”を演じていて、そこがまず面白いなーと思って観ていましたが、しかし強盗に入った銀行に「あるはずのない金」があったことで事態は急変。
これは誰の金なのか、うまくやったつもりが失敗したっぽい二人の強盗の先には大きな陰謀が渦巻いてるのでは…ってな感じで深まる謎と、二人のそれぞれの組織内での立場も変わっていきつつ、はてさてどう決着するのか、というお話。
DEAに海軍、そしてCIAに麻薬王とアメリカにおけるコッテコテな組織が絡み合っての物語ではあるんですが、筋としてはなかなか他にない感じのストーリーだった気がします。ヒロインの使い方も面白かったし。本当に中盤までは結構新鮮に、ワクワクしながら観られました。
ただ…後半息切れ、なんでしょうか。結局力でねじ伏せる形で「サイコーだぜ!」的に終わるので、うーんもったいないな、と…。
思うに、やっぱりちょっとフリが少ないかな? という気はしました。いろいろと謎はあるものの、伏線があんまりないので「おお、あれが」みたいな驚きもなく、結局トータルで観ると平坦なアクション映画の域を出ていないかな、と。
それと、いわゆる悪役ポジションの2つの組織の動きがちょっと現実的じゃないな、という違和感もありました。いくらなんでも…あの辺の組織だったらあんなに好き勝手にやらないでしょうよ、っていう。
ただこの手のバディものにしてはそれなりにしっかりとストーリーを膨らませてはいるので、こういう映画が好きな人には結構楽しめる映画かもしれない、とも思います。デンゼル・ワシントンとマーク・ウォルバーグっていう組み合わせもなかなか珍しい気がするし。
あとはもう…特に書くこともないという。最初のどうでもいい話のほうが長いということで今回はおしまいでございます。
バディものが好きだったら観てね!(適当な幕引き)
このシーンがイイ!
特にこれ、っていうのはなかったんですが…ただ「クリムゾン・タイド」とかの印象が強いせいか、デンゼル・ワシントンの海軍制服姿、やっぱり似合いますねー。あの衣装のときはなんか盛り上がりました。なんか。
ココが○
それなりに差別化を図ろうとしているストーリーはなかなかいいと思います。
ココが×
そのストーリー、もう一歩詰めればかなり面白くなりそうなだけに…惜しい。お決まりの良さもあるんでしょうが、こう既視感のある内容だと…続編も無さそう。
MVA
主演二人も良かったですが、今回はこちらの方に。
ポーラ・パットン(デビー役)
ボビーの元カノでDEAの同僚。
が、ただのヒロインではないのが良かった。あとおっぱい出し惜しみしないところと。
なんせ「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」にも出てた人ですからね。(デジャヴにも出ていてデンゼル・ワシントンと共演してましたが記憶にありませんでしたすみませんでした)
それなりのネームバリューがありつつもおっぱいは出すぜ、という心意気。素晴らしいです。