映画レビュー0537 『人生はマラソンだ!』
今までは省電力で地球に優しいブログを標榜し黒バックでお送りしてきましたが、飽きてきたので。やっぱりすっきりとした白バックがいいと思うの。あたい。
例によってまったくチェックはしていないので、どっかしら不具合が出てくると思いますが、まあどうせ見る人少ないし、というマイナーゆえの気軽さで適当にほったらかします。よろしくどーぞ。
さて、まだやってんのかよというシルバーウィーク4本目。これまた自分が好きそうなヒューマンコメディだろうと思って借りてきたところ…。
人生はマラソンだ!

悪くはないけどちょっと癖がある。
というわけでこれまた自分の大好物なイギリスヒューマンコメディだろう…と思いきや、なんとオランダ映画ということで。オランダの映画は初めてかもしれません。
ちなみにいきなり余談ですが、ヨーロッパ系映画のパッケージや邦題はなんとなくハリウッド系のパッケージとは印象が違うので、大体観た瞬間に「おっとこれはイギリス映画か」と勝手に解釈する癖があります。それでまあ、パッケージ観てオランダ映画って気付いたんですが。知らないで観たよ的に書いちゃってスイマセンねどうも。嘘ついてました。本題とは逸れるので話戻しますね。
主な登場人物は5人。全員自動車工場の従業員。一人は経営者も兼ねてます。そのうち経営者を含めた4人は、先輩風を吹かせながら毎日ほぼ遊んでいて、一人エジプトからやってきた足の悪い移民のユースに仕事を任せっきり。まあそんな状態なので当然ながら工場の経営状況も芳しく無く、ヤバイぞ! と火がついたところで特に策もなく困っていたところ、元マラソンランナーだったユースがかつてマラソンで稼いでいたことを知り、「じゃあ俺たちも」とサボり放題のダメ人間たちがフルマラソン完走を目指す、という物語に仕上がっております。
公式サイトには「マラソン版フル・モンティ」なんて書かれちゃってて、確かに言わんとすることはわかるけどハードル上げすぎでしょ、と。社会の弱者・敗者が一発当ててやろう、というベースこそ似てはいますが、映画の作りとしてはだいぶ差があった印象です。
まず主要人物たちがとても曲者揃いで、なおかつ申し訳ないけど見た目も汚い人が多い。ハゲ散らかしてますからね。もう。性格もあまりいい人たちではなさそうで、やっぱりクセが強い。狭いコミュニティで慣れ合って楽して生きられればいいや、って感じがアリアリと伺えます。
そんな人達が一念発起して頑張る姿に感動…ってな具合なんでしょうが、やっぱりどうもあまり人物に感情移入できない作りのせいか、そこまで応援する気持ちが芽生えないのが残念でした。
「フル・モンティ」も同様にダメ人間だらけでしたが、彼らのほうが描写としては愛せるものがあったと思います。違いはダメなのを自覚しているか否か、ってところなのかなぁ。
この映画の登場人物たちは、もちろん自分がダメなのは自覚しているんでしょうが、あまりそういう素振りは見せないし、葛藤も描かれていないのでそこに応援したくなる気持ちが入って来にくいのがもったいない。
一言で言うと「健気さが足りない」って感じでしょうか。頑張っているシーンよりもグダグダ偉そうにしてるシーンの方が多いせいかもしれません。
もう一点、「ヒューマンコメディ」と思って観てましたが、実際のところコメディの要素はかなり少なめな気がしました。
笑わせにかかる部分もそれなりにはありますが、結構斜に構えていて素直じゃない感じがして、そこがまた感情移入を妨げているかな、と。
やっぱり「登場人物を愛せるか否か」が一番かな…。そこの描き方がもっとベタな感じでも素直にやってくれれば、もっとグワッと感動できたんじゃないかと思います。
なにせ家族もクセのある人が多くて「オランダ大丈夫かよ」と思わないでも無かったです。おそらくは極端な描き方をして、その落差で笑いを取ろう…という形なのかもしれませんが、やっぱり僕としてはもっとサラッとした、イギリス映画的な笑いの方が好きです。
笑いにしてもちょっとクドいというか、やっぱりヒューマン系で泣かせに行こうとする割にはアクが強い映画だな、という気がしました。
とは言え。なんだかんだで、「マラソン完走を頑張る」というのは世界共通でわかりやすく、やっぱりラストの大会は頑張って欲しいなぁと応援しながら観ちゃいましたね。少しホロリともしました。
ただその後のエンディングまでの展開はあまり好きではなく、「いやわかるけどそれはちょっと…」という感じで。この辺は好みがわかれるかもしれません。
主流の映画ではないので、映画好きとしてはちょっと興味をそそられやすい存在感がありますが、実際のところ厳しく言ってしまえば、この手のジャンルであれば他にもっと良い映画があるかな、と思います。
ただクセがある=好きな人にはたまらない、という面もあると思うので、ハマる人はハマるかもしれません。
このシーンがイイ!
特にここ、って印象に残ったのは無かったかな…。
ココが○
テーマと主人公の背負うものの重さはわかりやすいし、誰が観ても納得できる部分ではあると思います。ただ、設定的には無茶があるとは思うけど。
ココが×
一緒に借りただけに、どうしてもこの前観た「ワン チャンス」と比較してしまうんですが、あっちはやっぱり周りの人たちもすごくいい人が多くて、自然と応援に気持ちが向かうんですが、こっちは周りも曲者だらけなので、この世界そのものを愛しにくい面がやっぱり一番厳しいのかなと思います。その分、リアルではあるんですけどね。現実なんてこんなもんでしょ、っていう。
ただそういう部分での変なリアルさはこの手のヒューマンコメディには求めてないと思うんだよなぁ。個人的には、かもしれませんが。
MVA
エジプト人役の彼も良かったと思いつつ、この人かな。
ステーファン・デ・ワレ(ギーア役)
工場長の主人公。
泣かせの演技はこの人が全部担っていたように思います。大会シーンでの迫真の演技もお見事でした。


